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日記(2022/10/05-10)

水曜日。ゴダール『はなればなれに』再見。何となくマディソンダンスやルーブル美術館ダッシュの可愛らしさだけで記憶してたけど、今見ると実はまあまあ陰鬱な犯罪映画。ラストのあっけらんかんとしたハッピーエンドが大好き。「たかが映画」と言うかのような、もう映画終わったんでさっさと帰ってね、とでも言うかのような。

木曜日。渋谷シネマヴェーラでジョン・フォード特集『サブマリン爆撃隊』。ブルジョワ青年が海軍に入隊して船長の娘に恋する話だが、主役に魅力がなくて基本的にずっと退屈。ただラストシーンだけは本当に可愛らしくて素晴らしいものだと思う。ハッピーエンドで終わる恋愛映画はこのラストシーンさえ付ければ全て傑作になりうる。ラストシーンとそれ以外の落差が凄まじい……。

金曜日。帰りに渋谷ツタヤでゴダール参加のオムニバス数本とフランク・タシュリン借りる。TV用に作られたらしい88年のオムニバス『パリ・ストーリー』見る。ルイジ・コメンチーニ以外見た。ゴダールとワイダ以外面白くない。ワイダは『収容所のプルースト』の作者のドキュメンタリー。

土曜日。スープカレーを食べたことがなく彼女と神保町に。カレーは甘ければ甘いほど良いと思ってるけど、1辛より下が無かったのでとりあえずそれを注文、彼女は2辛。甘い方に振ったカレー屋があればいいと思う、1甘、2甘とか言いたい。古書店を廻り澤口書店でウルフ『波』の角川文庫版を買う。この前早川の新訳読んでたけど途中で止まってたから訳を変えて読み直したい。

日曜日。ゴダール参加のオムニバス『アリア』見る。ゴダールとアルトマンのやつしか見なかった。昼前、新しくできた経堂・ゆうらん古書店へ。自転車屋の前に置いてあるセルフで空気入れるやつの使い方がよく分からず、大体の感じでタイヤの空気穴に当てがってみたりしただけで何となく入ったような心地になっていたが案の定ぜんぜん入ってなくて行き帰りに苦労した。小島信夫の講談社文芸文庫『月光・暮坂』を買う。帰りにもう一度、今度は試しに逆向きにして当てがってみると「プシューー」という音が勢いよくして、タイヤも見る見るうちに硬くなって、帰り3分くらいは快適に走行した。ムージル『三人の女・黒つぐみ』(「ポルトガルの女」以外)読み終わる。ムージル面白くて気になって古井由吉訳の『愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑』読み始めた。『三人の女・黒つぐみ』より10年くらい前の作品集らしいが、むしろこの初期の作品の方が取っつきにくさが3倍くらい上がる。フランク・タシュリン『底抜けコンビのるかそるか』見る。犬と車の映画。ゴダールがその年のベストテンに選出してる。超楽しい映画。

月曜日。新宿ケイズシネマで七里圭『背
吉増剛造×空間現代』見る。吉増剛造も不織布マスクを真四角平面のまま使って顎覆わないスタイルを貫いてるのだけは他の高齢者と同じやったね、みたいな感想が彼女と同時に出てきた。帰宅後『新七つの大罪』をゴダールとシャブロルのパートだけ見る。シャブロルの方がいくらか面白い。どちらもオチでどれだけクスッとさせるか選手権みたいなとこある。


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