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【前立腺ガン治療日記⑥】忘れてはならないこと


忘れてはいけないものを忘れてしまう

ついにやってしまった。

前立腺ガンの陽子線治療は、基本的に少ない荷物で受けられる。保険証と診察券は必ず必要だが、あと、もう一つ必ず持っていかなければならないものがある。

まず、治療に行くと病院の診察着に着替える。病院で、それは全て用意してくれるのだけれど、陽子線治療用下着を装着しなければならない。薄い素材で作られた白い下着で、特段大きな技術が凝らされているようには見えないが、必ず売店で買わなければならない。5枚セットで770円。

これを履いて治療をするので、毎回新しいものを出すか、使ったまのを洗って持ってくる。過去5回の治療では、忘れないようにと何枚かカバンに入れておいたのだが、今日に限って置き忘れてしまった!パンツを忘れるなんて、小学校低学年の時に、水泳学習で着替え用のパンツを忘れて以来だ。看護師さんに、恐る恐る「忘れました」と話すと、笑顔で一枚貸してくれた。

今回の敗因、言い訳になるけど

言い訳になるが、そもそもパンツを忘れた原因は、ホテルを出る時に起きたハプニングに起因する。ぼくが住んでいる町から病院までは距離があるので、治療の間、ホテル暮らしをしている。昨日の晩、なんだか体がモゾモゾするなぁと感じて電気を付けてみると、ベッドに無数の羽虫が蠢いていた。みると、窓の内側に小さな羽虫の団体が張り付いている。

あわてて、フロントに話して部屋を変えてもらった。いつも常宿にしているホテルなのだが、こんなことは初めてだった。虫大発生の原因はついぞ分からなかったのだが、部屋移動の時に、陽子線パンツを入れた袋を乱暴に旅行カバンの中に片付けてしまったのだ。それが、今回の敗因だった。

いろいろ治療にも慣れてきたので、少し気持ちに緩み出てきているのかもしれない。気を引き締めなければ。本日の治療は、パンツ問題を除いては問題なく終わる。尿200ml問題も難なく回避。

明日は絶対忘れないぞ、パンツ。
そして、治療は続く。

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