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アニメ虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会8話感想 もう1人の桜坂しずく

こんにちは、ベヒと申します。
8話、待ちわびてた桜坂しずく回…!
始まる前はどんなものになるのかなあと常々妄想を膨らませていましたが、大きく予想を裏切ってくる物語でした。
そんな物語で描かれたもの、そしてそれを見た素直な感情など話していければなあと。

1.はじめに

本記事では「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS(スクスタ)」で描かれている桜坂しずくとアニメで描かれた桜坂しずく、それぞれについて触れていき僕なりの考察や感想を書いていきます。

それでは始めていきたいと思います。

2.スクスタ、アニメ、それぞれの桜坂しずく

スクスタの桜坂しずくがどんなキャラなのか、僕なりの解釈を8話放映前に一度記事として書きました。(未読の方良かったらこの記事読み終わった後にでも読んでほしいです…!)

一見おしとやかなようで「演じること」への情熱が身体から溢れ出る少女、それがスクスタの桜坂しずくだと思っています。

幼少期から物語の世界に熱中し登場人物になりきる。「演じること」が心から楽しい。そして日常生活では「しっかり者の優等生」を演じているも、何かを演じることや自身が感動したものについて一言では抑えきれず熱く語る自分が無意識に出てしまう。

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また、誰かを「演じること」が心から好きすぎるあまり自分自身のことは深く考えたことがありませんでした、それ故自分に自信を持てない娘でもあります。

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しかし好きな物語や自らが作り出したおままごとの設定をはじめ、自分が好きなものを理解してほしい、共感してほしいという感情は人一倍強く持っており、感情が溢れ出す、自分をさらけ出す一面もあります。

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そんなスクスタでの彼女とはまた違った桜坂しずくがアニメでは描かれましたね…


アニメの桜坂しずくが「演じること」に込めていた感情は楽になりたいというものでした。自分が好きなものが他の人と違うことに気付き、変な子だと思われるのが怖くなった彼女はみんなに好かれる良い子を演じることで楽になれた。

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演じているときが一番堂々としていられる、自分が桜坂しずくであることを忘れられる。そしてみんなに好かれたい。そんな想いは彼女が理想のスクールアイドルを演じているときにも込められているのかもしれませんね…

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ただ、自分をさらけ出すのは怖いと言っていた彼女ですが4話でスクールアイドルに大切なことを聞かれて「自分の気持ちを表現すること…?」と答えていたり、5話ではぽかぽかするものとして小説について熱く語る姿も見えています。

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自分の気持ちを表現することや自分の好きなものについて、自ら答えていたことは自分をさらけ出したい願望がしっかりあるようにも見受けられますね。それを目的にスクールアイドルとして活動してるのかもしれません。


「演じること」が心から好き。自分については深く考えることがなく、それ故自分に自信がない。「しっかり者の優等生」を演じているも、好きな話をするときはつい感情が溢れ出す。自分をさらけ出してしまうスクスタの桜坂しずく。

自分の気持ちをさらけ出してみんなと違うと思われるのが怖いと思ったときから「演じること」でみんなから好かれ楽になれた。しかし、自分の気持ちをさらけ出したいとは無意識に思っているアニメの桜坂しずく。

「演じること」にここまで純粋さと歪さで分かれていることに強い衝撃を受けました…
次はこのように2人の桜坂しずくが違っていた要因について自分なりに考察していきたいと思います。

3.2人の桜坂しずくの分岐点

2人の分岐点になったと考えているのは小さい頃の周囲の環境です。

スクスタの桜坂しずくは小さい頃から物語に熱中し、その役になりきっていました。その事について変だと思う周りの子や親はいなかったのでしょう。誰も一緒に遊んでくれなくなったおままごとに関しても、自分の設定が凝りすぎていたのを自覚しています。

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そのことは「あなた」に自ら話していることから強いトラウマになっているというわけでもない。むしろ遊んでくれなかった経験からより一層共感者を求めて無意識に自分をさらけ出すようになったのかもしれません。

一方、アニメの桜坂しずくも小さい頃から物語が好きでした。みんなが好きなものとは違う古い作品だったようです。ただ、スクスタの方でもシェイクスピアを始めとした古い作品が特に好きなようですので重要なのは好きになった作品というよりは周囲の環境なのかなと。

