【第2CP→第3CP】セロテーピングを辞退
記事初回入稿日:2009.07.15
改訂開始日:2017.07.16
最終改訂日:2019.08.04
2009年6月27日(土)
11:14 第2CP到着
予めお伝えしておきます。今まで随所随所に公開してきた写真ですが、もうそろそろネタ切れです。これからの記事からは、だいぶオリジナルの写真が減ります。
理由は単純明快で、パートナーの根津さんと話に没頭してしまったためです。それくらいに、大会中の会話には花が咲き乱れました。
で、11:14に到着した第2CP、やはりここでも、我々2人は長期滞在を目論みます。到着をCPのサポートに伝えて、すぐにブルーシートに転がります。
第1CPと同様、このCPは簡素な作りをしています。その光景はアウトドアそのものです。
このCPでは第1CPに比べて、心なしか、大勢の人たちがいるように思えました。みんな談笑をしながら、湖畔の一時を堪能していただけているかのようです。まさか、我々が長期滞在をするとも知らずに…。
ブルーシートに座っていたら、第1CPで「親指タイタニック」(ふくらはぎのマッサージ)を見事に演出していただいた地元某学校のO先生が、またいらっしゃいました。
今度は竹杖を持って、こちらに近づいてきます…。そして、どんな拷問を受けるのか不安に駆られている暇もなく、竹杖を私の足の裏に突いてきました!
ただ、今回のマッサージ(竹杖プレイ)は殆ど痛みを感じることはなく、とても気持ち良いマッサージとなりました。
当然のことながら、自分だけではなくパートナーの根津さんも体験いたします。
根津さん「あーー、これはまた気持ちいいですねぇ」
O先生のバリエーション豊かなマッサージはなかなか興味深いので、我々の後に合流したグループの方たちにもお勧めしてみます。
第1CPで体験した「親指タイタニック」を何人かの方に紹介し、体験していただきました。少し痛いけど気持ちいいという方、あんまり痛まないという方、様々なリアクションを見ることができて、とても楽しかったです。
それと同時くらいのタイミングで、第5CPのリーダーである地元参加のIさんがバナナとひとくちチョコを差し入れしてきてくれました。
そのIさんはグダグダしている私と根津さんを見るなり、「今は良いけど、後がホントきついからね…?」と、忠告してくれました。
このIさん、去年2008年の大会に参加して完歩されたのですが、コース半ばからゴールするまでの間、心に余裕がなくなり、自分のマイナス思考がいろいろな人に迷惑をかけたと、ずっと後悔の念に苛まれていたのでした。
自分は去年からそのことを聞いていて、さらにIさんに同行していた方からも同じようなことを聞いていたので、それを元に、今回の大会への自分の1つの目標としてこんなことを掲げていたのでした。
それは、
「コース上で泣き言を言わない(ネガティヴ発言をしない)」
ということです。
Iさんの話によると、不平不満を言い出してからはネガティヴ発言が止まらなくなり、結果として精神的にきつくなったというのです。
ですので、自分の中での今回参加した醍醐味を
「自然と人々のコミュニケーションを、ゆっくりのんびり感じられる大会」
としたかったので、ネガティヴ発言が止まらなくなることは避けたいと考えていたのです。
結果、この目標が功を奏すことは後々わかるのですが、それを予め教えていただいたIさんにはとても感謝しています。
まぁ、もともとこのIさんは、個人的にはとてもわかりあえている数少ない人間と勝手に思っている方でもあり、かけがえのない特別な一人だと感じている方です。
それ故、その方が去年失敗したということを繰り返すまいというのは自分にとっての恩返しであるのだと思い込んでいたのかもしれません。
Iさんは他の参加者のフォローもたくさん抱えており、「ちょっと先急ぐから!」と、そそくさと第2CPを後にしてしまいました。
バナナとチョコがあるということは…これは一緒に食べれば、チョコバナナだ!と安直に考えて、いざ本番。
バナナの皮むき、チョコの皮むき(1コ目)、チョコの皮むき(2コ目)、
バナナを口に、チョコを口に、クチャクチャクチャクチャ…
チョコを口に、バナナを口に、クチャクチャクチャクチャ…
んんっ!これはまさにチョコバナナ!そのもの!あの屋台の味が第2CPに蘇る!
