#2 自己紹介で聞かれる2つの事について②

先日、はじめて【スマホデトックス】をしました。
12時間程度のあまり長くない時間ではあったけど、デトックスをして見えたことはたくさんあって、

旅館の食事処にあるテレビが気になったり、
(のんびり過ごせる旅館の食事処にまでテレビいる?っていう疑問。デジタル機器がどこにでもあることに、普段は気づかない違和感を感じた。)
スマホ使わないと決めたら、意外とスマホは気にならないということに気づいたり、
(普段は隙間時間でもスマホ触ることが多い。)
その分、見える景色や考えられる時間が増えたり。

思考も、いつもよりクリアだった気がする。

以前からやりたかったスマホデトックスをようやくやれて、とてもいい事しかなかったので
無理のない範囲で定期的にやろうと思う。


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今日は、僕がやっている舞台監督という仕事について。
よく質問してもらうのですが、目に見える形での仕事ではないし、ほんとうに「何でも屋さん」に近いところがあるので、うまく言語化できずにいました。
少しでも、言葉で整理して記事にまとめます。

先に言いたいのは、どの職業も、実際やっている人しか見えない世界があって、分からない苦労があって、
一概に言えることではないし、舞台監督という仕事も
人によったり、担当してるジャンルによって価値観は全く違うので、
あくまで僕個人の考えとして見て、知っていただけると幸いです。


舞台監督という仕事


僕は、(基本的に) コンサート専門なのですが、この仕事は幅広く、
コンサート・フェス・お芝居・ミュージカル・イベント全般、etc.....
様々なイベントにいることが多いです。

何してる人かというと、ひとことで言えば

進行 (幅広い意味で。)

がメインの業務です。

よく、「演出とかをやってるの?」って聞いてもらうことも多いですが、
これは本当に、仕事による、としか言えなくて、
がっつり演出を担当することもあれば、(本来の業務とは別なので、このパターンは、たまにしかない。)
進行に徹することもあります。

時系列で言うと、

コンサートをやる事が決まった時点で、大枠のスケジュールをもらいます。
お仕事をいただくのは、ほぼ全てが、コンサート制作 といわれる仕事をしている人達から。俗にいう、クライアントとなります。
仲良しの舞台監督さんから仕事をいただくこともありますし、逆も然りです。

大きな仕事であれば、1年前とか、もう少し前からスケジュールが決まっている事もあるので、まだ世の中に出てない時でも、結構動いてます。

打ち合わせがガッツリ始まるのは、半年前〜3か月前くらいかな。
小規模であれば、1か月前、2か月前も珍しくないです。

大体は、アーティストか、もしくはアーティストが所属する事務所の人達が、
「今回は、こういうコンセプトで、こういう感じのショーがしたいんです。」

みたいなところからはじまります。
どういうことをやりたいのか。それを実現するには、何が必要か?
限られた条件の中で、どうすればいちばんかっこよくできるのか?
僕達スタッフは、それを吸い上げ、具現化するための手法を考え、話し合います。

やりたい演出ができる / できない は、諸々の状況によって大きく変わります。

・会場の特性 / レギュレーション
・予算
・機材
・他の演出との兼ね合い
・設営に要する時間

などなど。

余談ですが、コンサートをつくるのって、結構お金がかかります。
みなさんがなんとなく想像する、多分10倍とか。
チケットは高いけど、かなりの割合が制作費なのです。事務所、ぼろ儲けだね!みたいな感じでは全然ないのです。

話を戻しますね。
その時々に合わせた演出と内容を、打ち合わせしながらつくりあげていきます。
責任者となり話を進めていくのが「舞台監督」です。

最終的な着地点は、

この本番内容で、このセットで、この時間軸の中で設営もリハーサルも本番も撤収もできて、皆も問題ないよね!OK、がんばろう!

みたいなところまで、もっていきます。

なので、ちゃんと組めるセットであるか詰めなければいけないし、
(実際に組むのは、大道具さんだったり、照明さん音響さん始め各分野のプロだが、ぶつかり合ってるところがないか広い視点から確認・修正する。)

本番を進行する上で、演出内容やそれに合わせて曲も理解するし、
(そのために、スタジオリハーサルにも足を運ぶし、リハも仕切るし。)

そのために何を確認する必要があるのか?どういう段取りで進めるのがいちばん効率よく、皆のストレスが溜まらないのか?
考えて、それを遂行する必要があるし、

設営や、メンバーを入れるまでにつぶさなきゃいけない懸念点、撤収の時間等のタイムスケジュールを組んで、これでいける!っていうところまでもっていく必要があるし、

業務は幅広く多岐に渡ります。
めんどくさいので、普段は「目に見えないこと全部」って言ってます。

照明を動かすのは照明さんだし、
音を届けるのは音響さんだし、
セットを組むのは大道具さんだし、
煙出したり火出したりするのは特効さんだし、
映像出すのは映像さんだし、

その他にも、たくさんの各分野のプロ達が何十人、何百人と関わってます。

各分野のプロが、自分達の思うように進んでいると
交通事故が起きる可能性があるので、僕達が道を整理して、皆が事故なく、且ついちばん近道でスムーズに進めるように交通整理しています。

補足すると、何かあった(=失敗とか、事故とか。)時に、
頭を下げる立ち位置でもあります。監督、という仕事なので。

大きく二つに分けると、

「対アーティスト」
「対スタッフ」

両方の面で、いちばん近い距離感で、進行していくことを生業としています。
進行していく中で、

こういう感じの方がかっこいいと思うよ。
こういう演出もできるよ。

とか、細かいニュアンスで演出をつくるときもあります。
舞台監督は、全体に対して修正を加えることができる仕事でもあります。
なので、舞台監督のスタイルによって、ショーの完成度は変わってきたりします。

「Stage Director」「Stage Manager」
とか呼ばれる仕事なので、

ステージに対するディレクションやマネージメント

といった感じです。

舞台監督という仕事は、ここまでやればOK!みたいな線引きが全く無いので、手が足りなければ色々やるし、案件によって何をやるかも結構違います。
共通してるのは、

「本番に対する責任者で、アーティストやスタッフが気持ちよくショーをできるよう道を整え、プロジェクトを進行をしていき、限られた条件で最高のショーをお客さんに届ける」

みたいなところです。
カッコよく言うとこんな感じですが、結構、泥臭いこともやってます (笑)


ざっくり説明すると、こんな感じです。
ジャンル問わず、様々なアーティストとお仕事をさせてもらっているので、
これを読んでくださっているあなたが、次、見に行くコンサートの裏側にも、もしかしたら僕がいるかもしれません。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。


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