他の子がいわゆる仲良しグループから些細な違いで外される所を見てしまったり、誰かの親が「〇〇さんのお子さんは変な子」と言っていたりなど…色々想像は出来ますが他の人と違っていたら嫌われる、独りぼっちになってしまうと思うような出来事があったように感じます。

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そして「演じること」を自分が楽になるための手段として使い、それが当たり前になっていくうちに彼女は「演じること」が心から好きなものであったことを忘れてしまった。

アニメの桜坂しずく「演じること」が大好きとは一度も言葉にしていなかったのですが、そんな気持ちも忘れてしまう程に小さい頃の不安が根付いていると思うととてもいたたまれない気持ちになります…

そして桜坂しずくが自分と向き合う手助けになった人物もまた現在の周囲の環境によって変わりました。
スクスタでは自分と向き合うきっかけをくれ、共に答えを導きだした「あなた」

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μ'sへの憧れから始まり、今では自分たちだけの輝きを探し求めるAqours

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憧れだけでなく、楽しそう!という想いから始まったμ's。そして内面もなりきることの大切さを気付かせてくれた高坂穂乃果

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個性豊かな各個人を演じさせてくれ、「演じること」が大好きなんだと再認識させてくれた同好会のメンバー

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みんなの助けがあり、演じる対象の気持ちを理解する重要性を知り、「演じること」が大好き、という想いを再認識する。そして自分が演じる理想のスクールアイドルについては細部まで設定を考えることで心までなりきるようになったスクスタの桜坂しずく。

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一方アニメでは、ただ純粋に桜坂しずくが心配な気持ちでがむしゃらに彼女と向き合ってみせた中須かすみ

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自分自身が仮面=りなちゃんボードを被って話すことから演じている姿も弱気な内面もどちらも桜坂しずくであると気付き、それをかすみに伝えて背中を押した天王寺璃奈

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舞台の成功を祈って想いを込めて贈り物をした同好会のメンバー

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舞台「荒野の雨」の主演に対して求めているものを嘘偽りなく桜坂しずくに伝えることで彼女に自分と向き合うきっかけを与え、舞台上では少女の裏面も演じてみせた演劇部部長

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みんなの助けがあり、ただ「演じること」で堂々として楽になるのではなく、自分をさらけ出せるようになった。また、そのおかげで心から主演を「演じること」ができ舞台の成功だけでなく自分の殻も破ったアニメの桜坂しずく。

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どちらの答えも彼女自身がそれぞれの環境で掴み取ったものであり、優劣を付けれるものではありませんね…

また、大きな環境の違いがあった彼女たちですが、そんな中でどちらも桜坂しずくなんだと確かな繋がりを感じさせる部分がありました。次はそちらに関して触れていければと思います。


4.2人の桜坂しずくの繋がり

先程は2人の環境の違いについて触れましたが、前述の4話で「自分の気持ちを表現すること…?」と答えたことや、5話で小説について熱く語ること等、はそう思った経緯は違えど、スクスタとアニメの桜坂しずくで想いが共通している部分でもあります。

8話でも勿論そういった描写がありましたのでここではそちらについて触れていきたいと思います。

まず、何事にも逃げようとしないことですね。アニメでは怖れている自分をさらけ出すことが出来てないのが原因で降板を伝えられるが、諦めきれず再オーディションをお願いしていました。

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スクスタでも桜坂しずくはソロイベントの得票数が少なかったり、「演じること」の本質がわかっていなかった部分、そして直近ではメインストーリー20章でランジュとかすみの凄さに打ち負かされていたりと、挫折を経験することが多いですがいつも諦めずにしっかりと向き合い打開策を考えすぐに取り組む娘です。

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自分に自信がないけどそう簡単に折れることはない、豆腐のように見えて鋼メンタルの持ち主なんですよね…
アニメの自分をさらけ出すことへの恐怖は長年抱えていたもので今回で完全に吹っ切れたわけではないと思うのですが、これからも彼女は向き合い乗り越えていけるだろうと感じます。


