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ロックンロール、ベイビー! ~Cook とBake~
在宅勤務が本格化してからというもの、それまではうっすらとした疑惑程度であった事がはっきりと判明しました。
料理と呼ばれる領域はなんとか人並みに出来るのですが、ケーキやクッキーなどBakeの領域が全く、壊滅的にダメなのです。
外国に住んでいると日本に住んでいるのと同じ材料を同じような予算で手に入れることは難しいし、コンビニもありません。自然と我慢するか、工夫してもどきを作るか、日系のスーパーで高い
トナカイバーガーとシャケパイ
「死ぬまでに一度でいいから北欧にオーロラを見に行くのが夢なの。」
というのは我が妹。彼女とはいろんなところに一緒に出掛けていますし、コロナ禍が始まる直前までロンドンに行っていてフットワークの軽くなっていた私は安請け合いで「行きましょう。」 日本にいる妹と同じガイドブックを買わせ、一緒に読んで気になる場所やイベントをチェックします。タイミングは入国制限もありますから二人ともワクチンを打ってからという
Losing Game 終
お中元で食品が動く7月はビアガーデンや花火の時期でもあり、年末ほどではないが仕事終わりの付き合いも増える。お酒の付き合いがあまり得意ではない私でも何度かは出かけなくてはいけないだろうと思っていたところに後輩が金曜の予定を聞く。
「このままいくと残業だわね。忙しい時期だし。」
「お願いがあるんですけど。 実は広報の子に取引先の「花火を見る会」がお台場のホテルであるから一緒に行こうって言われてて。」
Losing Game 3
「四月からマネージャーに上げるからな、覚悟しとけよ」
年末の忘年会で突然上司に言われた昇進の話を正月に帰省した地元の雪深い道を歩きながらぼんやり思い出していた。 例のソースはコマーシャルの放映も決まり、年明けからはますます頑張ろうと社長が挨拶した直後だった。上司は部下には愛想のかけらもない男だが、仕事はできるし何より感情的にならないのが良い。それに普段はケチで鳴るくせに、時折思いついたようにコー
Losing Game 2
出張は気が詰まるような内容だったが取引先の明るい雰囲気が救いだった。伝染病は思ったよりも広まっていて処分しなくてはいけない乳牛が出たため乳製品の生産量がこれから先一年ほど影響を受けることは残念だ。
「仕方ないじゃない、病気だもの。私たちよりも手塩にかけた乳牛を処分している酪農家のほうがきっとつらいわ。野生動物が他の国にも運ぶからってその駆除も始まったみたいよ。それに比べたら私たちはオフィスで仕事し
Losing Game 1
我が身を顧みず相手につける注文は多いのが私の悪い癖だ。背は私より高く、年収も車も学歴も相手の家族構成にさえ何かしらチェックする項目があって恋愛はまるで就職試験の面接のようだった。若いころは「三高」なんていう言葉もあったからそれを不思議には思わなかったが、母はそれを「お前は本当の恋を知らない」と嘆いた。
そんなことを麹町の駅から少し離れたところにある半地下のバーで考えていた。ここに来るときはティー