好酸球性副鼻腔炎手術体験記その2〜入院•手術•退院まで〜

もちろん病衣も一通り揃っていると言われたが、なるべく節約したくて荷物は諸々持っていくことにした。
この辺は病院によって変わってくるので割愛する。私の場合はお茶が一切出ないと言われたので、とにかく大量の水分を運ぶことが1番苦労した。しっかり入院前の薬を飲みきって、いざ出発。

①入院1日目


朝10時に入院。その前に診断書作成依頼したかったので早めに来た。なおこの日、ものすごい雨だった。花散らしの雨。びしょ濡れで水分を背負い、病院到着。
手続きを終えて病棟へ上がる。
4人部屋の入り口側。収納多くて綺麗!

ネームバンドをつけられ、バイタルを測られ、変わるがわる色んな人が挨拶と説明にやってきた。またCTを撮って、看護師さんの指示通り鼻洗浄用の器具(3,000円)を購入し、その後お昼ごはん。
味は…まぁ普通。病院食だねって感じ。
後で執刀する先生がやってきて「CT、あんまり変わってなかったね!」とさらっと宣告された。わぉ…美人な女医さん…つか私より若いのでは…??

午後になって看護師さんが鼻洗浄のレクチャーをしにやってきた。人生初鼻うがい、痛いのを覚悟してたけど全くそんなことはなかった。生理食塩水ってすごい。
夕飯を食べて、日付を超えたら絶食開始。
あとはこの日は何もすることなくてのんびり。明日の手術は12時ごろからだと言われた。枕が変わったせいなのか全然眠れず。
はー…いよいよか…。

②入院2日目(手術日当日)


手術用の浴衣に着替え、朝の診察から点滴開始。血栓防止の弾性ストッキングを履き、11時50分くらいになり「行きますよー」と呼ばれる。
ころころ点滴を転がし歩いて手術室へ。
頭にカバーをつけ、手術台に横になる。
名前と手術内容をしつこいくらい確認された後、点滴から麻酔が入れられていく。
麻酔が効く前にふわふわしてきて気持ち悪い。すぐ意識を失うと聞いてたけど気持ち悪くなるなんて聞いてない…うっ咳が出そう……

「はーい○○さーん、終わりましたよー」

終わってた。

まず目覚めて思ったのは「痛くはない」
そして「苦しい」。
意識が朦朧とする中、バタバタと部屋へ戻る準備が始まる。
夫へ手術完了の連絡はいらないと事前に伝えていたのに、電話をしたけど番号が合ってなかったとか、姉の方に連絡しますかとか言われて…えっと、その話今じゃなきゃだめですか??

部屋に運ばれ、ここからが地獄の始まり。
確かに手術は寝てれば終わってたけど、振り返ってみて1番辛かったのはここ。
ベッド上で安静4時間。
麻酔で意識が朦朧として寝てしまいたいのに、鼻、というか顔の中に何かが詰められているのは明白で、とにかく苦しくてそれどころじゃない。
幸い手術中の出血は少ない方だったらしいが、術後の出血が大変で、綿球だけで足りるわけがなく上からガーゼを重ねられた鼻。
苦しい。
酸素のカバーがどうしても苦しくて、この時点でパニック発作になりそうでズラして貰う。血栓防止のため足はポンプでずっとパフパフされてて入眠に集中できない。
苦しい。
とにかく夫に手術終わったよとLINE。
時間は15時だった。手術は2時間程度で終わったらしい。早くてすごい。
苦しい。
気を紛らわそうと某ラップコンテンツライブ配信を見ようとしたがだめだった。口の中になんかくっついてると思って取ったら青いゴムっぽいものだった。気管に入れたチューブの名残のようだ。
苦しい。
枕元のガーグルベースに血を吐く。
眠ってみてはすぐ目が覚め、ガーゼに血が溜まってはナースコールして交換してもらう。
看護師さんいっぱい呼んでごめんさい。カッスカスの声で訴える。これでも耐えて無理ってなってから呼んでるので許して。
そして点滴してるので避けられない尿意。小1時間経たないペースで看護師さんを呼ぶ。いつもと体勢が違うので、したいのになかなか出ない。終わってはまた呼ぶ。そういえば尿道カテーテル入れたという人もいたと聞いたけどやらなかったな、とここで思い出した。
しかし本当に生理と被らなくて良かった。被っても大丈夫らしいけど、絶対被らない方がいい。女性の方は参考までに。
あぁ苦しい…。死んじゃう…。
3時間経って酸素が外れた。ほとんど使ってないけど。
あと少し…あと少し…と思ってたら4時間経つちょっと早めに看護師さん登場。
待ってました!!!!!
血圧OKですね!動いてみましょう。
足のパフパフが取れた開放感に涙しそう。
ゆっくり起き上がる。もうすぐなのに看護師さん呼ぶのもと思って我慢してたトイレへ直行。動けるように…!なったぁ…!!