2つ目はめんどくさいと思った感情はすぐ顔に出ることです。

今回、かすみのことを可愛いと思っているかどうかを問われたとき、今まで思い詰めてたのにすっごいめんどくさそうな表情してましたよね…

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シリアス度は大きく違う中でスクスタでも似たような可愛いの話題で面倒だって思うのが顔と言葉に出てしまうときがありました。

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喜びの感情だけでなく、こういうめんどくさい感情も溢れ出すのは繋がりというかなんというか、やっぱり桜坂しずくなんだなあと再認識させられますね…


最後に、3つ目は演じている役に桜坂しずくが重なって見え、彼女が心から演じることを楽しんでいることです。

「Solitude Rain」、舞台の劇中歌でもあり、アニメの桜坂しずく曲でもあります。この曲のMV演出、様々なものがありましたが一番目を惹かれたのはライトで映し出されている影が常に3つあるところです。

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この影は舞台の主人公である少女の表面と裏面、そして桜坂しずくの3人が舞台の上にいることを伝えてくれる演出であるなあと感じました。

そしてこれはスクスタの桜坂しずくでも、「あなた」には彼女が演じる理想のスクールアイドルと彼女自身が映っているように見えています。

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こういった演出もあり、改めて舞台を楽しんでいる本質的な部分は2人の桜坂しずく、どちらでも同じなんだと強く感じました。

アニメ内で舞台を楽しんでる姿として特に印象的なシーンは公式MV動画のサムネイルにも選ばれたここでした。

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主役の少女が笑うところでも閉じた歯を見せるシーンはなく、笑顔も少女が見せていたものとは異なっている。普段スクスタで見せている手を重ねる仕草と合わせて、何者でもない桜坂しずくの笑顔が見れて良かったです…

「Solitude Rain」の歌詞、「胸の奥変わらない たった一つの想いにやっと気付いたの」荒野の雨の主人公である少女が「歌いたい」という気持ちに気付いたのと同じように桜坂しずく自身も「演じること」が心から好き、そういった想いにやっと気付くことができたように感じます。

5.「しずく、モノクローム」を見た正直な気持ち

「しずく、モノクローム」最初見たときに感じたのは寂しい気持ちでした。というのも僕が大好きな、スクスタの「演じること」が心から好きでしっかり者の自分を見せようとしてるのにすぐに感情が溢れ出す。そして彼女にとって運命的だった「あなた」と「私」のストーリーを重ねて物語にまでした桜坂しずくはアニメにいないことが見終わって強く感じてしまったからです…

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しかしアニメを自分の思っていたものと違った、解釈違いだったと切り捨てることもできなかったんですよね。アニメで描かれた「演じること」への想いが歪んでしまい、自分をさらけ出すことに怯えていたが中須かすみのがむしゃらな想いに様々な事を思って笑いが止まらず、心の窓を開けて眩しい空へと飛び出すことにした桜坂しずくも間違いなく魅力的だったので…

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僕自身として、「良かったけどそれ以上に寂しい…」という感情を経験できたのは非常に貴重だなと思い、スクスタの桜坂しずくが自分が考えているよりも大好きだったんだなと改めて実感できました。
そして「しずく、モノクローム」放映から時間が経った今でも「Solitude Rain」を聴くと少し寂しくなる気持ちがあります。しかし、これからもまた違った魅力を持っているアニメの桜坂しずくとも向き合っていき、「演じること」が大好きな桜坂しずくという概念そのものを好きになっていきたいなと想っています…!

6.おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございました!
「しずく、モノクローム」ずっと待っていた桜坂しずくの回でしたがいざ終わってみたらこんな気持ちになるとは全く予想できませんでしたね…
アニメとスクスタは別物、そう理解はしてても心は追いついてなかったことを推しの回で直面することになるのはある意味必然だったかもしれませんが…!

そして「Solitude Rain」のスクスタやスクフェス、分室などなど様々なところからネタを拾ってきたり愛を感じる部分が強くあったのは純粋に嬉しいですし、歌声は桜坂しずくの新しい可能性を感じさせて前田佳織里さん本当にありがとうございます!の気持ちでいっぱいです。

次は朝香果林回。彼女も内面についてアニメ内である程度触れられたりはしていますが、どんな彼女の一面が更に描かれるかとても楽しみです!

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それでは改めて、ここまで読んでいただきありがとうございました!

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