もちろん2回戦に突入。
バナナの皮むき、チョコの皮むき(1コ目)、チョコの皮むき(2コ目)、
バナナを口に、チョコを口に、クチャクチャクチャクチャ…
チョコを口に、バナナを口に、クチャクチャクチャクチャ…
あああ、こりゃぁうまいわぁ。
他の方があまり為し得ない、第2CPでのグルメ体験でした。
参加時に頂けるコースマップに「お食事処」という項が記載されているのですが、3、4、6、7CPにしか記載がないのに、我々は「チョコバナナ体験」を済ませてしまったのです。
で、このCPにて、しておきたかったことがあります。それは、第1CP~第2CPまでの間に、誤った距離を教えてしまった方にお詫びをしたかったのです。
我々が滞在してから数十分ほどしたら、その方はチェックインしてきました。
私はそれを見るなりその方に駆け寄り、
「先ほどは誤った距離をお伝えしてしまい、本当にすみませんでした!」
と、頭を下げました。
その方は苦笑いをし、
「なーんか、まだつかないなぁ…。まだかなぁってずーっと思っていました。ふふっ」
と話されました。本当に申し訳ありませんでした。。。
そして最後の方がCPに入り、第2CPのスタッフも安堵の表情を見せます。
数分の間、様々な方たちが会話を交わした後、我々よりも先に出発していきました。我々は前回同様、最後までウダウダと残っていたのです。
そんな中、自分は自らの体への不安要素を感じることとなります。右足の小指の内側が擦れていたせいか、マメが出来かける感触がしました。
これはまずいと思い、サポートスタッフにセロテープを要求します。
「すみません、セロテープとティッシュないですか?」
サポートスタッフは当然のことながら、困惑されていました。みんながみんな、「へ?」という顔で、私の顔を見てきます。
私「いや、足の小指にマメができそうなんで、 ティッシュを当ててテープで巻こうかなと思って。」
と事情を説明すると、あちらこちらから
「いや、テーピングすりゃええやん」(関西の方がいた気がしました)という声が。
テーピングとは、ご存知の通り、スポーツで使用する際の肌色のテープです。
本大会では、あのエレキバンで有名な「ピップフジモト」さんがテーピングをご提供くださっています。
◆ピップのかんたんテーピングシリーズ
http://www.pip-taping.com/
ピップさんは2007年から本格的に協賛していただき、それから毎年、参加者の方たちがゴールすることをサポートしてくれるアイテム、そしてノウハウを提供し続けていただいています。
そんなピップさんを裏切るわけでは全くないことを前提にお話しすると、自分の中の目標の2つ目に、
「テーピング・コールドスプレーは使用しない」
というものがありました。
この理由として、去年この大会に出た後輩スタッフが同じ目標を掲げていたのですが、第9CPで体の限界を感じ、コールドスプレーを使用してしまったということです。
それを聞いた私は、彼の果たせなかった目標を受け継ぎたいと勝手に思い、2つ目の目標としたのです。
また、テーピング・コールドスプレーを使用しないもう1つの理由としては、自分は中学の時に駅伝大会の選手だったのですが、テーピング・コールドスプレーを多用していました。
その目的は、当然「大会を1位でゴールする」というものがあったからです。
ただし今回の大会は、タイムを競うものでもなければ、絶対にゴールしなくてはいけないものでもありません。
ですので、自分の力で歩けている間は、せめてお気持ちだけ頂戴しようという気になったのでした。
この大会が、タイムを競うものでもなければ、絶対にゴールしなくてはいけないものでもないということは、自分の立てた目標に対し、どのように真摯に向き合うことができるかが一番のこの大会の醍醐味ではないかと、自分なりには思っています。
もちろん、この大会における徒歩参加者、サポート参加者、本部スタッフ、それぞれ1人1人に、似てはいても異なる目標があったと思います。
