ラブタイツキャンペーンについて、電話してみた。

ラブタイツキャンペーンについて、電話してみた。

わかば

11月2日はタイツの日。

そんなタイツの日にちなんで、大手企業のアツギ株式会社が#ラブタイツ(ラブタイツキャンペーン)を開催。

十余名の人気作家が参加し、大きな話題を呼んだ。主に、悪い意味で。

アツギ株式会社の主力商品は、「ストッキング・タイツ・インナーウェア」とのこと。男性用の展開もあるが、メインの購買層は女性客。Twitterのアカウントを管理していた担当者も女性であることから、「着用者の目線」での企画かと思いきや、蓋を開けてみれば「着用者を眺める側の目線」の企画だったという、何とも場違いなものが出てきたから驚いた。

タイツの日のラブタイツで炎上して消されたイラスト魚拓まとめ(https://ins-magazine.net/より引用)

このnoteを書いている11月4日時点で、既にアツギ株式会社によるお詫びとご報告(PDF)が上がり、公式アカウントからもアナウンスがなされている。

そして参加した作家陣も作品の削除や公式謝罪文のRT、一部では作家自身の謝罪を表明する事態になっている。作家陣は依頼された仕事をこなしただけであり、問題は現実の女性が日用品として着用する衣類を、「性的な描写を連想させるような」(ラブタイツキャンペーンに関するお詫びとご報告 より引用)イラストでGOを出してしまった会社側にあると考えている。

そこで、気になったことをアツギ株式会社へ直接聞いてみたくなり、電話を掛けてみることにした。

あくまでも一消費者、一個人の感想から生まれた疑問であるため、稚拙な質問も多い中、担当のY田さんは真摯に受け答えしてくれた。

やり取りの公開の許可も得られたため、内容を残しておこうと思う。

電話でのやり取り

質問部分は、聞きたいと思ってまとめておいたものから、実際に聞けた部分を抜粋。Y田さん方の回答については、とても慎重に言葉を選んでらっしゃるのか、同じ言葉の繰り返しや「あー」「えー」が多かったので、勝手ながら省略させていただいた。録音機材はないため、電話しながらなるべく多くを拾ったつもりではあるが、それでは意味がないとお考えの方はページを閉じて忘れていただきたい。

以下、覚書。


Q.お詫びとご報告内にて「イラストに性的な描写を連想させるような不適切な表現があった」とあるが、イラスト自体に問題があったという認識であっているか?
A.削除した二点については、イラストとコメント合わせたものに問題があったとの認識している。

Q.その二点以外はイラスト自体には問題はなかった?
A.総合的に問題があったと判断した上で削除、中止に至った。

Q.イラスト単体では問題はない?


ここで、選手交代。電話口のY田さん(女性)がY田(男性)さんへ。


A.イラスト単体は問題ない、作家さんの一作品であると考えている。あくまでもPRの方法に問題があった。


Q.「タイツを履いた女性の日常」ではなく「タイツを履いた女性の日常を見ている誰か」の視点のイラストが多かったのはそちらの指示か?
A.「こういうイラストを描いて欲しい」という具体的な指示はなかった。


えっ、具体的なイラストの指示、なかったの?!

猛烈に驚いて、思わず「なかったんですか?!」と聞き返してしまった。てっきり、クライアントからの指示を受けて、「タイツの宣伝なのに履いたタイツ見せるためにスカートまくり上げてるイラスト」なんて酷いものを描かされ、仕事にケチがついてしまった作家さんがいたのだとばかり思っていたのに…。



Q.参加した作家陣には日頃から性的な作品を発表している作家が約半数(確認できた中で十五人中八人)いたが、具体的な指示をしない依頼をすることに際して考慮しなかったのか。
A.モラル意識が甘かった。


Q.企画はソーシャルメディア担当者の単独だった?それともチームがあった?
A.企画はTwitter担当者単独ではなく、ソーシャルメディア部門のもの。


Q.部門内で誰も止めなかった?
A.企画段階、監修段階では誰も問題視していなかった。他社(製菓会社)のコラボと同じような認識だった。


企業名を出されたので検索してみると、なるほど、数々のアニメとコラボしている企業だった。鬼●や文●など。言い出したY田さんも「いや、全然違うんですけど…」と今は痛感してらっしゃるご様子。