その後もとめどなく血は出るのでひたすら綿球とガーゼの交換は続く。
先生は口の中大丈夫って言ってたけど、どうにも奥の方が気持ち悪くてひたすらうがいをしていた。
こんな状態で眠れるわけがなく、苦しくて落ち着かない私は、トイレに行って、うがいをして、寝てみては寝た瞬間に起き、血が溜まっては苦しくてうがい…トイレ…のローテーションを一晩中繰り返していた。
横になるにもフラットがきついのなんのって。楽な角度を模索してベッドの頭をひたすら上げ下げ。
とにかく時計が進まない。
同室の人うるさかっただろうな。悪いという気持ちはありつつも、もうこの辺はどうしようもなかった。
動いたら動いたでクラクラして気持ち悪くて、血圧を測ってもらうけど異常なし。血を飲んでしまって気持ち悪いんじゃないかなと言われ何も処置してもらえず。
あと左目の奥が痛くて、カロナールを貰う。あんまり強いのが使えないみたいで効果が出ないかもと説明されたが、結果的に少しだけ効いてくれた。
朝方にやっと、上からガーゼなくてもいけるかな…?くらいまで出血がおさまってきた。
でもまだまだ綿球が足りない。
たくさんほしい、とナースコールをポチり。

③入院3日目(術後1日目)


そんなこんなでなんとか朝を迎えて、朝の診察。中のガーゼ抜去はまた明日なので、この日は口の中だけ確認されてすぐ終了。
あともう1日こんな苦しい状態が続くのかと思って絶望。ガーゼ抜去が1番痛いとみんな言っていたけど、こんなに苦しいなら痛くてもなんでもいいから早く取ってくれ〜!という気持ち。
そして診察後からご飯が再開になった。
特に変更とかはなし。常食。
もちろんそんなに食べられるわけがなく、味噌汁を啜り米とおかずを数口。
飲み込むという動作が辛い。
そして食後に待っている薬。
朝が1番量多くてしんどかった。
ところでなんでこんな大きい薬ばっかりなんですか??ひどくないですか??
1錠ずつ勢いをつけてひとおもいに飲む。
それ以外で水分取る時はちびちび。経口点滴かっつーくらいちびちび摂取。

日中も眠れるわけがなく、とにかくそわそわして落ち着かない。これはもう立派なパニック発作の症状。とは言え看護師さんに言っても治る方法なんてない。気を紛らわすために動画を見るけど電波が悪くてイライラして無理。switchでゲームするけど疲れちゃって身体が無理。
看護師さんがやってきて旦那の電話番号を確認される……いや合っとるやんけ!


そしてこの日はなんとシャワーOK。
ふらふらしながらもシャワーを浴びた。
ガーゼ抜去したら血が出やすくなるため、明日がシャワー禁止なのだった。
落ち着かなかったのである意味助かった。
点滴を外し防水カバーをしてくれた看護師さんがとても優しかった。
点滴はまだ少し続くので、シャワー後は丈の短い甚兵衛を借り、持参のスウェットパンツとセットにして着替えた。
午後、なんだか身体が火照って暑くて苦しくてアイスノンを借りた。
季節の変わり目、初夏の陽気が来たせいで体温調節機能がバグっているようだった。
そのくせ足は氷みたいに冷えてる。
絶対安静4時間の時に比べれば断然楽になってきてるんだと自分に言い聞かせ、夫君に励ましてもらいつつ、その日も昨晩とほぼ同様の眠れない夜を過ごすことになる。
明日のガーゼ抜去後、出血量に問題がなければ点滴完全終了ということで、この日の夜に腕に針を残したまま点滴が外れた。
身軽にもなったし頑張って寝てみたけど、どうやっても数十分で目が覚める。点滴が外れたのは嬉しいが脱水が怖くてちびちび水を飲む。繰り返されるトイレとうがい。同室の方々、やっぱりうるさくてすまんなと思うけど、文句があるなら個室に行ってくれと余裕のない気持ち。
ひたすら綿球を交換し続けて、鼻の出血量はと言うと、時間の経過とともに綿球の量が減ってはきていた。
が、まだまだ出る。綿球ください。
この日の夜、看護師さんから綿球の在庫が少なくなってきたので粘って使って欲しいと言われ、かなり節約して使い回していて、これが地味に辛かった。
長い長い夜を終え、待ち望んでいた朝を迎えた。

④入院4日目(術後2日目)


