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死産分娩

前回の続きを書きますね。
病院で死産が判明し、分娩予約を入れ帰宅途中、夫と居酒屋に寄り久しぶりにお酒を飲みました。
この時は妙に開き直っていて「ちゃんと現実を認めよう」と言う気持ちが強かったと思います。悲しくて泣いたのはずっと後の事になります。
後々聞いた話ですが、検診に付き添っていた義母や迎えに来た夫は私があまりに冷静だったから私の感情に合わせてくれていたそうです。

流産に慣れていた私は死産分娩も寝ている間に終わるものだと思っていました。
しかし、死産分娩は想像を絶する壮絶な体験でした。

死産分娩入院初日、お昼前に産院に着き手続き後個室に案内されました。広くて可愛い装飾のお部屋で、お昼ご飯も立派なお祝い膳でした。
昼食後、夫同伴で歩いて分娩室に移動し1回目の処置が行われました。
麻酔無しで子宮口に促進剤を打ち込むのですが、これがもの凄い痛みでした。
私は痛みに強い方ですが、全く耐えられず喉が枯れるほど大声で叫びました。付き添っていた夫も初めて見る私の豹変に驚きを隠せず青くなってました。
フラフラで個室に戻りしばらくすると、下腹部が鈍くドーンと痛くなり、陣痛を知らない私は何度もトイレに行きこの痛みは何だろう?と不思議に思っていました。
数時間後、また同じ処置をするために分娩室へ移動。2回目以後は怖くて怖くて気が狂いそうでした。処置の回数が増える毎に下腹部の痛みは酷くなりベッドから起き上がれなくなり、そこで初めて「これが陣痛なのか!」と分かりました。

この繰り返しは夜中まで続きました。
促進剤処置の痛みと人工陣痛の容赦ない痛みで意識朦朧になり、私の体力も限界でした。
私の力で分娩するのはもう無理なので、お医者さんが子宮口に手を突っ込んで引っ張り出す事になりました。
麻酔無しで。

赤ちゃんを引っ張り出す前に担当医から色々と説明されましたが、全く頭が回らず兎に角この地獄から解放されい一心で「はい」と小さく返信をしました。
助産師さんと看護師さん達が私を囲み、殆ど開いていない私の子宮口にお医者さんが手を突っ込みました。壮絶な痛みに気絶しそうになる私を助産師さんが必死に揺り起す…を繰り返し、お医者さんがなんとか赤ちゃんの頭を掴み「ちぎれてもいいですかーー」と叫びました。
気絶寸前の私は「なんでもいいから出して下さいー!」と答えた記憶がうっすらあります。

赤ちゃんはちぎれずに出てきました。
1000g少しの男の子でした。

続く…。
写真は龍の形の雲。
お顔が犬みたいで可愛い。

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