【(第10CP)?→ゴール】こんな我々にも暖かい拍手が
記事初回入稿日:2009.08.30
最終改訂日:2019.08.04
2009年6月28日(日)
7:17 私が勝手に決めた(第10CP)?セイコーマート(以下、セイコマ)に到着
極悪集団ドロンボー一味の3人は、喜んで店内に入っていきます。
セイコマは、北海道では非常にポピュラーなコンビニです。北海道内の至るところに点在しています。さっそく店内を物色することにしました。いや、その前にトイレですね。
トイレを済ませ、雑誌を物色して少し立ち読み。とても大会参加者には見えないような感じです。
ここでも、ゴールにどのように向かうかが議論されました。様々な意見が飛び交った結果、まずはアイスを買って外で食べることにしました。
私は財布を宿泊先に置いてきてしまったため、根津さんに100円をお借りし、ジャイアントコーンを買いました。
注)この100円はまだ返していないので、次回川湯に行った際に返済予定
根津さんはその時、アイスとハチミツを買いました。
しばらくの間、我々は外の駐車場に座ってアイスを食べ、ボーっとしていました。すると本部にいたと思われる方が我々のもとまで来て、このように話しました。
「この前後は、しばらく参加者が来ないので、ゴールするなら今のうちですよ!」
なんとナイスな情報!
この時、確か7:30を少し過ぎたくらいだと思いましたが、まだ最終のゴールを果たすには時間がありました。
しかし後方には何組かまだ来ていない方がおり、その方々の感動的なゴールを我々のせいで潰してしまうのは気が引けました。
せっかくここまで来ていただいているのですから、感動的なゴールを体験して、帰宅していただきたいです。(ドロンジョ様も今回初めてですが、我々の餌食となってしまいました。かわいそうです。)
こうして考えてみると、私と根津さんはスタートからゴールまで、大会をいかにして面白く体験するか、体験していただくかを、終始考えていたような気がします。
コースやCPに「あれがあると楽しい」とか「ここは案内が必要」とか、ある意味では来年に向けての下見のような、、、
もとい、それは名ばかりで自らを甘やかしていただけで、我々が本大会を利用して、昼間から屋外で場にそぐわない話をコミュニケーションを楽しんだことを隠蔽するための口実ですね。
私には、あと数百メートルで大会が終わってしまうことが、名残惜しいばかりでした。
セイコマを出発して少し行ったら、大会実行委員長の松山氏が歩道に出ていました。軽く挨拶を済ませて、ゴールへと歩きます。
街の方々が声をかけてくれます。花壇の整備をする人、犬の散歩をする人、様々です。サポートが終わり、宿泊先に戻る方も数名いました。本当におつかれさまでした。ありがとうございました。
交差点を左に曲がり、ちょっとした上り坂を越えれば、ゴールの川湯ふるさと館です。もうゴールは見えてきていました。たくさんのサポートの方や本部の方が見えています。
そんな時、ふと右を見てみたら、惨劇の瞬間を目の当たりにしました。徒歩参加者のゴール後の醍醐味である足湯が工事中ではありませんか!
