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2023年・超個人的この商業BL漫画がヤバい②(R18): 佳門サエコ先生、車谷晴子先生、エンゾウ先生

引き続き今年読んで心に色んな意味で残ったな!と思う商業BL漫画です。
(便宜上Amazonさんのページ貼ってますけどアフィリエイトなどはやってません)


①佳門サエコ『大富豪の愛しい舐め犬』『俺のオモチャは親友につながっている』『ふたりの息子に初夜を迫られています』などなど

佳門サエコさんの作品はたくさん出てて、どれを最初に読んだか忘れたんですけどテーマ性が一貫してますね。ほぼほぼ強くて逞しいスパダリ系の攻×華奢で絆され系受みたいな。

なんだかんだ思うところはあったりなかったりしつつも、だいたいの作品は読んでしまったわけでもはやファンじゃないか。私としたことが。その中で一番好きだったのがこちら。

世界的ブランド「VERGA」CEOの輝明は、新作腕時計『栄光』制作発表のパーティー会場で悪酔いしていたところを、謎めいた美青年・リュウに連れ去られてしまう。――目覚めたら、顔中を舐めまわされていた。「あなたがあまりにも綺麗で、美味しそうで、ヨダレが止まらなくてつい…っ」彼の目的は輝明の舐め犬になることだった。リュウにモデルの素質を見出した輝明は、『栄光』のモデル契約を条件に、舐め犬になることを認めるが―――。身体の隅々まで舐めつくされる濃密フェティッシュラブ!

Amazon 紹介文より引用

【彼の目的は輝明の舐め犬になることだった。】
て、大真面目に書いてあるけどもな〜

文字通り受が攻にぺろぺろされる話ですが、実は本職があるリュウが正体を隠して高級ブランドのモデルになるっていうストーリーも良かったです。

絵が美しい!でも体液の量がすごい!

ごくシリアスなストーリーと耽美な絵柄の中で繰り出される『早く全身を舐めたい』『射精しそうですか?』などのパワーワードが佳門さんの持ち味ですね。

モデルになる代わりにCEOをぺろぺろしていいってどういう超理論だって感じですが、強火の攻めフェ支持者としては「許す」と思いました。

佳門さんの描くお話は年下攻めとか立場が下の人攻めが多いのでやたらしつこく「ですます調」で責めるのがだんだん面白くなってきます。何作読んでも、『あー!また〈ですます攻め〉だ!!』って思って嬉しくなってきましたね。

『これから俺は、後輩に抱かれます』の後輩からのですます攻めも良かったです。Amazonでページが出てこなかっだけど大丈夫かな?不安だ。

神社の跡取りである仁は、密かに幼馴染みのミサキに恋している。しかし自分のことを尊敬してくれている純粋なミサキに、やましい目で見ているとは言い出せなかった。行き場のない想いを抱えたある日、仁を見かねた大学の先輩から大人のオモチャを渡される。そのオモチャの中はキツくてぎゅうぎゅう吸い付いてきて、まるでミサキのお尻のナカにいるようだった。仁がありもしない妄想に耽っている一方で、ミサキもまた苦しんでいた。誰もいないはずの部屋で、お尻に何かが入ってくるような快楽を感じたからだ。「何これ…やだ…仁…助けて!」神社の跡取り×幼馴染み──心と体が暴走する純愛エロティックラブ。

Amazon 紹介文より引用

攻めがオ○ホでしこしこするたびに両片想いの受がお尻を遠隔で責められるというちょっと可哀想な話。

直接的な挿入シーンは出てこなくてひたすら受のお尻がぐぽぐぽされてて大変…!TPOを考えろ!そろそろやめてやれよ、て思いました。どんだけシコんねん、と。

遠隔操作ものとか透明人間ものは好きなので良かったですがたまには他のところも触ってあげて欲しいと思ってしまいました。まあ、攻はオ○ホでしこしこしてるだけだと思い込んでるから仕方ないのですが…。届かぬ距離と気持ち。切ないですね…!

