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#10 好きな人2

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こんにちは、toracoです。


私のnote、第3日目に書いた記事「好きな人」。

とても好評でしたので、今日は続きを書こうと思います。


柳沢さんの退職の理由とは?

現在の柳沢さんは●●になっていた!!


はい、もったいぶらないでとっととお話ししまーす笑



反省


「でもさー、そういう会社でしか働けないのは自分の責任だよね?」
「給料安くて人使い荒いって思ってても、ほかに行くとこないからここで働いてんじゃん?」
「今ここにいることは自分の意志で、自分で決めてるんだよ」
「だったら仕方なくない?」


会社の待遇を愚痴る私たちに、柳沢さんが言い放ったあの日。

それ以来私は、柳沢さんのことを急激に好きになっていきました。

もう好きを通り越して、尊敬の域に達していたと思います。


あんなに喧嘩して、正しすぎる発言にいつも負かされて悔しくて


くっそ!いつか夜道で襲撃してやる!!💥


くらい大嫌いだったのにですよ。


柳沢さんはといえば、多分最初から私のことは好きでも嫌いでもなかったんだろうなって感じ💦


ほら、よく

「あの人嫌い…って思ってる相手には、だいたい自分も嫌われてる」

みたいなこと聞きません?


でも稀にそうじゃない人っているみたいで、後になって思うと柳沢さんは何かっつーと噛み付いてくる私に対しても、始めから全く壁を作らずにいてくれたなーって…。


そして逆に私が急に柳沢さんを好きになり始めても、柳沢さんの対応はそれまでと全く変わらなかったんです。


誰に対しても分け隔てなく接し、自分が正しいと思うことはとことん貫く。

そして、それは違う!と思ったことは相手が誰であろうと真正面から正す。

だからどんなに柳沢さんにキツイこと言われたとしても、最終的に柳沢さんのことを嫌う人は誰一人いなかったと思います。


過去に柳沢さんを嫌っていたことが恥ずかしく感じるくらいに…。



別れの知らせ

私が柳沢さんにいちいち噛みつかなくなると、部署内の空気が乱れることもなくなりました。

そっか、空気乱してたの私だったんだ💦


柳沢さんがリーダーになって1年が経ったころ。

私たちの部署にはそれまで以上に団結力が固まり、一人一人が自分の仕事に責任を持って取り組めるようになったんです。



再び人事異動の季節

私にもとうとう白羽の矢が当たり、これまでの部署を離れることになりました。


「こんな時代だから…」

と会社になだめられ正社員登用は先延ばしにされたけれど、新しい部署に移っても

「今の状況を作ったのは自分の責任」

という柳沢さんの言葉を胸に、私なりに奮闘していました。


そして新しい部署にも少し慣れてきたな…と思い始めたころ、一斉送信で社内の人事通達メールが届きます。

なにせ人の出入りが多い会社だったので、『次は誰が辞めるんだぁ?』なんて思いながら開いてみると、退職者のリストに柳沢さんの名前が!!


絶対なにかの間違いだと思いました。

だって!………え?

なんで????


すぐに柳沢さんに内線電話し「なんで?!?!」と聞きました。

すると柳沢さんは私の驚きように少し笑いながら、こう言ったんです。


「やっぱり私、この会社好きじゃないんだよね。理不尽だし、頑張っても感謝されないし…」
「私ね、ずっと人に“ありがとう”って言われる仕事がしたいって思ってたんだ」
「だから決めた!私、ヨガのインストラクターになるの!」


別れの理由

柳沢さんが趣味でヨガを習い始めたことは前から知っていました。

そのほかにも遠くの人に気を送る遠隔ヒーリングとやらの勉強をしていたり、かと思えば都内まで和太鼓を習いに行ってたり。

とにかく興味のあることには、どんどん挑戦している人だったんです。


ヨガも最近、なんだか趣味の域を越えてきているなーとは思ってたんです。

でもまさか、本格的にインストラクター目指していたなんて知りませんでした。


そして柳沢さんは、あっけなく退職してしまいました。

「人に“ありがとう”と言われる仕事がしたい」

なんとも柳沢さんらしい理由だなって思いました。


しかもよくよく話を聞くと、ヨガ教室のインストラクターとして働くのではなく、自分で教室を開いて生徒を集めることにしたとのこと。

いわゆる自分で経営者になるってこと!


いや、すごい行動力だなって本当に感心してしまいました。

と同時に、『さすがの柳沢さんでもそれはちょっと難しいんじゃない?』なんて思ってたんですよね。

ほんと私ったら、柳沢さんのことトコトンわかっていなかったんです。



夢実現に向けて

柳沢さんが会社を去って、どれくらい経った頃だったろう?

何か無性に柳沢さんに会いたくなって連絡をとると

「ぜひ家に遊びにおいで」

と言ってくれたんです。


久しぶりに会う柳沢さんは、一緒に働いていた頃と比べると表情がとても穏やかになっていました。

眉間にしわ寄せてパソコン打ったり、新人を叱ったり、仁王立ちで上司に楯突いていた頃の柳沢さんとはまるで別人のようでした。


最近引っ越したという家は、なんと二階建ての一軒家。

しかもお友だちに安く譲ってもらったとのことで、中古だけど持ち家!


いくら安く譲ってもらったにしても、家ですからねー。

10,000円や20,000円の世界じゃないですよね、すごいですねー!



そのときはまだヨガ教室は準備段階でしたが、二階がワンフロアぶち抜きの広いスペース改装していて

「ここ一面を教室にする予定なんだ」

と嬉しそうに、未来のヨガ教室をいろいろ見せてくれました。



二人きりで何時間もいろんな話をしました。

どんな話をしたかはほとんど覚えていませんが、笑い疲れるくらい笑って笑って、本当に楽しい時間だった。


そして現在

「また来てね」
「うん、また来るね」

そういって別れたけど、私も退職して環境が変わって…それ以来、一度も会っていません。

何度か連絡はとりあったけど、いつの間にか連絡しなくなってもう5年以上経つかな?

電話番号登録しているので、LINEにはよく柳沢さんのタイムラインが上がってきます。


現在は、本当にヨガの先生になっています。

驚くほど生徒さんも多くて、本当に楽しそう。


有名どころのインストラクターさんたちとのイベントの様子など、毎日が充実しているようで、タイムライン見るたびすごいなーすごいなーって…。


コメント欄にもたくさんの“ありがとう”が溢れています。

「ありがとうって言われる仕事がしたい」

夢叶えてんじゃん!


私は柳沢さんのことが、大好きでたまりません。



終わりに

私はどうしても、「人にどう思われるか」とか「嫌われたくない」とか思って人に気を使って生きてしまいます。

でも柳沢さんのように自分に正直に生きている人が、結果たくさんの人に慕われ、その上描いていた夢まで叶えちゃったりする。

私も柳沢さんのように生きたいです。

どうしてこの“自分に正直に”ってことが、なかなか簡単にできないんだろう?

永遠の謎です…。


あなたは、自分に正直に生きていますか?


今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

また明日♪

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