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想いを伝える自動手記人形、代筆屋は実在するのか?


1.まえがき

 今回はアニメからテーマを持ってきたのでラフな話し言葉で記したいと思います。もうじきヴァイオレット・エヴァーガーデンの劇場版が公開されますね。私も非常に楽しみです。気が付けば時間はあっという間なもので京アニの残酷な事件からおよそ1年と少し経過したようです。2019年に外伝、2020年に劇場版と本当にこの短時間で制作していることに驚きを隠せません。さて話はそれましたが、公開記念も含めて自動手記人形のあのお仕事って実在するのか?そんなことを皆さん一度は思いませんでしたか。アニメを見ながら実は結構私は気になっていました。というわけで私なりに調査してみたい、と思って調査したのがきっかけです。0からの調査で海外の文化も含めて記しますので間違っている点あったらすみません。

2.自動手記人形とは
 

 恐らく検索とかでこの記事にたどり着いた方には不要かもしれません。
アニメ、ヴァイオレット・エヴァーガーデンに存在する職業です。オートメモリーズドールとも呼ばれます。このアニメでは自身(お客さん)が持つ想いを汲み取り手紙を代筆し、伝えることがテーマとなっています。日本でいえば代筆屋ですね。

2.1.代筆屋
 真っ先に思い浮かぶのは代筆屋ですよね。代筆屋という言葉が一般的に存在するということは、お仕事としてあるのだろうと何となく察しができますよね。実際に調べてみると確かに想いを届けることをテーマに日本でお仕事されている方々がいることがわかります。

3.海外、世界ではどうなのか?

 では少し視点を変えてみます。ヴァイオレットの世界観はヨーロッパあたりを連想します。どうみても人物名や地名からして日本ではないですよね。
海外の手紙文化、ラブレター文化について少し触れてみます。

3.1.海外はカード文化
 バースデーカード、クリスマスカード、ポストカードといえば皆さん知っている方も多いではないでしょうか。日本でいえば葉書に近いです。カードの中に自身の想いを詰め込むことから日本のように長文を手紙で書いて送るという文化とは違う感じですね。

3.2.手紙やラブレターはどうなのか?
 海外ではそもそも告白する文化はありません。これは知らない人もいるかもしれません。実は海外からみると日本の告白文化ってちょっと特殊なんですよね。じゃあラブレターは送らないのか、と疑問になるわけですが、全く送らないわけではありません。ただし、日本と海外では伝えた方や言い回し違うのは当たり前ですが。海外は遠回しにいうよりシンプルにストレートに伝えることのが多いと思います。なのでI love you とかはご存知の通り代表格ですよね。

3.3.代筆をお願いすることはあるのか?
 とにかく大事なのはここですよね。特にクリスマスカードやポストカードを贈るのにあたって恐らく代筆するイメージはないですよね・・・。本気で誰かにお願いしていたらちょっとおかしくなっちゃいますし。実際調べてみるとそういったことは見受けられませんでした。ビジネス用のものは存在するかもしれません。しかし相手の想い汲み取って伝えることをテーマにしている
ヴァイオレットの世界とは遠くなってしまいます。

3.4.代書人という存在
 一部の文献ではヨーロッパでは代書人という職業が存在しています。この職業どちらかという司法書士の存在に近いため、代筆屋とはずれているように思われますが、ラブレター含めて代筆をしていたという記録があるようです。とはいっても職業柄でいえばラブレターを扱う数は少ないように思われます。

4.ゴーストライター

 次に代筆屋を英語でいうとゴーストライターと言います。聞いたことある、なんかニュースで・・・とか少しずつ馴染みがある言葉かもしれません。
とはいってもあまりどういう職業なのか、何をしているのかなどは知っている方は少ないのではないでしょうか。正直、私も全然知りませんでしたし・・・。というわけでゴーストライターについて記してみます。

4.1.ゴーストライターのお仕事
 こちらも代筆をする仕事となります。例えば著者や芸能人、経営者などが自伝やエッセイ、コラムなどを出版しています。実際にライターが相手に対してヒアリング、取材をして執筆をします。加えてライターの手によって加筆、訂正、代筆されます。当然何度も相手に対して取材をする必要があるため、高いコミュニケーション能力が求められます。これら執筆、代筆をする上ではヴァイオレットちゃんとも通じるところがありますね。

