見出し画像

このとりとめのない世界で、いち家庭教師が思うこと。

自粛生活がやわらいできた今日この頃ですが、皆さん如何お過ごしでしょうか。
学校が休校になってから3ヶ月。
6月から学校のカリキュラムも、ようやく日常を目指して動き始めました。
自宅に籠りきりの子供達はさぞかしストレスが溜まってしまったのだろう…と思いがちですが、僕が家庭教師で指導に行っているご家庭の生徒達は、そうでもなさそうです。

好きなゲームが沢山出来た!
とか
オンラインゲームで、友達と沢山遊べた!
とか
好きな本を沢山読めたとか、
中には、昔ながらの夏休みの子供よろしく、川や野原に行って、昆虫や爬虫類を捕獲しまくって、インターネットで自分の獲物(?)を調べまくる子供もいました。

そもそも集団の学習塾に通う生徒よりも、家庭教師に指導を受けている生徒の方が、独りでいる時間に慣れているという傾向はあるのですが、メディアで報道されている子供達とは、随分違うなぁ…と思いました。

インターネットが普及した現在、こういった自粛生活も多種多様なんだと。

それにもかかわらず、やはり多数派同調バイアス(集団の動きに同調していく身体性)が働くものなんだなとも思いました。

学校に行けなくて可哀想な子、学校に行けなくても自分なりの楽しさを見つける子、学校に行けない状態にホッとしている子…。


きっと多数派は、学校に行けなくてつまらない子。なのかもしれません。
しかし、大人達がそこに焦点を合わせてしまうと、色んな歪みが出てきてしまいそうな気がします。

こういった、多種多様が露呈する機会に、自分とは違った価値観や行動を理解し合う時間を上手に取れたら良いですよね。

話は変わりますが、東北の震災の現場では、震災当時、集団化した人々が間違った方向に避難をして、その集団ごと津波に巻き込まれたという話をよく聞きました。
一人の人間がこちらに行きましょうと言って、数人ついてゆくと、それは集団になります。集団化すると、人は思考を失っていくという性質があります。


こういった、多数派同調バイアスがかからない為に、大多数とは異なる行動を判断出来るように、日頃から自分とは違った考え方や行動を理解し、その上でもう一度それを自分に落とし込んで、行動を決めて行くことが大事なんだと思います。

この自粛期間中に、メディアやSNSの影響で、多数派同調バイアスがかかりそうになっていたところでした。
そんな中で、生徒達の多様な生活っぷりを見て改めて、集団ではなく、個人の考える力を養うことが大切なんだと思いました。

小林 克司

生まれも育ちも平塚市。
湘南と言われたり、言われなかったりの地域で過ごしたせいか、肩書きというものにあまり意味を感じなくなる。
サラリーマンを経て、海外放浪の後、学生時代ずっと苦手だった英語をいかした仕事に挑戦。
5年間海外引越の通訳を勤めた後、ひょんな事から教育関係の仕事に従事。
2009年より家庭教師として学習支援をする傍ら、不登校の高校生のサポート校に携わるようになる。
そんな中、2011年の東日本大震災が起こる。
現実を確かめるために、宮城県へ向かい災害ボランティアを始める。
仕事の合間をみて、現在も宮城県で定期的にボランティア活動を行う。
2012年、仮設住宅などの集会所で音楽が人を繋ぐツールになることを現地の方々に教えられ、14年振りに音楽活動を再開する。
その後、東京でも定期的に音楽イベントなどを開き、東北、関東で音楽活動を続けている。
現在は、家庭教師、数学講師、ギター弾き語りのライブ活動、市民活動支援、を行いながら出来る範囲内で災害ボランティア活動も続けている。

2020年7月より鵠沼海岸にて有志と共に「くげぬま学びラボ」を開校。塾長に就任。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?