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我が家のねんトレ


1.この記事を書いたきっかけ


少し前に、夫が我が家のねんトレについて、動画を公開しました。

その結果、動画のコメント欄だけでなく、直接会う知人からももっと詳しく知りたいとの反響があったそうです。

いちばん多いリクエストが、「こたけ家が参考にした本を教えてください」というものです。しかし残念なことに、英語と日本語で読めるねんトレをうたう大多数の本を読み漁った結果、これさえ読めば大丈夫!と自信をもって紹介できる本はありませんでした。

そもそも、出産準備ってやることが本当に多い中、自分にとってどれくらいためになるかわからない本を何冊も読めないのが普通だと思います。ましてや現在進行形で寝てくれない赤ちゃんと格闘しているママパパたちは本なんて手に取る暇もないと思います。

ならば、これさえ読めばいいというものを私が書けばいい!

・・・というのは大げさですが、ねんトレがまだあまり浸透していない日本で、我が家のねんトレについて知ることをきっかけにただでさえ大変な育児が少しでも楽になり、笑顔が増える家庭がどこかにあるかもしれないと思い、このnoteを書くことにしました。

2.ねんトレってなに?

「かわいそうなねんトレ」の勘違い

日本でねんトレというと、かなりの確率で「泣き叫ぶ赤ちゃんを一人で部屋に置いておくんでしょう?そんなことかわいそうでできない。」と言われます。

これはねんトレの一部分がひとり歩きしてしまったもので、悪いイメージを植え付けてしまっていて残念だなと思います。

ねんトレは赤ちゃんのためにするもの

欧米で浸透しているねんトレ(sleep training)とは、赤ちゃんは、寝たくない時に親に寝かしつけられるよりも、寝たい時に自分のタイミングで寝るほうが、本人にとってもストレスがなく、もっとも効率よく成長に必要な睡眠を確保できる方法だという考え方に基づくものです。
もちろん、ねんトレが成功すると、両親の時間と労力が格段にセーブされるという側面もあります。でも結局これもまた、心身ともに余裕のある両親でなければ笑顔で元気に育児に励むことができない、という風に赤ちゃんのためでもあるのです。

親に寝かしつけられることに慣れてしまうと、親が体調が悪かったり、忙しかったり、何らかの理由で寝かしつけられないときに、赤ちゃんはいつもどおり寝られなくなっていまいます。日本の赤ちゃんが世界でも特に睡眠時間が少ないという統計データもありますが(参考記事)こういった寝かしつけの習慣も関係しているのかもと個人的には思っています。

赤ちゃんは、最初はミルク(母乳)もうまく飲めなくて泣いてしまうのと同じで、ねんトレも最初のうちは泣いてあたりまえです。でもそれをかわいそうだと思ったり、罪悪感を覚える必要はないと私は思います。

3.ねんトレはいつからするの?


まず最初に安心してほしいのは、赤ちゃんをベッドに置いて部屋を去る、という意味でのいわゆる「かわいそうなねんトレ」と言われるものは、生後6~7か月になるまでやらなくていいということです。

一方で、生後0か月から、外の世界には昼と夜があって一日のリズムはこういう感じなんだよ~というのを半年かけてゆっくり教えていく必要はあります。これを徹底すると、赤ちゃんの性格次第では一般的にイメージされるような「かわいそうなねんトレ」をせずとも自分で寝られるようになってしまうことさえあります

4.こたけ式ねんトレってどうやるの?

(1)用意するもの

<ベビーモニターとベビーセンサー>

第一子のとき特にそうでしたが、生後間もない間は近くにいても息をしているのか不安で寝られませんでした。そんな私を救ったのはベビーセンサーと、ベビーモニターです。

調べればいろいろな種類があるのですが、我が家が使ったベビーセンサーは日本の産院でも使われているこちらです。

ベビーモニターはこちらを使っていました。

ベビーモニターはねんトレにとってだけでなく、赤ちゃんを起こす心配なく、かわいい寝姿を見られるという点でもおすすめです。

<真っ暗にできる部屋>

赤ちゃんが夜寝る部屋が真っ暗にできる必要があります。なのでまず、遮光カーテンは必須です。すきまからも光が入らないようにするために試行錯誤しました。

ワンルームに住んでいるという場合や、一軒家で寝室がリビングと遠いなど、どうしても夜親が活動している部屋と赤ちゃんが寝る部屋を分けられない家庭もあると思います。我が家でも実家に帰省中はこの問題が生じます。

