置換

社会人になりたての頃、勤めていた会社の上司の方(便宜上「K氏」とします)が何気なく話した言葉こそに、人生を歩む上での真理を感じています。

その言葉とは、「ただ置き換えているだけですよ」。

K氏は非常にPCに精通していた方で、会社のデータベースソフトの管理者でした。確かこの言葉が出たときの場面は、私がK氏の扱うプログラムの動きをみて感嘆した思いを伝えた時に返された言葉です。この時にK氏が伝えたかったのは、例えばこんなことだったと想定しています。

AAAという場所にある「XXX」を、「YYY」に置き換える。
AAAという場所にある「XXX」を、「YYZZ」に 置き換える 。
AAAという場所にある「XXX」を、BBBという場所に 移動する 。
AAAという場所にある「XXX」を、BBBという場所に移動して 「YYY」に置き換え る。
これらのようなことを、日常の何気ない行動に当てはめてみる、将来の目標に対して当てはめてみる、生まれてから死ぬまでのライフプランに当てはめてみる。そんな事を考えているうちに、「ただ置き換えているだけ」と話された手段は、人生を歩む上で迷ったり困ったりしたときの有用なツールに思えてきたのです。

「Aという場面でのXという行動は、Bという場面ではYとZを行うことに出来るのかもしれない」といった具合に仮説を当てはめていく作業を行うことで、別の視点が見えてくるのではないかと感じています。

視点を変える、考え方を変える、環境を変える、言葉を変える…何かを変えることで、過ごしている日々が少しでも意味のあるものになれることこそが私の本望なのかもしれません。そしてきっと、その本望を叶えるための助けとなるのが、「置き換える」という行動なのでしょう。