なんと工事の時期が悪いことでしょう。もちろんメンテナンスは必要なことで、いつかは行わなければならないものなのでしょうが、施工日が悪すぎます。もしかすると、過去3回は6月の第3週土日の開催だったのが、今回は第4週の土日であったことも影響しているかもしれません。
ある地元の方は「何かの陰謀だ…」と、とても肩を落としていました。
しかし、今後の課題がひとつ見つかりました。普段当たり前にあることが当たり前でなくなっていることを実感したことです。そんなことを気づかせてくれた、良い機会として捉えるしかないでしょう。
ただ、やっぱりなんか悔しいです。いろいろな意味で。
そんなこともありながら、目前にしたゴールへと足を運びます。川湯ふるさと館への坂を登り切れば、ゴールがあります。
自由奔放に歩いた我々に対しても、拍手で迎えてくれます。ドロンジョ様がいなかったら、この拍手があったかどうか、甚だ疑わしくもあります。いや、せめてゴールの時くらいは毒を吐かないようにしましょう。素直に拍手のありがたさを受け入れます。
ゴール幕をくぐる直前、私はこの大会に感謝の意をこめて、土下座をしました。
山下りのときにゴールの仕方について3人で話していた時、自分はこのようにしたいというのを話して「それはなんか演出がクサすぎる」と揶揄されたりもしましたが、せっかくなのでやってみたかったのです。
ただ、その時に誰かの言葉で「謝ってる、謝ってる」と言われたことに関しては、この場を借りて大いに反論をしたいと思います。謝ることなんて何一つないです!私は胸を張ってこの大会の徒歩参加者として、自分の目標に対して全身全霊をかけて取り組んできました。
ああ、やっと胸のつかえが取れました。ゴールから2ヵ月経って、ゴールの時の自分の想いを話せてよかったです。
そして今度は根津さん。
先程セイコマで買ったハチミツを取り出し、一気飲みをします。さすが、なりきりプーさん。今度はそのハチミツをたっぷり手に取り、隣にいた幹事長の加藤氏に握手を求めます。
一瞬たじろいだ加藤幹事長も心を決めたのか、しっかりとハチミツまみれの手を握り、固い握手をしました。
こんなに感動的に握手は、今までに見てきたことがありません。加藤氏は、ベタベタになった手を根津さんの顔にグリグリとなすりました。
加藤氏は、ふるさと館の入口に根津さんを誘導します。その後に待ち受けていたのは、さながら「ひょうきん懺悔室」のような光景でした。
ここに関しては、何も言うまい。この写真を見て、何を感じたか、何を思ったかは、個々の自由です。
ゴールの際に撮った写真。事務局長の雄二さん、私、幹事長の加藤氏。
3人とも過去ずっと本部で関わってきたこともあり、非常にありがたく、感慨深い3ショットです。この写真が撮れるまでに、大会は成熟してきたことを思うと、胸にこみ上げるものがあります。
そして、極悪集団ドロンボー一味の3ショット。清々しい気分です。
一応自分の中では、7:47、本大会のゴールを迎えたと記録しています。どの瞬間を以って、この時間をゴールにしたのかは失念してしまいました。
ゴールの時には、第2CP・第5CPでお世話になった地元サポーターのIさん、いつもご迷惑をかけっぱなしの第1CPにいた同僚のKさんらと抱き合い、ゴールできた感動を分かち合いました。
過去3年間、様々なゴールを見てきた私には、この瞬間のために、長い時間をかけて歩いていくんだと思っていました。
自らのゴールは自分の感動を求めることもあるかもしれませんが、同時に、その場にいたサポートの方々、本部スタッフの何よりの喜びでもあるのでしょう。
この後、数グループがゴールしていきました。
一番最後の参加者の方は、最終ゴールの8:00ジャストに、走ってゴールされました。途中どんなにへばってしまっても、背水の陣の時に繰り出される力は無限であることを見せつけられました。
これで、全ての方のゴールが終わりました。
何を以ってゴールと定義するのかは個々人により異なるのでしょうが、大会としてのゴールは終わりました。
この後は、8:30から閉会式があります。外にいたたくさんの人は既に会場のふるさと館に入っており、まだ外に残っていた私の周りには、もうほとんど人がいませんでした。
このとき自分は、外に1つだけあった椅子に腰をかけ、この4年間を振り返ってみました。