その場合は、親は赤ちゃんが寝るタイミングで一緒に寝てしまうのも手です。できない場合は、極力照明を落とせるようにしたり、赤ちゃんの布団・ベッドになるべく光が当たらないように配置するなど工夫しましょう。うちの実家では、ベビーベッドのまわりにスペアの敷布団を立て、リビングは間接照明にしています。

<おくるみ>

生まれて間もない赤ちゃんは、モロー反射というもので起きてしまうことがあります。それを予防するため、そして胎内にいたときに近いポジションで安心して眠るために簡単に赤ちゃんを包めるグッズが必要になります。我が家はワンタッチで止められるこちらを使っていました。なお、おくるみは寝返りするようになったら使用を中止するようにしてください。

(2)生後0~1か月のねんトレ

☆目標☆

この期間の目標は、赤ちゃんに昼夜の区別を教えることだけです。それさえ押さえれば、あとはママの体調回復と母乳の場合は母乳育児を軌道に乗せることだけを最優先にしましょう。

☆スケジュール例☆


夕方の沐浴の時間(6時~7時くらいが理想)を決め、それだけは絶対に守るようにします。
そのあとに水分補給を兼ねて最後の授乳を行い、寝かせます。

朝になったら(6~7時くらいが理想)カーテンを全開にして思い切り部屋を明るくします。せっかく寝ているのに、と思う場合でも、どんなに遅くても8時くらいまでにはカーテンは開けましょう。

日中の睡眠は本人のタイミングに任せて大丈夫です。真っ暗にする必要もありません。

☆ポイント☆

寝かしつけの方法はこの時点ではどうやってもいいです。授乳中に寝てしまったらそのままでも、泣くのであればずっと抱っこしても、ゆらしても、何してもいいです。ただ、沐浴後の最後の授乳を終えたら絶対に真っ暗にしてください。

そのあと夜中に起きたり、授乳する場合も、夜中の間は部屋は照明を落として、語り掛けは静かな声で過ごすようにしてください。テレビや音楽なども消します。

(3)生後2~3か月のねんトレ

☆目標☆

一日のリズムを安定させることが目標です。ここでいうリズムとは、ジーナ式のように何時にこれ!何時にこれ!と軍隊的に決めることではありません。朝起きて授乳したら遊ぶ、昼寝から起きたら授乳する、といったような、ルーティンを作って赤ちゃんの生活リズムを整えてあげましょう。

☆スケジュール例☆

☆ポイント☆

この時期になってくると、新生児期と違い、赤ちゃんが泣くときは理由があるというのがわかってきます。なんで泣いているのかを考え、可能性をひとつひとつつぶしていくというのがねんトレする上で極めて重要になってきます。何も痛くない、暑くも寒くもない、授乳間隔も開いていない、なのに泣いているときは、眠いのだということがわかってきます。

ここで、特に母乳育児の方に注意してほしいのは、泣いたらすぐ授乳する、の習慣をつけないことです。これを繰り返してしまうと、親側もいつ本当に赤ちゃんがお腹が空いているのかがわからなくなってしまいますし、赤ちゃんも泣きやむためには授乳が条件付けされてしまいます。少なくとも1時間半の授乳間隔が空いていなければ飲ませないようにして、それでも飲んでいる量が不安な場合は体重計で飲んでいる量を都度確認することをおすすめします。

また、夜に泣いて起きたときは、抱き上げる前にほんの2、3分でもいいから泣き方に注目しながら様子を見てみましょう。赤ちゃんは大人と同じで寝言を言います。寝言泣きだったらすぐにまた寝るので、起こしてしまわない方がいいのです。何かを訴えているわけでも、悲しいわけでもなく、眠りの世界にいただけなのに、たたき起こされてごはんを口に詰め込まれたら大人だって泣きたくなります。

(4)生後4~6ヵ月のねんトレ

☆目標☆

基本的にやることは変わりませんが、これまでルーティンとして行っていた生活リズムを、時間的にも固定させるイメージを持ちましょう

☆スケジュール例☆

☆ポイント☆

重要なのは、必ず起きている状態でベッド・布団に置くことです。

夜最後の授乳中に寝てしまった場合は、起こしてからベッド・布団に置くようにしましょう。そのあとぐずるようなら、あやしてもいいですが、完全に寝てしまう前にベッド・布団に置くようにしましょう。また、あやし方も、介入の程度を少なくして始めることが大事です。
まずはホワイトノイズや音楽を流してみる。それでも泣き止まないなら、声掛けをしてみる。それでも泣き止まないなら、さすったりトントンしてみたりする。それでも泣き止まないなら座った状態で抱っこする。それでも泣き止まないなら立って抱っこして揺らしてみる。といった感じです。
こたけ家の子は二人とも拒否して全く使いませんでしたが、この時期におしゃぶりを導入してもいいと思います。

