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追われる側もしんどいことを知った話

好きな人には追うよりも追われたいタイプ(?)の私だけど、追う人生を22年送ってきた。つまり片想い。これから話す人は私のことを恋愛対象として見ているのかそうではないのかは分からないけど、とにかく、追われる側もしんどいことを知った。

私を追っている(?)のは、インターン先の2歳上の先輩。全然話したことはなかったんだけど、仲良くしてもらっている他の先輩たちにディズニーに誘われて行くことになったら、メンバーにその人もいた。5人で行く中で、その人だけ男性。とりあえず佐藤さんと名付けよう。

佐藤さんは関西の出身で、就職して東京に出てきた。だからディズニーにも行ったことがないらしいし、ジェットコースターも苦手らしい。私も落ちる系のものは得意ではないので、「これは落ちます」「これは落ちません、平和なやつ」とかを教えながら歩いた。他の先輩たちは結構はしゃいでて、初めてくる人を置いてけぼりにするのはかわいそうだろうと思った私は、基本的に佐藤さんの隣にいることになった。

でもこれが、「鈴木さん優しい」と捉えられてしまったのかもしれない。

解散して割とすぐグループからLINEを友達追加されて、「昨日はどうもありがとう」と来た。ここから、結構地獄の始まり。佐藤さんからのLINEが止まらない。

「友達と」LINEを続けるのは楽しいし好き。お互いに無理がない程度に話したいことをポンポン投げ合うのも好き。でも佐藤さんはあくまでも私にとっては職場の先輩だし、それ以上の関係になろうとは思っていない。でも相手には違ったらしい。LINEが止まらなくなってわりとすぐに「水族館に行こう」って誘われた。いきなり?水族館?2人で?何で?その時は話を逸らして流れたが、これは始まりにすぎなかった。

相変わらずLINEは毎日来るし、今度は仕事終わりのご飯に誘われた。前の誘いを断っていたこともあって、ご飯くらいならと思って了解した。ところがどっこい、仕事が終わっても話しかけてこない。は?って思って待っていると、アイコンタクトだけして出て行った。

は?私たちいつから付き合ってること内緒にしてるカップルになったん?

意味わからんと思いながらついて行って外に出たら、店を全く考えていないみたいだった。誘ったの、そっちだよね?適当に歩いて、「ここでいい?」って焼き鳥屋さんの前で立ち止まった。中に入ると、見事にスーツのおじさんしかいなかった。私服の私が完全にアウェーになるような店だった。めっちゃ見られた。狭い店内にぎゅうぎゅう詰めになってるテーブル。タバコは嫌いって言ったのに、店内のお客さんは全員タバコを吸っていた。挙げ句の果てに佐藤さんも吸い始めた。なんで?

タバコの匂いに気持ち悪くなって、ほとんど何も食べられなかった。佐藤さんはニコニコしてた。早く切り上げたけど、本当にしんどい時間だった。

そのあとも「お蕎麦食べに行こう」「映画観に行こう」「買い物に行こう」「明日空いてる?」「台湾料理好き?」(←NEW! 2020/08/29)など、大量に誘われている。全部断ってるのに。こんなにめげないメンタル羨ましいわ。

「あなたとLINEしたくない」をオブラートに包んで「LINE続けるの苦手なんですよ」って何度も言ったのに、まだLINEしてくる。既読無視を所々に挟んでも送られてくるLINE。ほんとに勘弁して欲しい。私は後輩だから先輩を無下にすることはできない。そのことに気づいて欲しい。仕方なくあなたとやりとりしていることに気づいて欲しい。気づけ。

追う側は、相手が嫌そうなそぶりを見せたらちゃんと引くことも大切だと思った。ちゃんと引き際を考えないと、その人はもう戻ってこない。向き合ってくれない。仕方なくでも連絡を取ってくれなくなる。

私はもう佐藤さんとは絶対に2人では会わないし、用がない限りLINEはしない。

次しつこいLINEが来たら、お誘いLINEが来たら、奥の手を使おうと思う。


「彼氏が嫌がるので、ごめんなさい」




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