「俺たちは結婚して、もう離れることはない――…。」 親子で恋人同士でもある義理パパの啓一(けいいち)と双子のレンとタクミ。ついに結婚することになった3人が式と新婚旅行のため向かったのは……!?  大人になった色気満載ツインズ×義理パパの甘く激しいトライアングルラブ♪初夜篇。

Amazon 紹介文より引用

『ふたりの息子に狙われています』(全4巻)→『ふたりの息子に求婚されています』ときて、この初夜編がシリーズの最終巻です。

いや、すごい。何がすごいって6巻もあるのにどのページを見てもだいたい3Pしてる。もう作者様が趣味に走りまくってていっそ清々しい(2回目)やつですね。

この作品でもそうですけど、もう何度、佳門先生の描く結合部を見たことか…。2Pでもたくさん見たのに3Pのやつもこの漫画でいっぱい見ました。満腹です。中でも初夜編は三人で最初から最後までほとんどセッセしかしてなくて凄い。こんなに絶え間なく2本も挿してたらもう啓一の*はGABAGABAなんじゃないかと心配になります。

佳門さんの描く尻と局部の絵を短期間に一気に見過ぎてゲシュタルト崩壊。供給過剰でエロとはなんなのかますます分からなくなってきました。

あといつも受がブリーフ穿いてんだけどな〜〜?!ブリーフから取り出すのが大事なんだろな〜〜。心の赴くままに好きなものを描くって大事だなと思いました。

個人的には逞しくてデカい受が好きなので小さい攻×大きい受の話も描いて欲しい!いや、大きい攻×大きい受でもいい…!けど描いてくれないでしょう。きっと。

これを読んでから3Pモノが気になってしまい電子で他の作品も読んだのですが、3Pだとどうしてもね、プレイに話が集約しがちですよね。エモい3Pをこれからも探して彷徨ってみようと思います。

②車谷晴子『泣かせたくてどうしよう』『いい子ですね、命令しても?』

あれ、この人一般誌で漫画書いてなかったっけ?と思ったら商業BL作品では初めてのコミックスみたいです。やっぱりベテラン、絵もお話にも安定感があるな…!

高校生の一ヶ原と二番は幼馴染でライバル同士。そんな二人も一ヶ原が二番に告白したことで関係は一変!
一ヶ原の想いに混乱する二番だったけど、一ヶ原を出し抜くため自分にメロメロになるよう恋人のふりをすることに!!
ところが翻弄するはずが、逆に一ヶ原の手管にトロトロにされちゃった二番。
気づくとラブ甘な毎日を送っていて…??

Amazon 紹介文より引用

これ可愛かった!かわエロ!身体の描き方がもちもちとした肉感があってとても良いです!

TwitterあらためXのオススメで流れてきてキャッチした作品。イーロンの奴、たまにはいいことをする。

温室育ちの二番くんが成績でいつも負けてしまう一ヶ原くんを邪魔しようとしたあげく、すぐ反撃に遭ってぐずぐずにされてしまう。とてもチョロくて良い子ですね。

純情な子が執着の強い攻にぺろぺろされるの良い…!私の中のおじさん心が疼く…!『僕のお尻はお前に負けないぞ!!』て言われてみたいセリフNo.1ですね。

二番のことを全部分かっていた上でコントロールして泣き顔を見ては快感でゾクゾクしてるドSの眼鏡男子、一ヶ原くんも鬼畜で素敵です。

車谷さんのDom Subモノも良かった。↓

侯爵家の青閑寺奏羽は「Sub」の性を持ったことで、父から蔑まれ別邸で身を隠すように生活していた。そんなある日、父から定期的に送り込まれてくる「Dom」の男として、男爵家の一条国哉がやってくる。自身の矜持から気丈に振る舞っていた奏羽は、いつものように追い返そうとするも国哉の押しが強いくせに優しい態度に翻弄されてしまう。彼の甘いお仕置きに「Sub」としての本能が抑えられなくなった奏羽は身を任せてしまい…??