この大会が発案されて実施されるまでの間、発起人の加藤氏を始めとして、地元の方々には想像を絶するような苦労がかかっていると思います。
今、ここで共に泣いたり、共に笑ったりできるのは、そんな地元の方の尽力無くして存在するものではありません。
地元の方々が固めた地盤に、道外本部スタッフがアレンジを加えます。過去3年は、私も道外本部スタッフでした。
初年度の2006年は右も左もわからず、任された業務に対してがむしゃらに取り組んでいくことしかできませんでした。結果、大会中に発熱するという無様なことになってしまいました。
2年目の2007年は、初年度から比べて参加者も大幅に増えました。道外本部スタッフも4人に増え、初年度に比べて運営がスムーズになりそうな気もしました。
しかし実際は、運営母体の変更があり、地元の方共々、苦労した大会だったと思います。それに加えて、天候不良が重なり、全員が大きな壁に向かい、それを乗り越えた年でした。
3年目の2008年、昨年に比べると少し参加者少なくなりましたが、いろいろな新しい試みが加えられ、非常に刺激的な年だと思いました。コースの変更や、牛の着ぐるみの登場、若年層の参加者が増えるなど、安定&転換を感じられた大会です。
そして迎えた4年目の今年。私は本部業務を後輩に丸投げして、この大会に徒歩参加することを決めました。
後輩は5人いますが、全員2008年に完歩を果たしています。つまり、徒歩参加者の視点を加えた本部業務ができるということもあり、私がずっと張り付いていくよりも、余程心強く見えました。
過去3回の大会のことは、今でも数日前のことのように記憶しています。それくらい、自分にとって心に焼きついたものが大きいのでしょう。今では、ある程度何が起きても大丈夫な心の強さを得ることができました。
そんなこんなで基礎も固まり、立役者はこの大会に関わる全ての個々人です。自分なりの目標に、どれくらい本気で取り組めたかをジャッジするのは自分自身です。
その目標は何でも良いと思います。
いかんせん「ゴールする」ということが前面に出がちですが、
・「自然を存分に楽しむ」でも、
・「全てのCPでマッサージしてもらう」でも、
・「スタートからゴールまで同じグループで完歩する」でも、
・「ゴールまでに100曲を歌いきる」でも、
大会趣旨に則ったものであれば、何でも良いと思います。
そんなことがあっての徒歩参加、そして完歩。
こんな時くらい、自分を赦すという意味を込め、思い切り涙を流してやろうと決めました。始めは出が悪かった涙も、一度泣き始めれば止まらなくなりました。
果たして、自分の目標は達成できたのか?
少なくとも、「ネガティヴは事を言わない」というのは、ほぼ達成できたと思っています。むしろ、この目標を立てなかったら歩けて行けたかどうかもわかりません。
ただ、この大会はゴールをすることが目的ではありません。自分もゴールを目指して歩くといった思いはあまりありませんでした。
正直、コース完歩はできると思っていました。むしろスタートしてからリタイアする方が自分にとっては苦痛だと思っていて、足がダメになったら、アスファルトを匍匐(ほふく)前進で進んでいくくらい、ゴールに対しての執着が生まれるものだと思っていました。
今回のコースでも、徒歩がつらいと思ったのは、強い睡魔に襲われた第8CP-第9CPくらいです。そのため、ゴールすることを敢えて目標には掲げませんでした。
涙を流していた途中、事務局長の雄二さんの新妻である奥様がいらして、私に声をかけてくれました。
「今回は本当にありがとうございました。」
こちらからすれば、
「奥様こそ私に感動を与えてくれてありがとうございます」
という感じでした。ほら、こんな話をされたら、また涙が止まらないじゃないか。
後から聞いた話ですが、我々がゴールする前に事務局長の雄二さんと奥様がゴールした後、ケーキ入刀をしたそうです。
その感動的なシーンに立ち会うことはできませんでしたが、後日、写真を見せていただきました。その場にいたら大泣きしてしまうくらい、さぞかし感動的だったことでしょう。お幸せにお暮しくださいね。
涙も収まってきたところで、閉会式が始まろうとしていました。
【ゴール→閉会】こうして今年も大会は終わりを告げた につづく