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日記(2022/09/30-10/02)

金曜日。品川から新幹線で彼女と名古屋へ。国際芸術祭「あいち2022」。愛知芸術文化センターの展示を全部見ていたら日が暮れた。僕も彼女もすぐ座りたがるから途中からむしろ展示よりも休憩の方が楽しみになってくる始末なのだが、お昼、高島屋のあつた蓬莱軒でひつまぶしを食べ、碁石を入れておくような器に米と鰻がぎちぎちに詰まっていて多幸感に浸り、その代わり満腹になりすぎて苦しくなって、その後の電車で彼女がお腹をさすってるので見ると分かりやすく膨らんでたから手を当てると、唐突に「どうぞ座ってください」と言う声がしたので前を見ると若い男性が妊婦に見せる気遣いで譲ってくれようとしている……ので全力で遠慮した。気まずいけど面白くて電車を降りたあとめっちゃ笑ってしまった。2人同時に出た感想が「サザエさんっぽい」。もっと言うとサザエさんのエンディングテーマのときにイラストで映るちょっとした一コマで描かれる出来事っぽい。展示はロバート・ブリアの認知できるギリギリの遅さで動く彫刻が良かった。夜はウサギを初めて食べた。昼うなぎ、夜うさぎ。

土曜日。コーヒーハウスかこで遅めの朝食。小倉あん、カボス、栗、マーマレードのジャムがそれぞれ四隅に塗られた食パン。一宮市の展示を廻る。奈良美智、塩田千春が良かった。お昼に入った喫茶店は1000円行かないくらいのサンドイッチセットを頼んだだけで色んなものがサービスされる。最初にゆで卵とおかき、サンドイッチも8切くらいあったし、食後は昆布茶が出た。名古屋は基本的に食事の量が多いものなのかもしれない。夜、ひつじのショーンが延々流れてるスペイン料理店で子羊を食べた。

日曜日。会田誠が「あいち2022」について「いや〜多様性浴びた浴びた」とツイートしていたけど、確かにそういう感じではある。喫茶モーニングで昼。名古屋は喫茶店のモーニングサービス発祥の地で、ここは一日中モーニングをやってるらしい。でも一日中モーニングって一日中寝間着でいるみたいなスタンスと似通う気がする。大抵のモーニングは11時くらいで終わる。人気の喫茶店らしいけど全体的にマクドナルドっぽくて何か残念感がある、どういう部分がそうなのかは行った人に分かる。矢場町という地域の周辺に古書店が集まっているらしく、行って何件か廻った。山星書店でユリイカ83年のゴダール特集を買う。大須という京都でいう河原町みたいな地域の喫茶店で休憩したあと新幹線の待合所で千寿の天むすとじゃがりこを食べながら無音で流れているヒヒのドキュメンタリーを見て、品川駅に着いてからスターバックスでフラペチーノを初めて食べた。彼女は元々働いていた経験からオススメなど教えてくれる。いまだにスターバックスに対してどことなく緊張感をもっている「田舎者」の感覚は多分もう珍しいものになっているのかもしれない。帰宅して『女と男のいる舗道』を再見したいと思い立ったけど眠すぎて実行に移せず、大人しく寝る。


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