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京都のお土産をいただく。包みを開けると、京らしい和柄の入った紙皿と和菓子が入っている。私はお礼をいって、彼女のブログに載せられた京都の写真を見ていく。モーニングセットのサラダが食パンの四角い耳のなかに盛られている。出町柳のそばの喫茶店?私はきく。そう、下鴨神社に行った日に寄ったんです。彼女は答える。糺の森の新緑、鴨川デルタの亀の石、それから見覚えのある小さな看板。二条通の図書館みたいな喫茶店だ。二日連続で行ったんですよ、店主の方素敵ですよね。彼女は嬉しそうにいう。押小路通の喫茶店はタマゴサンドが売り切れで。そっか、残念だったね。返事をしながら、ふいに秋にその喫茶店に行った夜の記憶が思い出される。鉄板に盛られた熱々のナポリタンを食べて、黒いソファーに深く沈み込んで地元の情報誌を読んだ。やわらかな京ことばがあちこちで聴こえていた。烏丸松原に素敵そうな炭火焼屋を見つけて、翌日の夜に行ったんだった。一人旅は楽しい。偶然入り込んだ路地、偶然出会う人々。見るもの触れるものすべてが金の色彩を帯びる。みかえり阿弥陀様の写真に心の中で手を合わせて、私はiPhoneをテーブルに置く。ああ、また行きたいなあ、京都。そう呟くと、私も、次は違う季節に。彼女はいう。その横顔を見ながら、旅に出る前より瑞々しい表情をしていると思う。気配にほんのり色香が乗っていて、どこか遠くを想うような目をしている。恋人との逢瀬の後みたいだ。京都はやはり特別な街なのだ。もちろん私にとっても。家に着いて、お菓子のいただく。半月形の焼皮はもっちりとしていて、上品なつぶ餡の甘さが口の中に広がる。美味しい。包みには、つばらつばらと書いてある。雅な名前だ。

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