4.2.ゴーストライターが手紙を書くのか?
 再びこの観点で見てみます。結局ゴーストライターもれっきとした職業であり、ビジネスをすることでお金を稼ぐ職業というわけですからあまり少ないように思われます。特に著者の自伝やビジネス書を書くことが多いでしょうから。ただし、エッセイやコラムで恋愛をテーマとすれば手紙ではないですが、少し話は別かもしれませんね。結局ゴーストライターも代筆屋として相手の想いを汲み取って出版していますが、どことなくヴァイオレットちゃんみたいに働くのとは違う気がしますよね。

5.タイピスト
 

 最後にタイピストについて記します。これは言われてみればヴァイオレットちゃんタイプライター使ってた!と気付く方も多いでしょう。代筆屋という言葉に惹かれがちですが、タイピストというのが実は一番しっくりくるものと思います。(正直、代筆屋とはミスリードなのか・・・と思ってしまったぐらいです笑)

5.1.タイピストとは
 ヨーロッパでタイプライターが発明されて、世界に普及したときにタイプライターで清書を作成する職業のことをタイピストと呼んでいました。

5.2.タイピストの歴史①
 当然今は失われている職業です。それはワープロやPCやスマホが登場し、不要となったからですね。タイピストは年々需要が高まり、学校も増えたと記録にあるようです。当時はタイピストを目指す上で養成学校を卒業して企業に勤める事例があったようです。タイピストは年々需要が高まり、学校も増えたと記録にあるようです。タイピストに求められる能力としてヴァイオレットの世界観同様にタイピング能力がありました。同様に経歴書にも何分で何文字打つことができるか、と記す必要があったようです。ときに20世紀中頃にはこのタイピストというのは女性の代表的な職業になるほどでした。
しかしながら少しずつ今でいう秘書という存在に職業は飲み込まれていったようです。

5.3.タイピストの歴史②
 タイピストはタイプをすることだけではなく、書類のチェックや海外宛にも書くことがあったようです。となれば多国語を取り扱う必要もあれば、求められる教養も半端ではいけませんね。ネットのない世界ですから本当に知識が豊富な人やタイピストとして能力が高い人を求めれることが推察できます。このような背景から秘書やタイピストはとにかく人気の職業であり、現代でいうキャビンアテンダントのように給料も高く、女性向けの花形の職業だったといえるではないでしょうか。

5.4.タイピストが手紙を書くのか?
 やはり最後はここにたどり着きます。タイピストの話を纏めるとヴァイオレットとどことなくマッチすることが伺えました。しかしながら秘書やタイピストの職業をみるとヴァイオレットちゃんのように働く姿を想像するのがやや難しいようにも思えました。ですが、当時タイプライターで恋文を書く、手紙を書く習慣はあったように思われます。このことから友人の代理、家族の代理、王家の代理などタイプライターを扱える人がヴァイオレットちゃんのように想いをくみ取って書いてあげるといったことは想像できるのではないでしょうか。タイプライターの仕様上、一方通行の入力できないはずなので相手の想いを汲み取り、タイピストが言葉を紡ぐ必要があったと思いたいです。

6.まとめ
 

 憶測、推測も多く混じっていますので誤りもあるとは思います。正直、代筆屋が想いを伝える手紙を書くという点においていってしまえば小説やアニメのためのストーリー的な背景、題材でしかないように思えます。しかしそんな細かいところは置いといて、私はヴァイオレットちゃんのように想いを汲みとって手紙にする文化を楽しむことが大事だと思っています。現代において皆さんご存知の通り手紙の文化は失われつつあります。スマホやSNSの時代ですからね。当然のことでしょう。手紙の時代に戻ることはもうないと思いますし、私も戻りたいとも思いませんが、この想いを伝える文化というのだけは損なわれてほしくないですよね。そんなわけでヴァイオレットちゃんの職業について少し調べてみました。これからアニメ、外伝や劇場版を見る人、なんとなく代筆屋に興味を持った人などなど、この記事を読んでより楽しんでもらえたら嬉しいですね。

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