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イヌの台詞27 ~イヌとネコ 3 の巻~

ウチにネコがやってきたのは7年前の春の昼下がり。庭で家族団らんの
ティータイム。そのかたわらで、「そこにいるのが当たり前のような顔」で
チョコンとすわっていたのが、今のニャンとの出会いです。

全く逃げないだけでなく、「ニャンちゃん」と呼ぶと、トントンと側に来ます。そのうちに子供たちが餌をやるようになり、いつの間にか居着いて―となったわけですね。どこかで飼われていたけど、わけあって捨てられたのかな、と推測しました。

その時点で、3年前から「ベリーちゃん」というワンちゃんの「先住民」が、家に居ました。それゆえ、初めは外で餌やりをして、夜はどこかで勝手に寝て、という放任状態。しかし、秋になり寒さが厳しくなってくると、さすがに可哀そうになり、私たちは思い切って、ネコを家に入れてみることにしました。乱闘になるのを覚悟のうえで―。

 
部屋に入ると、ニャンはユックリと一回り。それから部屋の中央に居座り、悠々と前足を舐めてネコの「顔洗い」。ワンの方は部屋の隅へ行き、頭を床に着けてうずくまっています。しばらくして、ワンはカミさんの側へ行き、膝の上に寄り掛かって<コイツなんとかしてよ!>のポーズ。
ニャンはシッカリとワンを見据えて<オマエ、何か文句あるの?>

もうここで勝負の決着がつきました。ウチのベリーは牧羊犬ですから、牛や羊には激しく反応しても、ヒトや他の動物に攻撃的になることはありません。ニャンの方は動物的本能で、ワンが攻撃しないことを最初から見抜いているのですね。

 そうは言っても、家の中はベリーのテリトリー(縄張り)です。ニャンと一緒に暮らしたくないということは、ハッキリとわかりました。そういうわけで、私達は外の土間の棚に、ニャンの住まいを作ることにしましたよ。段ボールと発泡スチロールで枠を作り、その中に暖房付きのネコ炬燵を入れて「ネコの家」の完成です。
 
それから6年の年月が過ぎ、ニャンは外ネコとして、夜は炬燵で眠り、
昼間は暖かいビニールハウスの中で、私と過ごしています。ウチのベリーの方は、夜は家の中のケージで眠り、昼間は大抵、玄関の近くでうずくまり、いつもの「ツマらん」ポーズ。コイツは外の草地で走っていたいようですね。
さて、今はどちらが幸福なのですかね?私にもよくわかりません。
 

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