【感想】ドレミー・スイートのヒミツのおしかけボイス【相良茉優】

アールグレイさんからリリースされた「ドレミー・スイートのヒミツのおしかけボイス」の感想です。

まず初めに断っておくと、自分はアールグレイのことをサークル開設当初から知っています。
サークル代表である山々ハジメことサイトウケンジ先生のファンで、随分昔から先生の作品を追ってきているからです。
作家で追ってきたサークルなので東方自体は未履修です。
ちなみに最近は山々ハジメ先生ではなくお弟子さんの湊川紗弥先生がシナリオを担当しています。
(弟子って書くと本人は嫌がるかもしれないけど)

で、先日そんなサークルから相良茉優さんを起用した新作がリリースされました。
ドレミー・スイートという夢を司る獏の妖怪を題材とした作品です。
ここではこの作品の感想を書いていきます。
DLsiteに書いたものはレビューです。
ここに書くのは感想です。
申し訳ないけど相良さんのことしか書いてません。
思いっきりネタバレを含むので見たくない人は引き返してください。
ネタバレを宣言しておいて何ですが、この記事を読んで興味を持った方がいたらぜひ聴いてみてください。
まずはサンプルだけでも構いません。
ちなみにYoutubeに動画版のサンプルが上がっています。
本編からなかなかヤバいところを抜き出しているのでまずは騙されたと思って聴いてみて欲しいです。

本記事の投稿時点ではまだレビューキャンペーンにも余裕で間に合うはずなので、思うところがあればレビューも書いてあげてください。
相良さんのサイン色紙目当ての簡単なレビューでも構わないと思います。

・シナリオ
ドレミーは夢を司る妖怪なので夢の中にしか存在できないんですよね。
現世に生きる主人公は夢の中でそんなドレミーに会いに行きます。
一方でドレミーは、悪い影響が出るからと事あるごとに主人公を追い返します。
同じ夢なんて意識して見られるものではないのに、何度夢から覚めてもいくら追い返されても必ずドレミーの元を訪れるんです。
本編の3夜だけで何を大袈裟な、と思うでしょうけど、これループものですからね。
Tr4まで聴いてからTr1を聴き返したらわかります。
勘のいい人なら初見で気づいてるんじゃないですか?
冒頭の「はじめまして」は初めてじゃないですよ。
ドレミーが主人公を見た瞬間に気づいてるじゃないですか。
Tr4の別れを経てなお会いに行くんですよ。
何度も何度も繰り返し終わりなく会いに行くんです。
この作品を純愛だって言ってる人がいましたけど、その通りです。正しく純愛です。
自分は初見のドレミーからは少し大袈裟なきらいもあるかなと思ってましたが、2周目の冒頭でループに気づいて頭を抱えました。
そりゃ大袈裟にもなりますよ。
禁忌ともいえる好意を寄せてしまって何度も突き放してる相手がそれでもずっと追ってくるんですよ。マジでエグいですって。
本作がリリースされた日、自分は朝から山形に向かって相良さんが食べたであろう蕎麦屋に開店凸しなきゃいけなかったんですけど、0時のリリース直後からこんなの聴かされて、うっかりループしてしまってほとんど眠れず死にそうでした。

・相良茉優の演技力
上記のシナリオを踏まえて率直に「相良さんってこんなにお芝居できたの???」って思いました。
これまでにリリースされた音声作品とか、昨年出演されたこえずかのイベントなんかを振り返っても間違いなくお芝居は上手なんですよ。
それを披露する機会がないというのが正しいと思っています。
それにしたって自分の思っていた以上に上手いというか、ここまで引き出しのある人だったんだと思い知らされました。
ハッキリ言ってしまうと、こういう色恋が絡むお芝居にはあまり期待してませんでした。
芝居とはいえ本人の中にそれなりの経験があるとか、読み物で蓄えてるとかでないと、何もないところからアウトプットって生み出せないじゃないですか。
普段の相良さんのキャラを見ているとこの手の芝居だけは何が出てくるか読めなかったんです。
読書家でもなさそうだし、(実際どうかは置いておいて)普段から陰キャアピールしてるのを間に受けると、こんな引き出しどこにあったんだと。
実はこの種の芝居が出てくるかもしれないと期待していたのが犬ひろでした。
原作を読んだ方ならわかるでしょうが、猫谷ミケはラブコメの王道負けヒロインです。
ミケがポチ太を取り巻く恋愛事情に絡むところまでいけば相良さんの演じるラブコメが見られるだろうとメチャクチャ期待してました。
残念ながらアニメはミケが活躍するところまで行かずに打ち切りエンドみたいな終わり方をしてしまったので落胆にも近いものを感じていたのですが、まさかこんなところで聴きたかった芝居を聴けるとは思いませんでした。

・埋もれさせないためにできること
本作、自分の周りの相良さんのオタクの反応を見ても異常な反響です。
突然出てきた同人サークル(って自分が言うのはどうかと思うけど)の音声作品でこれだけ反響があるってちょっと異例だと思っています。
さっき芝居は上手なのに披露する機会がないと書きましたが、本当にその通りなのだと思います。
これを聴いてしまったらもっと仕事が増えてもいいのではって思うじゃないですか。

-----(2023.4.8追記)-----
個人的に引っかかる点として、シナリオライターの湊川紗弥先生が作業配信中に「他作品に比べてファンの反応がよすぎる」と言ってました。
こちらとしては最高のお芝居が出てきたのだから当然だと思っていたのに「相良さんってあれくらい普通にできるでしょ?」って言われました。
今作、普段から相良さんを追ってるオタクたちが、みんなしてボコボコにされて絶賛してるんです。
このギャップは何なのでしょうね。
相良さんとちょっと仕事で関わった人からそれだけの評価が出てくるのにファンがそれを理解できてなかったんです。
大変申し訳ないと思うと同時に、それならもっといろんなお芝居を聴かせてほしいと思ってしまいました。
-----(追記ここまで)-----

今どき仕事を取るのは演技の巧拙だけではないというのは皆さんご存知のことと思います。
その上で仕事がくる役者、選んでもらえる役者になるために必要なことって何なんでしょうね。
いろんな要素があると思いますし、具体的にこうあるべきなんて自分が言う立場にはありません。
そもそもファンだけでどうにかできる問題じゃないし、多くは運が占めるとも思っています。
ただ、それを踏まえてもファンとしてできることって何があるのかなぁと思わされた作品でした。

本作は相良茉優の過去最高の芝居が聴ける作品だと思っています。
これが一人でも多くの人に届いて、相良茉優という役者のことを知ってもらえるよう祈るばかりです。
自分にはそれくらいしかできないなぁと思って、ささやかな抵抗にしかならないのは理解した上でこの感想を書きました。
ぜひ相良茉優という役者のことを知ってあげてください。

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