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vol.3 子育て世代が、のびやかに暮らせるまちをめざして。

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盛岡駅の南側、岩手県立美術館をはじめ、
数々の文化施設が集約する盛岡市中央公園。
その一帯に整備されつつあるBeBA TERRACE (ビバテラス)は、
ゆたかな感性を持つ子ども、答えを自ら見つける子どもを育み、
「社会とつながる機会創出」を願う、
3つの民間事業者が主体となってつくる場所。
都市公園の価値向上をめざし、市民の皆さんと育てていく空間です。
さらに、その理念に賛同した事業者たちも徐々に加わって
「あそびとまなびをつなぐ場」づくりに邁進中。
ここでは、BeBA TERRACEに関わる事業者
それぞれの思いを、順次紹介していきます。

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公園に生まれた保育園がつくる
未来の可能性。

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 BeBA TERRACEにおけるプロジェクトの骨格といえるのが「モリオカえほんの森保育園」。2020年10月開園以来、公園の一角にある小さな森のような園庭には、子どもたちの賑やかな声が響きます。
 「ロードサイドにありながら、敷地内には自然があふれ、遊ぶ空間もふんだんにあるので、環境として恵まれています。子どもたちは皆、ごっこ遊びが大好き。社会との繋がりは、大人が教えなくても不思議と自然に見聞きし、再現したくなるのが子どもの本質です。これから開業する敷地内事業者の仕事を見たり聞いたり、体験したり。リアルな経験をすることで子どもたちの内面も一層豊かになるのではと思います。各施設がいろんな関係性を持ち、そのつながりを十分に生かした場づくりをしていきたいです」。
 

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(写真/保育園完成内覧会での浜田さん)

 そう話すのは、保育園の運営を担う「株式会社みんなのみらい計画」代表の浜田和人さんです。実は、一足早く関わった横浜の保育園運営に際して湧き上がった、ある思いがこの中央公園パークPFI事業の応募につながったそうです。
 「当時、多くの待機児童を抱える横浜市で、“保育園に預けられないと仕事ができないけれど、仕事がなければ保育園に預けられない”という難しい問題を、現場で目の当たりにしていました。そんな矢先、盛岡市が計画する保育園整備を条件にしたPark-PFI事業を知りました。直感的に思ったのは、首都圏で仕事や保育園を探す世代が、子育て期間だけでも盛岡に移住し無理なく子育てができる仕組みをつくれないか、ということでした。それによって、中央だけに意識が向かうライフスタイルではなく、新しい働き方を提案できるかもしれないと」。

第2、第3期パートナーと共に、
社会の問題にしっかり向き合える学びの環境を。


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 共に事業を進めるパートナーに、株式会社M D S(飲食棟)、株式会社タヤマスタジオ(まなび棟)を迎えて計画はスタートしました。さらに3社が賛同し、今、着々とBeBA TERRACEは場の形を見せつつあります。
 「北国である盛岡における公園利用は、暖かい時期が中心。だからこそ、働く場所や暮らしに関わる要素を公園内に組み込んでいければ、季節にとらわれず公園を通年利用できるのでは」と浜田さんは話します。
 2017年の都市公園法改定によって認められた公園内の保育園設置は、東京や大都市圏を中心に設置が進みますが、岩手では盛岡市中央公園が初めてのケース。まなびを核にした浜田さん等の構想は、BeBA TERRAC Eプロジェクトという名称で、「あそびを学び、まなびを遊ぶ」をコンセプトに事業計画を構築。フリースクールやこども図書館、地場産業とのふれあいなど、さまざまな体験ができる魅力ある公園づくりに取り組んでいきます。

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 「人口減少が重要課題の地域であり、外からも人を呼べる仕組みをつくりたい。フリースクールをはじめ、社会の問題にしっかり向き合える学びの環境を、将来この場所に整備できたらいいですね。計画中の子ども図書館も、本を読む借りるだけでなく、ここに関わる人にとって次へのアイデアが生まれる場所になったら嬉しい。子どもと共にお父さんやお母さんの暮らしやすさや働きやすさをサポートしたり、楽しい時間を提供できる環境を、中央公園BeBaTERRACEにつくりあげていくことが長期的なビジョンです。この場所で始まるアクションは、地方都市の未来を具現化した先駆的事例になる可能性を秘めている、そう思っています」。

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(写真/建設中の飲食棟。2022年2月17日オープン予定)

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浜田和人/株式会社みんなのみらい計画 代表取締役

待機児童の問題解決に向けて、「モリオカえほんの森保育園」をはじめ、盛岡市や神奈川県を中心に7つの保育施設を運営。また、企業主導型保育園事業や英語で預かる学童保育(神奈川県)事業など、地域や職場と一体化した保育環境を各地で展開しています。すべての子供たちに未来を届けたいとの思いで、既存の形にとらわれず、新しい働き方に寄り添う保育を目指しています。

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