(5)生後7~8か月のねんトレ

☆目標☆

本格的なねんトレの開始です。抱っこまでしなくても寝る日が7~8割くらいなら順調です。うまく行けば、ベッドに置いても泣かないのが普通になってくるでしょう。

☆スケジュール例☆

☆ポイント☆

機嫌がよさそうな日に、ねんトレを開始しましょう。
ベッド・布団に置いたら、親は一度姿が見えなくなるところまで移動します。泣いても5分は待ちます。5分以内に収まらない場合は、様子を見に行って、身体を触りながら「大丈夫。ママは隣にいるからね。寝られるからね。また明日遊ぼうね。」などと声をかけてあげましょう。激しく泣くようなら落ち着くまで抱っこしても大丈夫ですが、泣き止んだらまたベッド・布団に戻してその場を去りましょう。
5分以上泣かせることはないようにして、これを繰り返します。

だいたい一週間繰り返せば、置いても泣かなくなると言われています。

(6)ねんトレが完了した後

例外的な日以外、置いて泣かずに、または数分なくだけで、自分で寝られるようになればねんトレ完了です。
ねんトレ完了後も、スケジュールに沿った生活をすること、夜は部屋を暗くして静かに過ごすことは徹底して続ける必要があります。

5.どうしても全部読みたくない人用

これだけだと成功しない可能性が高いので、書くか迷いました。
いま時間を取って読むことで、将来何百時間も節約できるかもしれないので、もう一度読もうとしてみてください。

それでもだめなら、以下の点だけ実践してください。

・お風呂の時間と朝起こす時間を固定
・お風呂の時間のあとに最後の授乳をし、そこから起きる時間までは赤ちゃんの寝る部屋は真っ暗にする
・消灯後に泣いたら2,3分様子を見てから抱き上げる
・寝かせるときは昼寝の時も、夜も、必ずおきている状態でベッド・布団に置く

6.心が折れそうになったら

育児にまつわるすべてのことと同様で、ねんトレはうまく進まないこともあります。まったく進まないこともあるかもしれないし、一度寝てくれるようになってもまた寝なくなったりすることもあります。寝なくて深夜になっちゃって泣きたくなったり、母親失格だと思うこともあります。本当にねんトレなんて意味あるのか、と思ってしまうかもしれません。

ねんトレにとって一番重要なのは、ぶれない心です。赤ちゃんに、「こうやって寝るものなんだよ」って教えてあげている最中に、教えている本人がぶれてしまったら、赤ちゃんもついていっていいのかわからなくなります。そうならないためにも、まず夫婦でなんのためにねんトレをするのかを話し合い、ぶれそうになったら意識的に立ち返るようにしてください

私たちの場合、ただでさえ少なくなる夫婦団らんの時間をしっかり確保したかったということや、睡眠不足になるとイライラして夫婦喧嘩が増えることを防止したいなどがありました。なんのためにねんトレするのかを見失わないようにしてがんばってください。

それでもどうしても心細くなることもありますし、進んでないときはどうしたらいいの?だれか教えてよ!と思うときが来ると思います。
欧米では、スリープコンサルタントが家に来て指導してくれるというサービスもありますが、日本にはありません。私の場合、私にねんトレを教えてくれたフランス人の親友にその都度連絡してアドバイスをもらっていましたが、そういった知り合いがいなければ心細く感じるのも当然のことです。
そんなときは、こちらにコメントをくださっても大丈夫です。そんなコミュニティが日本でもいつかできたらいいのになと思ったりします。

7.パパたちへのメッセージ

ねんトレのいいところは、授乳と寝かしつけが切り離せることです。授乳と寝かしつけが切り離されれば、たとえ母乳育児で育てていたとしても、パパが寝かしつけ担当になることができるんです。

ママじゃないと寝ないの、という状況が生じなくなるのはママの負担軽減にもなりますし、パパが赤ちゃんと過ごしたりスキンシップを持つことも増えるので、いいことばかりなんです!ママがねんトレに心折れそうになったときは、ぜひねんトレの意義を再度教えてあげていっしょにがんばってください。

ねんトレとは関係はないものの、パパたちにおすすめしたい本があるので、ぜひ読んでみてください。

8.参考になった本

あえて一冊だけ選ぶならこの本をおすすめ。時間がある方はぜひ読んでみてください。月齢ごとのスケジュールのイメージが私の手書きのものより見やすいと思います。
母乳育児を行うママ向けに書いてあり、ミルク育児ママやパパ向けではない点が個人的に唯一残念でした。


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