その目標に対して、自分がどのくらい本気で取り組むことが出来たのか。自分がどのくらい素直に、真正面から向き合えたのか。
この大会は、そういった部分を大事にできる大会ではないのかと、自分なりには思っています。
あくまで、自分の考える100km大会ですので、賛否両論あるかと思いますが、それもまたこの大会の醍醐味ということで。
ということで、テーピングを使わずにセロテープを利用しようと思ったのですが、あるサポートスタッフから
「それはテーピングと同じでしょー」
という声がかかり、負けず嫌いな私は
「ああ、やっぱりこれもダメですよね。断念します!」
とセロテープ代案を自ら却下しました。
いや、冗談だよ!というサポートの方に耳を向けず、半ばスネた感じ(実は全然そんなことないですよ)でブルーシートに戻りました。(まだ出発しないのかい)
CP撤収から残すところ10分ほどのころ、サポートの方たちは未だに出発しない我々を見て、そろそろウンザリしはじ始めてきたようです。
時計の針は11:50くらい。
あるサポートスタッフから
「次のCPの受付〆切が13:30で、距離が8kmって間に合うの?」
という声がかかりました。
あ、確かに考えてみたら、次のCPの〆切時間を考えていませんでした。
しかも、今の時間がだいたい12:00、〆切まで1時間半。1時間半で8kmということは、時速6kmのペースで歩かないといけません。
ちょっぴりいいペースであるかないと、到底間に合いません。
おお、こりゃまずい!こんなリタイアはおいしくない!
ということで、私と根津さんは、そそくさと第2CPを出発しました。
第1CP~第2CP同様、延々とジャリ道は続きます。それも、そこそこの勾配のある道のため、ソフトなハイキングのような感じで心地良いルートになっています。
周りの景色は前の10kmくらいとは大きくは変わりませんが、たまに高台から屈斜路湖畔を俯瞰するよな眺めは、このスティントの特徴でしょう。
冒頭に記載したとおり、ここでも根津さんとはずっと話に没頭します。
内容は詳しくは書きませんが、当たり障りのないトピックとしては、
・本田美奈子が出してそうな歌のタイトル
・ブームに乗ってなぜか出しちゃった歌のオムニバスが欲しい(タマちゃんやクーちゃんの歌、まりもっこりの歌など)
・日本中の様々なブラックな穴場観光地を紹介する「ダークサイドじゃらん」が出たら絶対買う
などといったものだったと思います。
そんな事を話しながら少しすると、大会の看板が出てきます。
今回は前のものとは少し様子が違い、「次のCPまで、残りあと【ココをめくってね】」となっていました。
これは去年に大会実行委員で作ったものですが、残りの距離を知りたい方は開き、知りたくない方はそのままスルーしていただくというものでした。
我々は何のためらいもなく、開いてみます。そこに書かれていたのは…
「残りあと【3.4km】」
でした。
うーん、これは何かの間違いだと思いました。なぜなら、第2CPを出発してから30分前後しか経っていなかったからです。
次のCP受付に間に合わないかもしれないという不安が和らいだ一方、どうにも解せない思いもありました。
ただ残りの距離がどのくらい残っているにせよ、前に進んでいくことに変わりはないので、さっさと看板を後にしました。
先程の看板から10分くらい歩いていたら、第1CP~第2CPの間で、次のCPまでの距離に関して嘘をついてご迷惑をおかけした方と、その娘さんがいらっしゃいました。
第3CPまでは結構徒歩だと勾配がきついところもあり、娘さんが少し大変そうな感じでした。
お母さんと娘さんは竹杖を持ち、お母さんが棒を引っ張って娘さんを牽引するような形で歩いていました。
すれ違う際に少しばかりお話していると、お母さんが「ちょっとだけでいいので、娘をひっぱっていただけないですか?」というものですので、せっかくの機会なのでひっぱることにしました。
