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【無料クッソ長文】首謀者ミワユータが全アーティストをふりかえるまとめ

1日のことを振り返る私は「主催であり、主役ではない」


年齢、芸歴、売れ具合、関係ないのがシカト祭り。
15分3曲という平等性。それは我々も同じ。
絶対時間厳守、それは我々も同じ。
そりゃそう。ルールがないゲームなんて退屈だろう?これくらいがいい塩梅だ。

ということで勝手に考えたキャッチコピーと、
覚えてる限りのことを色々書き出していく。



「居ないのに存在感フルのラフ&シンガー」タマキング
タマさんの手紙は序盤真面目で、うっかり電車でチェックしてしまって泣いてしまった。
グレモンのヤマトに代読、ツッコミに助ジャイの今井くんを横に立たさせて、と言われ、その通りにした。私はお笑い大好きだけど、ヤマトと今井くんはさすがプロ。打ち合わせなんて、ほんの少し。楽屋でちょっと話しただけ。でもあのクオリティ。タマさんの手紙もバカ受け。流石すぎる。



「トップオブトップスのトップバッター」HANKs
若手で信頼と期待ができる、かつイベントの幕開けをやれるバンドが毎年トップ。
まあ、まず「俺たちが喰らわしてやるぜ」みたいな気持ちがあったら、このイベントのトップバッターは無理。この位置は「1番最初にライブをやるバンド」ではなくて、
「イベントの始まりの合図を出すバンド」だから。難易度がとても高いんだ。
来年は誰か別の若手に譲ろうかなとタクミに言ったら「トッパーはその後気楽に飲めるからトッパーがいい」と言ってて最高だと思った。これぞシカト祭り。




「原点から幾つもの分岐」フクモト原点
もっと前に見た時はもっともっと荒くて独りよがりだったけれど、
きちんとショーアップされていて、ああ、どこかで色々変化したな、成長してる、と、
高校生から知ってる身としては嬉しかった。でも初対面のたつおくんに速攻うざがられてて、速攻うざがるたつおくんも、うざがられるフクモトも好き。




「ロックンロール通信簿オールA」The Bright Light
彼らの話はブログでよく書くけれど、演者全員がそれを読むわけじゃない。
年齢知らないで見てる演者も多かったが、みんなが音出しの時点で騒ぎ出したので、
こそっと「ねぇ、あの子たち高校生だよ」と耳打ちすると全員ギョッとした。
イベントの中では割とお兄さんのツチハシノブユキも「音出しの時点でこれなのに?」
とおどけた顔をした。海外は年齢関係なく飛び級で大学まで行ける、それに似てる。
だからこのイベントにいるんだ。高校生は普通出さない。
このイベントに若さゆえのかっこよさは要らない。
いるのはかっこよさとおもしろさ。だから呼んだ。見たでしょ?あれ。



「劇場型白雪姫」杏仁豆腐とおしるこ太郎
拝啓シカト祭り出演者様で書いたように、ひさおちゃんのことは書いたけど、
杏仁ちゃんとは初めてまともに話した。私を見たのが16歳だそうだ。
結局のところ長いイベントがこういうのが面白い。いつか杏仁ちゃんが結婚とか出産とか家買ったとか、そんな話を打ち上げで聞かせてくれたりするんだろうか。



「マシュマロとチェーンソー」Canaria
カナリアは街歩いててもバンドマンには見えない。きっと。
なのに、ドラムのさくなちゃんが使わなくなったコーラスマイクを流れる動作で避ける瞬間、アスカちゃんの顔が髪隠れながらも煽る手拍子の手の動き、キリちゃんがカポを指板に目もくれずスムーズに移動させる仕草。すべてが努力と場数で成立する光景。
本当に骨の髄までバンドマン。めちゃくちゃ轟音、すごい破壊力。





「現代社会のダークプリンセス」味可
色んなことがあってちょっとつらそうだからたくさんハグをした。
見てもらったらわかると思うけど、土橋さんやヨーコちゃんみたいに鍵盤を弾いて歌う女性に憧れがある。聞いた?あのロングトーン、そしてウィスパーっぽくなった時の音程の揺らぎのなさ。現代の問題をテーマにしてる歌詞が多いが、テクニックあってこその説得力だ。素晴らしい。




「この世でもっとも美しい三角形」The Spanky Muds
サポートベースでハンクスのリックがベースを弾くスパンキーマッヅは、
この世で最も美しい三角系。スリーピースは二等辺三角形になったり、
もはや三角形ではなくなったりするけれど、全員が主役、同じ量の高い魅力で。
3人を見てると「楽器を演奏することは楽しい」というのがわかる。




