京都老舗の菊乃井から学ぶ。今日、何を食べる?

土曜日の朝のテレビ番組「サワコの朝」を途中から見ていた。

ゲストは京都の老舗料理店、菊乃井のご主人である村田吉弘さん。

途中からではあったが、素晴らしいことをたくさん伝えて下さっていたので備忘録にメモしたい。

村田さんは、常に新しいことを開拓し、世界中に日本料理の素晴らしさを普及。継承する活動を行なっている。(とはいえ先代の真似事はしないのだそう)

番組で、

「私たちのような雑食の哺乳類はいろんな種類のものをいただかないと。1つのものだけ食べてちゃその食物が絶滅しちゃう。」

という趣旨のことをおっしゃっていた。

なるほど。

そういう考え方もあるのかと至極納得。

どこに住んでいるか、どんな食物に囲まれて生活しているかでまたそのバランスも絶妙に変化していく。

日本食の一汁三菜は「日本」での生態系の維持と健康、相応しい文化を包括している。

また村田さんは日本料理を素晴らしい文化として継承するために

英語やフランス語に訳された料理の本を監修されているそう。

ここで非常に感服したのが、

料理法のすべてを数値化して、科学的に本を造ったとのこと。

日本料理の本はもちろん出版されているけれども、老舗料亭のようなお店の味というのは

いわゆる下積みの修行を重ねて、

見て真似る。感覚を磨く。というのが一般的。

塩梅 という言葉通り師匠の元で実際に体感し、自分の体の感覚でソレを掴むまで修業する。

それが伝統を体得する道だった。

もちろん、素晴らしいことであるしその方法は引き継がれるべき点も多くある。

しかしヨーロッパ人などに「もっと科学的にきちんと表記してくれ」と言われたそう笑

世界中の人間が共通認識を持てるように伝えて欲しいと。

タンパク質が凝固する温度は数値化できる。そういった共通用語から、あとはその国の食材の特性、気温、季節によってアレンジメントが加えられる。

この人の本当に素晴らしいところはこの頭の柔らかさ。

なぜ日本の伝統料理をロジック的に海外に伝えるという策をとったのか。

答えは、

本当に守りたいから。だ。

ある料理家からすれば、日本料理を化学的にロジカル的に訳した辞書のようなものを造るということに抵抗や違和感がある人もいるかもしれない。

しかし村田さんは、本当に守りたいから。

そのための行動を実行している。

日本はこの20年で米の消費量が半分になり肉の消費量が5倍になったという。

こんなことをやってのける国はまぁレアケース。

第一産業を盛んにし、自国を守る考えが本当に必要。50年後の食料自給率は19%だそう。

日本食という万能で素晴らしい文化を廃らせず、国外からも大きな支持を得るために村田さんは活動をされている。

じぶんの本当の使命に気づいているひとは、
ものすごく強固なのに柔軟だ。

外側の意見に振り回されていないから。

まさに仙人の生き方。

わたしもそうでありたいな。

私も自身の食に関してはだいぶ旅を続けている。

今は日本にいるときは玄米か、白米も食べるというスタイルに落ち着いた。

理屈は抜きで明確に、美味しい。

今日は何をいただこうかな。

今日の選択が自分を作り、子供たちを作り、未来を作る。

何か自分にできることを!と息巻く感覚ではなくて、

私もぜんぶのいちぶだと思って、食べさせていただこう。