Amazon 紹介文より引用

ドムサブやオメガバなどの特殊設定をそれほど好んでは読まないので好きな作家さんが描いてるときしか手にしないわけですが、これは良かったです。

執着攻め×純情でチョロい受っていう『泣かせたくて〜』と同じ系統のCPではありますが、DomとSubの主従関係のバランスが変化したり、SM的な関係性は見どころがあります。普段は穏やかで優しいのにSubの奏羽を前にして余裕がなくなったときのDomの国哉の表情が雄っぽくてグッとくる。

奏羽の全てを支配したい国哉の執着の強さと、彼に甘やかされて支配されることを受け入れていく奏羽のいじらしさにギュンとしました。

③エンゾウ『ドラッグレス・セックス』『ドラッグレス・セックス 辰見と戌井』

罹患すると性別を問わず患者自身に好意を持つ者に対して性的興奮を誘発させる原因不明のアレルギー「フェロモン症」。
その症状は相手に対する好意の強さに比例する。
オフィスデリの店員の性的視線に怯える堅物サラリーマン、「フェロモン症」を利用し女とヤリまくるヤリちん男子、
自ら「フェロモン症」の治験者となり特効薬を開発する研究者達など、奇病が巻き起こす激情とエロス(&ラブ?)をコミカルに描いたハイテンション・オムニバス!!
貞操には十分ご注意ください。

Amazon 紹介文より引用

一番最初の『ドラッグレス・セックス』はオムニバスで、その後その中の1組がスピンオフして『辰見と戌井』『辰見と戌井 Ⅱ 上・下』が出てますのでシリーズとしては全4巻。表紙をパッと見ただけではどれがどれか分かりにくいのでご注意ください。

フェロモン症になると自分を好いている相手をムラムラさせてしまうっていう、特殊設定モノですね。自分を前にすると相手がムラムラし始めるからその人が自分を好きかどうかが分かってしまうし、相手の好意が強いほど、自分も強い抑制剤を飲まないととんでもないことに…!というなかなかオツな設定です。個人的には階級とか妊娠とかがどうしても絡んでくるオメガバよりこれくらいの設定の方が好きかも。

スピンオフしたCPである辰見と戌井の、戌井の見た目も口調も某キャラクターに似ている、というのをどなたかがTwitterあらため Xでおっしゃってまして、そのツイートあらためポストを見てこれ読んだんですけど、本当にそうだった!

まあ、性格的には戌井はゴリゴリのオタで執着が強く、やや変態色が強いのでアレですが…。

というか一時期「その某キャラがオタクだったら」っていう設定の二次創作をたくさん見たんですけど…それってもしやこの『ドラッグレス・セックス』のせいだったのか?!と気付いて世界の真理を発見した気持ちになりました。

ヤ○チンだった辰見がオタクで暗い戌井に襲われてからというもの、最初は抵抗しつつも戌井にのめり込んで行く様が良いですね。

しかしヤってる最中の辰見がめちゃくちゃ喘ぐ!あと効果音がデカい!

『バシャッ』『ブシッ』て盛大に撒き散らしていたり、
『ま゛だっ でっがぐなっだああ゛あ♡』のとことかは正直めちゃくちゃ笑いました。

濁点、♡表現は昨今珍しくはないんだけど、シリアスタッチの絵柄とのコンボで笑っちゃうというか…。エロとラブをコミカルに描いた〜、って紹介されてますしね。

作者様が楽しんで描いてるのが伝わってきてとても良いですね…。

『あんまり声のデカいコは僕ぁ好きじゃないなあ〜』『情緒がないよね』ていうおじさんが昔は私の中にいたんですけど、最近は大丈夫になってきました。何事も慣れです。

ヤリ○ンだったのに戌井が大好きになってしまう辰見と、内面はキモオタで厨二の戌井の執着愛。お互いを想うが故のすれ違いのあとの怒涛のセッセ描写。クセになります。

最初から最後までマイペースなのは攻めの戌井の方で、今まで女相手に好き勝手やってた辰見がいつしか戌井にZOKKONになって世話やいてご飯作ってあげたりしてるのが可愛い。なんだかんだ言って戌井の好きなアニメキャラのコスプレしてあげたりもするし辰見、優しい!いい子!!

終始二人はいちゃいちゃしまくってるので、結局のところシリーズ最後のおまけ漫画でタクシーの中、辰見が戌井にちょっかいを出す4ページ程度の漫画が一番キュンとしてしまいましたけどね…

気に入ると作家買いしてしまう私ですが、エンゾウ先生の作品もたぶん全部読んでしまうな…。

カバー裏のエッセイ漫画的な部分を読んだかぎり、作者様も面白そうな方なので自作に関するエッセイ漫画とかも描いてほしい…!需要あると思うんだけどな。


ではこのへんで、つづく。



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