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【雑記】雨の庭#シロクマ文芸部

 雨を聴くのは何年ぶりでしょう。最後に聴いたのはCDなので10年くらいぶりかもしれません。私にとって「雨を聴く」と言えば、クロード・ドビュッシーの「雨の庭」です。

 ……あ、待って! 待って!
 なんだクラシックかよ。俺、BPM180無いとアガんねぇんだわ、という方も是非。この曲は3分半から4分くらいのピアノ曲です。短いよ。聴けるよ、大丈夫。なんならBPMも高めです。

 ここでクラシック音楽の歴史とかを語る気は毛頭ありませんが、一言だけ。

 ドビュッシーは、ほぼ画家です。音符で絵が描ける画家です。

 よく文章を読んでいると、その光景が鮮やかにイメージができることがありますよね。まあ私もそうありたいと思っているのですが、彼の曲を聴くとほぼ全世界共通で、かなり近いイメージを思い浮かべることと思います。

 「雨の庭」は文字通り、雨の降っている庭の光景。少し風が出たり、時に強く、時に弱くなる雨足、やがて見えてくる晴れ間。ピアニストによっては時に虹も見えてきます。

 そう、クラシックの面白いところは、演奏家によっても雰囲気がガラリと変わるところです。J-POPはカバー曲ってありますよね。あんな感じ。まあ意図的に変えているというよりは、作曲家の意図の解釈が異なる、という感じですが。


 というわけで、「雨の庭」を二種類、ご紹介です。

 一つめは、今年4月に亡くなられたフジコ・ヘミング。この方はやはりシンプルに上手い。音色が良いんですよね。とても柔らかい雨で、シロクマ文芸部っぽいです。


 もう一つはニコライ・ルガンスキー。今を生きるロシアのピアニストです。土砂降りです。弾いている様子が見えるからかより情緒的で、絵画どころかバレエのような劇場を観ている気分になれます。


 ちなみに私が持っているCDはミシェル・ベロフというフランスのピアニスト。ドビュッシーを得意とする方ですが、かなり速くてどちらかというと二つ目みたいな激しさがある。そのイメージが強いから、私にとって「雨の庭」は土砂降りです。

 クラシックか。まあ曲の再生はいいや、と思ったそこの方!
 とりあえずポチっとしてください。三、四分間聞きながら歯でも磨きましょう。磨いた? じゃあスクワットでもしましょうよ。
 ……最初の三十秒でもいいからさ。とりあえず聴いてみてくださいよ。で、せっかくなら虹が出るところまで聴いてくださいよ。



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