見出し画像

Betrayer [裏切り者] 2

David と出会ったのは僕とMarinaが乗船した直後の5ヶ月前、彼女のMarina の紹介だった

レストランでウェイトレスとして働くMarina と、 David の奥さんの Kimi は同じインドネシア出身で年齢も近く、数年前の乗船が同じ時期で仲良くなってたらしく、久しぶりに今回の乗船で再開した2人は更に仲良くなっていた

僕とMarina は付き合って10年
僕がツアーデスクのマネージャーという立場がらMarina とはいつも乗船のタイミングを合わせていたので
Sing on 日(契約開始)sing off 日(契約終了)はここ数年同じだった

Kimiともどこかのタイミングで同じ船にいたらしいが
ちゃんと話すようになったのは、Kimi がDavid とが結婚してから、正式にMarina が数ヶ月前に2人を紹介してくれたことがきっかけで4人で話すようになった

出会った当時はDavid 夫婦は僕たちと同じように仲が良く、僕以外の3人が同じ職場(レストラン)なので、Marina とKimi が計画したイベントごとで顔を合わすことが多かったが、最近はDavid から直接誘われて2人だけで会うこともあった

お互い2組ともカップルキャビン(部屋)なので、どちらかのキャビンで誕生日パーティーを開いたり、食事のタイミングが合えば同じテーブルでたわいもない話をしたこともあった

Davidは彼女にぞっこんだったので、インドネシアの彼女の地元に家を建てたいと相談された時は、彼女名義の家に彼が投資したりしてた

ただ、あんな事があったので
いろんな話を聞いていた僕とMarinaは、David の気持ちを考えるとKimi への怒りもそうだがDavid のやるせなさの方に同情していた

しかし、それに関してはどうアドバイスしていいかもわからず、ただDavid の話を聞いてあげることしかできずに、自分の非力さにもムカついていた

事件があった日の次の日、朝約束した通り僕はDavidとKimiのキャビンへ向かった



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?