いつかの年明けに散髪に行ったらたけみちみたいな髪型になった話

上京したての僕は金髪に染めていた。バイトを飛んだからである。飛んだ瞬間に新宿にはもう行けないなバイト先の人と会うからと思ったがライブは新宿であるので行かねばならない。明日バイトを飛ぼうと決めた日ブリーチを買って髪を染めた。人生で初めてである。今までの人生で髪を染めなかったのはバイトがイベントスタッフで黒髪しかダメだったからである。あと留年したのに染めたらなんか親に悪く思われるかなとかそんな理由だ。そしてバイト先に髪を染めていくのは恥ずかしいのでバイトに強制的にいかないように自制の意味で金髪にした。
散髪の話をしよう。僕は癖毛である。両親がくせ毛なのでそのことを美容師に言うと「サラブレッドですね笑」と毎回言われていた。お洒落な美容室に行くのは苦手なのでおばちゃんがやってる店に行くと必ずオールバックにされた。この時代に珍しい浮きまくった髪型の僕だった。大学時代、誕生日の日にたまたま髪を切りに行った時もオールバックになった。休み時間に散髪したもんだから、朝は髪を下ろしてたやつが夕方にはオールバックになっているのだ。周りもさぞ驚いただろう。まあでもおばちゃんはそれがかっこいいと思ってやってくれているのだ。僕がどうこう文句を言える問題ではない。
そして今日、僕は髪を切りに行った。前回切った時はジモティで見つけた0円でカットモデルのやつで切ってもらったので伸びたら少し髪型か爆発している。僕は都会のはずれにある理容室に髪を切りに行った。夫婦で営んでいて昔懐かしい理容室の外観。中は少しシャープな感じで最近のクラブでかかってそうな音楽がBGMだ。僕はいつも髪を切って貰ってる時喋らない。一人で考え事をしてて笑いそうになる。笑ってるところ見られて気持ち悪いと思われるから顔を引き締める。その繰り返しである。いつも通りツーブロックを頼む。おじさんが何ミリか聞かずに黙って僕のサイドを刈り上げていく。それには少し驚いたが特にこだわりはないので何も言わなかった。「はい、できたよ」おじさんの声で目を開ける。「後ろに流しといたよ」
鏡を見た瞬間笑いそうになった。そこには東京リベンジャーズのたけみちかいた。あれ、目を開けるとさっきまでおじさんとおばちゃんがいたのにあれれ?もしかしてあなたたちは、マイキー、、?こして花ちゃん、、?東京リベンジャーズ、、?
僕は慌てて言う。「前に流してください」

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