「赤裸々人妻フェアリー」タテヨーコ
ヨーコちゃんの歌がいいのは当たり前で、同志に告ぐという曲があって、
恋人になりたいわけじゃないけど特別でありたい、というバンド仲間への歌があるんだけど、毎回泣いてしまう。バンド仲間は異常な関係性なのだ。夫は後半に出てくる松田さん。
馴れ初めをみんな気になってると思うから、と「酔った勢いでやっちゃったら馬が合った」と笑っていた。思わず、ヨーコちゃん大好き!と叫んだ一瞬。




「ダイヤを飲み込んだ死体」あやかしの動物園
解散したバンドに毎年オファーする私は狂っている。
だけど大好きな人が死んだら1日でいいから生き返って欲しくないか?
解散という死を迎えてもダイヤを飲み込んでる以上はその存在を忘れてはならない。
私はダイヤを飲み込んでると知ってるから墓を掘り起こしたんだよ。
ダイヤモンド、すごかったでしょう。1000万出しても買えないよ。





「鯨も旅の途中に聞く歌」More Suger(KUNI)
クニくんは言った。本当にこのイベント、楽しい。
誘ってもらえて本当嬉しい、来年も呼んでもらいたい、絶対に出たい。
もちろん、その声と音を聞きながら来年も決定だと思っていた。
クニくんの歌を海に溢れさせたら、鯨の群れが集まってきて、
より優雅に泳ぐだろう。そういう魅力を感じる。




「スパンコールに隠された技巧」忘却曲線
忘却というとみんなスパンコールの派手な衣装とか大ちゃんの髪色やメイク、
電飾お立ち台を1番に思い浮かべるだろうか?よく考えて。それは2番目じゃないか?
1番は「ズッキュンズッキュン」とかあのキャッチーな歌詞とメロじゃないか?
それは技術があるから。特に土橋さんと大ちゃんは自分がどう見えてるか完全に理解してる。
土橋さんのマイクを持つ手と逆の手でさばくケーブル。その鮮やかさ。これは場数踏まないと絶対に不可能。




「どう見ても怪しいのにエモいお兄さん」ザ・ハンズインポケッツ
昨日で言うならば、セットリストがエモかった。私はフジタのソングライティング技術を本当にすごいと思っている。最後のシャイニングモーメントという曲しかり、
大人になればなるほど刺さる。金髪の怪しいやつ、陽気な原人みたいなやつ、あと双子。
こんなバンドなかなかいない。心から彼らを愛してる。




「いい声いい歌いい身体」雨宮健三郎
タマさんの手紙で脱げと振られてたので、気がついたら裸だった。
歌が素晴らしいだけにそれが本当に面白い。彼は私が任命したマッチョ隊なのだが、
ベスのライブ中はやたらとみんなが裸で、暴れまくっている。
けんざぶがどんどん自由に強くなっていく、来年はパンツ一丁かもしれない。



「情報過多のロックンコント」機械男
とにかく全員色々やっていてどこを見てたらいいかわからない。
どこを見ても笑ってしまう。しかし、これは忘却と同じで、技術が大事だ。
漫才で噛んだらオチがブレるのに似て、面白さを追求すると演奏力が高い方が絶対にいい。
体感で1番早くライブが終わったんだが、確か実は2分押してた。と思う。



「酔えば酔うほど酔わせてくれる音楽酔拳」ツチハシノブユキ
ベロベロだったツッチー。チューニングしながらふらふらしてるくらい酔ってた。
でも、ステージでのあの歌。聞いてるこっちがほろ酔いになって、
ふわふわ気持ちいい状態になってくる。あれくらい酔ったら耳に影響が出て音程も狂ったりするのに、素晴らしい歌。さらに打ち上げでも飲んでて、ほとんど酔拳。



「どこいっても主役の集団」助っ人集団☆ジャイアンツ
オープニングで今井くんと絡んだけど、私がお笑いが好きなひとで、今井くんがお笑いをやるひとだ、と強く感じた。それくらいの差がある。等身大の、というと使い古された言葉だけど、彼らが演奏して説得力が増す歌詞なものいい。どのイベント行っても、みんな帰りは彼らの話して帰る。打ち上げ後にぐっちが「助ジャイは全員ミワさんを女性いや、メスとして見てます」と言ってて笑った。マジ威風堂々な感じで。




「午後四時の太陽」ハロー松田
松田さんは人気者だ。人気者って太陽だ。ただ太陽は時間帯によって全然違う。
真昼間の太陽は眩しい、目が痛いし、影を濃くするだろう。でも午後四時はまったりとする。夕日よりも少し前の太陽。みんながほっとする。松田さんってそう。と思うのだが、
妻、タテヨーコが「勢いでヤッて結婚した」とmcした後に、この夫、松田さんが「気分を変えてさっきラブホ行ってきた」と言ってて、夫婦で誘おうと思った発想が正解すぎて爆笑。