棒を引っ張りながらお話をしていたところ、娘さんは小学2年生ということでした。自分から言わせれば、小学2年で既に17km以上歩いていること自体が称賛に値すると思います。
この娘さん、以前は「雌阿寒岳」の頂(標高1,499m)まで登り切ったということでしたから、なおさらタフさを感じずにはいられませんでした。
ここでは深くは取り上げませんが、ここ数年の間は小学生参加者が増加の一途を辿っているような気がします。しかも、バイタリティと回復力が、大人とは比べ物にならないくらい素晴らしいです。口では「疲れた~」と言っていても、CPに到着した途端に走り出したりします。ホントにうらやましい限りです。
この母子と益荒男2人の計4人は、しばらく談話をしながら歩きます。
そのうちお母さんが「もう先に行ってしまってもいいですよ」と仰いましたが、せっかくここまで来たので、次のCPまでは一緒に居させていただきたいと思っていました。
そんな時、後ろから1台の車が来ました。
巡回担当である、民芸品店の栗田さんでした。栗田さんとお会いするのは、スタートから5kmくらいにあるシカゲート以来です。そんなに時間は経ってないですね。
自分か根津さんかが「あとどのくらいなんですかね?」と聞いたら、すぐに「ちょっと確認してくるよ」と、先に車で移動してしまいました。
みんな、何もそこまでしていただくのも悪いのに…といった感じではありましたが、ものの数分で戻ってきました。
栗田さん「あと600m!もう少しだよ。」
おお、もうそんなところまで来ていたんですね!この時、時間は13:00頃。第3CPの受付終了時間は13:30なので、全く問題なくチェックインできます。
今までの道は標高の高い所を歩いており、屈斜路湖を上から見下ろす感じなのですが、第3CPは山を越えて湖畔に面している、つまり標高は低いCPです。
今はまだ少し高いところなので、坂を下りきったところに第3CPはあるはずです。
坂を4人で歩いていると、人の声が少しずつ近づいてくるのがわかりました。緩いカーブをいくつかやり過ごしたら、そこにはやっと第3CPが見えてきました。
13:08、第3CPに到着しました!
11:55に出発して13:08に到着ということは、計算上は約1時間15分で8kmを歩いたことになります。(時速約7km/h)
ただ、実際にはペースは今までの区間に比べると早くなってはいないはずなので、恐らく計測に多少の誤差が生じていると思います。
例えば、車で測量したとしたら、ジャリ道はタイヤの空転が生じると見た目の距離は長くなるはずです。ここに関しては、来年以降、詳しい距離を測量・案内したいと思います。
そんな堅苦しい話はさておき、ここは今までの2つのCPに比べ、地元の方々が多くいらっしゃり、なおかつテント設営がされていたこともあり、少しばかり豪華な印象を受けました。
また、ブルーシートが敷かれたすぐそばには屈斜路湖が面しているので、解放感もなかなかのものでした。
さて、とうとう次の区間(第3CP~第4CP)は大会区間としては最長を誇る全長11kmの区間となります。
途中からはジャリ道も終わり、アスファルトの道です。今回の大会は非常に天気が良いですが、森を抜けたら木陰がなくなり、灼熱の太陽が地面を焼き付ける区間です。
過去の参加者は、口を揃えて言います。
「ここから、本当につらい道のりが始まる」と…。
自分からしたら、どのくらいつらいのかぜひとも体験してみたいものではありました。やっと4年越しの夢が叶います。
そんなことを考えながら、今回のCPでも早速ブルーシートに腰かけたのでした。
このCPからは、長期滞在型のプランを崩し、リベロ的なCP滞在にプランを切り替えるという、区切りのいいCPともなりました。
個人的な体のことを言えば、避けられないことは承知してはいましたが、これから足の指が悲惨なことになって行くのでした。