黄金

たくさんラップをしたい。

というやる気が異常に沸いているんですが、いくら歌詞書いてもフロウしていても毎日のようにRECをしていてもなかなかそれが公開・投下・あるいは販売まで、色んな事情で辿りつけないことが多々あります。それが本当に悔しくて悔しくて悔しくて。

例えばコラボの参加者と連絡が付かないまま。ならソロでたくさん作りたいな~と思ってみても、依頼したトラックメイカーさんと連絡が付かないまま。

音楽以外の理由で音楽が出来ていないのが悔しくてしょうがなくて。どうしてももどかしかったので歌わせて頂きました。というのはネガティブな動機です。もちろん、それだけではないです。メインはちゃんとポジティブな動機です!

この曲は10年前からずっと好きな曲で、
いつか自分の声で録ってみたかったものです。

もちろんまず何よりも、ミクさんの声ありきの曲だという前提で!
ミクさんの「だぜ」っていう語尾がすごく可愛くて特徴的ですよね。
人間だとどう歌うのが良いだろうか、と考えるのがまず楽しかった。

ちなみに古川さんご自身による歌詞の解説もあるので
探してみると面白いかも。

>「歌詞の意味わかんねーよ!」って方は
>きっと良い恋愛をしている方なんだと思います

という風に語っておられたようです。これを恋愛の曲として受け取ることも出来るだろうし、そうでない捉え方も出来るかもしれない。

多義的で多面的で、抽象的で印象的な曲。難解な歌詞とも言えるのに、馴染むときにはポップでスッと馴染む。

「歌詞を付け加えてラップバージョンを作ろう!」などといった変態みたいなアプローチが許されないような、そもそもそんな発想すら沸かないような、畏れ多くて触れ難いような、そんな閉じられた輪の中で輝くような、確固とした世界観をもつ名曲です。

付け居る隙のない、…と言うと変なのですが、「男女を入れ変えて別目線で作ってみたら面白いかも!」とか「何か英語でふんわりラップっぽいのを足してみたらいい感じかも!」とかそういった余計な工夫が出来ないような、本当にそういう意味で「完結した」曲ですね。

実は去年の暮れから何度も録り直していたもので、自分の歌唱とMIXにどうしても納得がいかず、完成を断念していたものです。

ねぶら様(@nebura___)が寛大にもMIXを引き受けてくださり、自分ではどうやっても綺麗に混ぜられなかったハモリ等をとっても自然に馴染む形で仕上げてもらえたので、本当に助かりました… あなたが居なければ、絶対にこの曲を歌うことはできませんでした。本当にありがとうございました。

そしてorie様(@orie_h)とてもとても美しいイラストと言葉のずっとファンです。これからもずっと楽しみにしております。orie様のあのイラストに触発されて、この曲を歌いたいと(勝手に)決心しました。「深い、深い 森に落ちた」という歌詞のイメージがまさにあのイラストの世界観にマッチしたのです。本当にありがとうございました。

そして言うまでもなく、原曲の古川P(古川本舗)様。素晴らしい曲と詩世界をありがとうございます。カバーでインストを作っておられる方も多数おられますが、どうしても古川P様のインストをそのままお借りしたかったのです。すでに原曲はご本人様が削除しておられるため、そこだけ不安なのですが。

この曲を知らなかったリスナの方々にも知って頂けて良かった。既に2015年頃に活動を休止?されておられる方なので、追いかけるにも追いかけられないもどかしさがありますね。

以下に、もう少しだけ歌詞に関わる(ようで関わらない個人的な)話を。

「枯れた音色」の「鐘」

偶然にも、私個人にとって、この曲には非常に皮肉めいた一節が含まれています。そう、どうしてもかすれてしまって、特に中音域で「綺麗な声」が出せないんですよ。

美しい声、透き通るような声、そういうものを出せなくて悔しいという思い。だからこそ、なおさらこの曲に惹かれてしまったのかもしれません。だからこそ、この曲の歌詞に、何かを付け足すことはそもそも出来なかったのかもしれません。

「歌い手」という人種がいる。
彼/彼女たちは、原曲の歌詞を受け取り、よく吟味し、自分の声と音感のみを表現手段とし、歌詞を改変したりせず、ただ磨いた技術により原曲を丁寧に歌いあげることを通して、新たな感情と新たなアプローチを提示し、共感を得る。それを生業とする。

イルベルは早々に「歌い手」であることを諦め、「歌唱力」の勝負を避けて
ラップ詞を付け加えるという表現手段を選んでしまった人種です。

そのため、昔はたくさんたくさん叩かれました!いや、まあ今でも、嫌いな人は嫌いなんだとは思うのですが!ラップを加えるアレンジって、日本でも昔よりは市民権を得てきたような気がします。あるいは日本人の心が寛大になってきたのか。

昔もらった「勝手に歌詞付け足してんじゃねえよ●ね」という批判は、マジで御尤もです。その辺りのコメントに対する所感は、いつかのブログ記事を読んでもらえると丁寧にまとめてあると思いますので、敢えてここでは繰り返しません。

今回の(そして4月1日にもこっそり恒例に出来たらいいな)歌ってみたシリーズは全く普段の「ラップの人」とは別の個人として受け取ってもらえると嬉しいし、「あ、こいつ歌詞書かずにサボってんな」「ラップ辞めて歌一本でいくのか」ということは絶対にないですので、変わらぬご愛顧を賜れればと存じます。

そう、「ラップの人」。
自分を「ラッパー」と自称するのもおこがましいんですよ。これもまた難しい、別の問題です。

私は自分を「歌い手」だとは思えません。それは先ほど述べた理由です。
かといってラップを表現方法として用いて、多くのオリジナル曲を制作しつつ、かつ普段からその雰囲気を(ファッションや思考様式など)纏っている人々のことを「ラッパー」と呼ぶのではないかと考えているので、自分がそれに該当するとも思えません。

したがって自分のことは、「ラップの人」「ラップで歌う人」「ネットラップMC」くらいの認識でいます。

ただそれを英語で表現するのが難しいので(NETRAP は意味不明のようです)英語の場合は a teaching rapper / rapping teacher と自称しています…

i don't mean i am a professional "rapper" but i just want to use it as a means of self-expression, not a means of earning my bread. In addition, i can never call myself a "rapper" because i know how difficult it is and what it takes to be successful as a musician, having the biggest respect for those who chose that way.

そういえば、いよいよ国公立大学二次試験前期の直前です!受験生たちは頑張れーーー!全力で応援しています!受験生でない人たちも頑張れー!咳エチケットと手洗いを徹底しようね!マジで満員電車とかみんな気を付けてね。無事に乗り切りましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?