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I loved him 【愛してたんだ】2
いつものように彼女に声をかけようとしたら、明らかに顔色を悪くしたLaura が食欲なさそうに皿を眺めていたから、心配になって聞いてみた。
『どうしたの?元気なさそうだけど...』
『うん、昨日の夜からなんだか体調悪くて...』
『え、大丈夫?風邪かな?』
この時期はコロナの話で持ちきりだったから、少しその疑いもあったが、言葉には出さなかった。
『メディカルセンター(保健室)行ってみた?』
『ん... まだ行ってない... 』
『行ったほうがいいよ、私も着いて行くし』
『うん... ありがとう
でも、もしかしたら風邪っぽい感じじゃないんだよね』
『え、そうなの?』
益々コロナの疑いが増したが、ゆっくりLaura の続ける事を待ってみた。
『もしかしたらだけど、妊娠したかも... 』
『え”‼︎ 妊娠??』
かなり動揺したが、同時に大きく驚いたらさらに噂が先行して大変なことになるのはわかってたから、近くに人が居ないことを冷静に確認して静かに動揺を隠した。
『数年前に一度妊娠したことがあって、その時はお金もなかったし、それよりも精神的に色々参ってた時で、そのせいでガリガリだったの。
子供が出来たのは嬉しかったけど、自分の身体のこと以外の責任取るなんて考えられる健康状態じゃなかったんだ... 』
『そうだったんだ... 知らなかった。
でも、そんなプライベートな事私に打ち明けてくれてありがとう』
『うん、この事はその時の彼と、彼の家族以外は知らなくて、アメリカに彼と住んでたから私の家族にも友達にも言ったことなかったんだ。
私も、何故Mayumi には話せてるのか分からないけど、いつも親身にしてくれるから話してもいいかなってなったのかも』
いつも凛としてて、芯がある子に見えてた憧れの彼女が、凄くプライベートな事を打ち明けてくれた事が嬉しくもあり、なんか深く入り込んで聞き過ぎてしまったのではないかと複雑な申し訳ない気持ちになった。
『え、それって、この前言ってたウクライナ人の彼?』
『そうだと思う』
『そっか... 』
『とりあえず、メディカルセンター行ってみよう、着いて行くよ』
『うん、ありがとう。明日一人で行ってみる』
『そ、そっか、わかった... 』
もし妊娠していたとしても、彼女はかなり不安を抱えていたのが、表情からも読み取れた。
彼と数ヶ月前から付き合い始め、彼の事が好きなのは前から聞いてたが、たまに彼の愛情が分からないと相談してきたことがあったからだ。
私は迷いながらも今まで近しい友だちが、心の準備ない妊娠した話を相談されたことがなく、何が1番ベストな対応か分からず、彼女の言葉を尊重する事を選択した。
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