諦めたこと

桜も散り始めた春、同級生らがそれぞれの望んだ(望まない場合もある)進路にすすんで、私が諦めたことを思い出した。

舞台俳優である。それも私がやりたいのは劇団四季や宝塚のような大きな芝居ではなく、スズナリのような、シアタートラムのような、そんな場所で繰り広げられる芝居の俳優をやりたかった。

体力が持たなそうだったので、稼ぎが不安で、実力にも自信がなく諦めた。何度も自分の中で納得させたはずなのだが、芸術の大学に進んだ2人の親友が羨ましくて仕方ないのだ。
悔しくて心の底から2人の大学生活を祝福できない私の惨めさが際立ってしまう。

他にもある、兄弟との育てられ方の差である。
私は3人兄弟の長女なのだが、やはり母親という生き物は息子に甘い。全国共通なのであろうか。
私は物心ついた頃から思想の強い子供であったがある程度物分りの良い子供であった。
「お姉ちゃんなんだから」とそう口に出されずともお姉ちゃんなんだから我慢したことはたくさんある。

その態度の私に甘える母親をいつから許してしまったんだろうか。なぜ反抗を諦めてしまったのだろうか。

私はいつまで、この後悔とも言えない何かを抱えタラレバを思い続けることになるのだろう

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