診察の30分前に痛み止めを服用し、待ちかねていた朝の診察へ。とにかくこの苦しみから早く解放されたくてフライングして番号札1番をゲット。
はい、じゃあ取りまーす、大きく深呼吸してくださーいと言われ、息を吐くタイミングでズルズル〜!っとガーゼを抜かれた。あれ…全然痛くない…。みんなここが1番痛かったって言ってたけど、なんてことなかったです。痛み止めが効いてたのかな。
無事両方のガーゼが抜き取られ、か、か、開放感〜!!!!!!
えっ顔の中に空洞がある、違和感すごい。
鼻呼吸ができる!!
これなら眠れそう!!
乗り切った私偉すぎる。
頑張った私。
あの状態でひどい過呼吸起こさず終わって良かった〜!!泣
食欲はすぐ戻らなかったけど、朝ごはんは昨日より食べられたし薬もするっと飲めるようになった。
この辺からやっと通常の声が戻ってきた感じ。この日はネブライザーをして、あとは安静にするのみ。
昼食、夕食と少しずつ食欲が上がっていき、綿球の交換頻度も減少していく。
夕方に先生が来て「うーんまだ血が出てるね…でもまぁ大丈夫かな!」というテンションで点滴の針が外れた。

夜、久々に連続して眠れた。
3時間くらい寝て、起きて、また3時間寝た。朝方4時に目が覚めて寝るのを諦めた。
寝た気は全然してない。

⑤入院5日目(術後3日目)


朝の診察で鼻の状態を確認し、綺麗ですと言われる。機械で鼻を吸われるのはいつまで経っても苦手である。お医者さん曰く、私は鼻の頭が小さいのでしんどく感じるそうだ。
ネブライザー継続、今日から鼻洗浄開始。
余談だがこの日の担当の看護師さんだけが少し変な人だった。みんなにギリギリまで使ってと言われて使い回していた綿球を汚いと言われ、使いやすいようにとお掃除のマダムがくれたゴミ袋を半ば強制的に回収していきやがった。こういう人は絶対に仕事が雑。カーテンを綺麗に閉めていかないタイプだ。経験上わかるぞ……ほーら!開いてるぞ!隙間から見えちゃうだろ!最後まで閉めてけよ!

そして今日は義母と夫が面会に来てくれるので、午前のうちにシャワー。ここで上下持参した寝巻きに元通り。落ち着く。
戻ってから午前の鼻洗浄。不純物が流れるので面白い。この頃にはごはんまだかなーって思うくらいには食欲が出てきた。
そうこうしてるうちに「予定通り明日退院です」とお知らせが来た。良かった。
段々と綿球がなくても大丈夫な時間が増えてきたが、奥に血だまりと鼻水が溜まるので、やはり鼻栓が欠かせないという感じだった。
そもそもまだ怖くてできないが、強く鼻をかむことは禁止なので、ゆっくり鼻をかむと黒い鼻水がドバッと出てくる。それを拭き取り拭き取りの繰り返し。

15時20分、義母面会。
実母との関係が終わっているので、なんとありがたいことか。気持ちが嬉しい。
時間をずらして夫君面会。
お願いしていた冷たいパインジュースを啜りながら再会を喜ぶ。
フロアの自販機が水、お茶、コーヒー、紅茶、コーラしかなくてとにかくさっぱりしたものに飢えていた。
余分な荷物を持って帰ってもらい、明日は9時までにお迎えに来て退院ということに。
面会後、午後の鼻洗浄をする。

夜、鼻栓をせずに眠る。
鼻呼吸で。
連続4〜5時間眠れた。
血が溜まるのでやはり目が覚めてしまう。
寝た気はしない。


⑥退院日(術後4日目)


朝起きてそそくさと退院の準備。
忘れ物ないですね。
退院後、週に何回も通院していた人がいたので覚悟していたのに、なんと次の通院は12日後で良いと言う。中に綿?が残ってないか検査しますとのこと。
その外来までは自宅安静、運動は散歩まで。
当たり前だが、アルコールと刺激物は禁止。
できれば湯船も浸かりすぎないでということだった。とにかくこの日までは休職確定ということになるのでホッとした。
退院後は朝の薬と点鼻薬のみということで薬を受け取る。…薬が小さい。どうしてこれが術後じゃなかったんだと思うくらいに…。

8時45分、夫君登場。
9時からの診察をさっさと終えて退院。
本当にお世話になりましたぁ!!あの変な看護師さん以外は皆さん本当に天使でした。

この日は日曜日なので清算だけしてタクシーで帰宅。金額は63,000円くらいでした。
高額医療制度は失くしちゃダメ、絶対。
帰ってすぐ、しんどかったけど塩水を作って午前のうちに鼻洗浄をした。
やるとすっきりする。
病院食がずっと米だったのでとにかく健康的な麺が食べたくて、この日の昼に初Ubereatsしました。デリバリーって便利。うどん美味い。

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