Q.今後この件で詳細な発信をする予定はあるのか。
A.現時点では今後更なるアナウンスをする予定はない、状況次第、検討中。問い合わせてくれたらお答えできる。


Q.問い合わせというのはメールなどの文書でも?
A.今は本件の対応に追われているので、メールでは電話のような応答は出来かねる。


Q.Twitter担当者は変わるのか(やり取りの中でちらっと「担当を変えたりだとか…」と言ってたので)
A.担当者を変えることも含め、検討中。


Q.本件以外でも、企画のメイン作家との公式アカウント上での個人的なやり取りが目立っていたが、再開の際、それらはどうするのか。
A.協議中、検討中。


Q.本件で「ご不快」になったと発言した人がTwitter上で中傷に遭っているが、この状況も作ったことも理解しているのか。
A.大変申し訳ない。真摯に対応していく。


Q.公式Twitterに「クレーマーに負けるな」「謝る必要はない」と大変あたたかい応援コメントが多数寄せられているが?
A.そのまま受け止めることはない。

Q.「公式な発表はアツギグループオフィシャルサイトで行っております」とあるが、公式ホームページのお知らせにはラブタイツキャンペーンについての本件が記載されていないが、今後記載の予定はあるか?
A.把握していなかった。検討します。


これについては、Google検索にて「atugi 公式」と検索した際にTOPに出てきた通販サイトが公式サイトだと思ったこちらの落ち度だった。公式サイトのお知らせ欄にはきちんと記載されていたことを明記しておく。Y田さん、焦らせてしまって申し訳ありませんでした。


イラストの具体的な指示はなかった

この回答がなければ、noteは書かなかったと思う。PRの仕方が悪かった、TPOの問題だとアツギ株式会社側が認識しているのだから、今後の改善はあるだろうと。

しかし、イラストレーターの作家陣へ指示がなかったことは、問題であるべきだ。

ラブタイツキャンペーンの企画担当者は、あのイラストでタイツを宣伝することについて問題があると誰一人思わなかった。イラストレーター達も、NGが出ないのだから当然直しなどしない。あれだけ丁寧に描かれたイラストを修正するのは並大抵の労力ではないし、判断するのは企業だから。

個人的な考えを言わせてもらえば、普段からタイツへのフェティシズムを隠しもせず個人的な交流を公式のアカウントで繰り返していた担当者が、炎上しない指示書を出せたかは疑問だが…。

百歩譲って「この商品を着ているイラストを描いてください」のような幼稚園のお絵かき時間なみの指示書であったとしても、上がってきたイラストが「タイツを見せるために長いスカートをたくし上げる女性」「制服姿の頬を染めた女性」であったなら、容赦なくリテイクを出して欲しかった。それがなく、「素敵なイラスト!動悸が止まりません!」とOKを出せるのは、アツギ株式会社ではない別の場所での別の何かの広報だろう。

そういったことがつまり、「確認体制やモラル意識の甘さにより、現在アツギ製品をお使いいただいております多くのお客様の期待を大きく裏切る結果」だったと。

Y田さんも会話の中で「言葉足らずな部分があり、意図が伝わらなかった」とおっしゃっていた。足らなかった部分を是非、広報Twitterの再開前にアナウンスして欲しいとお願いした。


アツギ【公式】の中の人について

Twitter再開の際には、絶対にソーシャルメディアポリシーを遵守したものにすると宣言してくれたY田さん。その話の流れで、「Twitter担当を変更するなど…」とさらっと出てきたので、「できれば担当者は変えないで欲しい」と伝えた。

担当者が変わってしまうと、矢面に立つのはそれまではしゃぎ回って推し作家の宣伝RTをしていた方ではなく、罪もない後任になってしまう。それはあまりにも可哀想だ。

基本ポリシー
アツギグループの従業員は、ソーシャルメディアを活用するにあたり、法令やアツギが定めた内部規定を遵守し、良識ある社会人として健全な社会常識から逸脱した行動がないよう常に意識した情報発信を行います。
ソーシャルメディア参加にあたっての心構え
インターネットへ発信した情報は不特定多数の利用者がアクセスできること、いったん発信した情報は完全に削除することができないこと、個人の発信が当社の評価になり得ることを理解し、相手の発言を傾聴する姿勢を持ち、責任ある行動を常に意識します。(アツギ株式会社 ソーシャルメディアポリシーより引用)

是非とも彼女には、改めて上記のことをしっかりと認識した上で、本人の誠実な行動を持ってアツギ株式会社の評価と信頼回復に努めて欲しい。


以上です。

わかば