「正義より人気のヴィラン」vono vomno
ボノはきちんと見れてないのだが、シカト祭りは転換がないので致し方ない。
レオナは遅れてきたのだが「電車で配信見ながら来た!みんな結構出来上がってるから急いで仕上げようと思って電車の中でワイン飲みながら来た!」と言ってて、
私は楽屋で吹き出してしまった。ダイはマッチョ隊として暗躍。ミワユータを1番笑わせた。今日はキョウタはミワユータのトークスキルをベタ褒め。嬉しい。ライブはどうせかっこいい。


「コミュ力10000のスナフキン」佐藤達生
たつおくんは相変わらずパフォーマンス技術が素晴らしい。
これはたつおくんの生まれもった相手の心に触る技術の高さもあるとは思う。
普通はジワジワ距離を詰めて、やっと触らせてもらえるのだけど、
たつおくんはフリーパスを持ってて、すぐ触る。そしてこちらも心地よい。
それをライブ中、お客さん全員にやる。そりゃあ盛り上がるの納得。




「やれるのに全然やらない四天王」劇団GuReM♂♀N
去年と同じく、コントでセリフを噛んだらウォッカをイッキするという、
ちょっとそういうのうるさい人が見たら炎上しそうなパフォーマンス。
やってること自体は大学生なのだが、それで芝居をし、ダンスをするのがすごい。
あんなにウォッカ飲んでて、あんなに何故飛んだり回ったりできるのか。
うちのライブではクラッカーもやってくれた。タイミングばっちり。




「高低左右関係なしMr.エンターテイメント」銀幕一楼
前にも書いたが付き合いが古く、こんな感じになるとは思ってなかった。
これは本当にアーカイブを買って見てほしいのだが、
スクリーン裏でセッティング中の私も、思わず手を止めて見てしまうくらい面白かった。
面白いことをやるには技術が大事。銀ちゃんはべらぼうな歌唱力。
そこに笑いのエッセンスが乗っかってるのだが、もうそこまでいくと歌が上手いのも面白くなる。
常に勝利の男。




「主催であり主役ではない」Elizabeth.eight
うちのライブはとにかくスピーディーにぎゅっとつめこんだ。
アンコールがあったら「あたしバンドマン」と決めていた。ダブルアンコールがあったら再度シックアゴー。
予定調和のアンコールは好きじゃない。だから本編と別の曲はやりたくない。
そもそもが演者全員平等。でも演者がいいというので「あたしバンドマン」をやらせてもらった。

MCで言ったこと。

「女はバンドで売れなかったら結婚に逃げれるし、子供産んだだけでなんか成し得た感じになるからいいよな。ミワユータがアナーキーなのは女だからだろ。男はそうはやってらんない」
当時のバンドのメンバーに言われた。ショックだった。


じゃあ、結婚も出産もしねぇよと胸のタトゥーを入れた。覚悟みたいなもんで。
その言葉が胸にあって、20歳そこそこの時は「結婚してバンドもやってます」みたいな子を見るとイライラした。一緒にしないでほしい、と思った。

でも。

シカト祭りの仲間が結婚したり出産した時、全然そう思わなかった。
まあちょっと寂しい気もあるけど、それは友達だとそういう気持ちにもなるだろう。
それだけ。おめでたいと思ったし、嬉しかった。

土橋さんに子供ができたとシカト祭りの会場でこっそり打ち明けられた時なんて、涙で出そうなくらい素晴らしいと思った。
ハンズインの加藤兄弟の子供の写真を見るのが楽しみだった。
言っていいかわかんないけど、後輩2人に子供が産まれ、
お年玉をワクワク包み、もう1人の後輩の娘の名前きいて、なんて素敵な名前なんだって拍手した。


あの暗くイラついた気持ちが完全に消えたのは、
結婚したり出産したりした仲間が、やっぱりずっとかっこよくいてくれたからだと思う。
だからその気持ちは全くなくなった。

私は子供がもう産めないし、欲しいとも思わない。
けれど、このまま死んでいったら私は何がこの世に残せるだろう。

現状ヒットしてる曲はない。
指一本で音楽が無料で聴ける世界でも、
今この世でベスハチを聞いてる人が地球上に何人いるだろうか。
いない。居ても10人に満たない。


それが嫌だと思った。
だから2023年売れる、と言ったんだ。

何回再生したかではない、何人の一瞬を、何回救えるか。
ちょっと助けになれるか。それが記憶に刻まれるか。


シカト祭りは本当にすごい。
私が、ではない。



全員が楽しむつもりでいる。


人生はその姿勢がないとあっという間に終わる。
愚痴ってるうちに終わる。


だから、すごい良い時間なんだ。



誕生日なんて私には過去のことだ。
もう生まれたんだから、どう生きていくか、どう死んでいくか、だよ、



過去最高に楽しく、マナーもいいシカト祭り。
本当にありがとう。

この話や映像、写真はまた。



首謀者 ミワユータ

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