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文庫本はカバーをはずして読む

新潮文庫が好きでも書いたが、本のカバーは外して読む。新潮文庫の本体のデザインが好きだから、それが見える状態で読みたい、持ち歩きたい、並べたいと思う。

しかし、最近は新潮文庫に限らず、あらゆる本のカバーを外して読んでいる。単行本でも文庫本でも。文春文庫でも講談社文庫でも。もちろんカバーだけでなく、帯も外す。

新潮文庫のデザインが好きでカバーを外しはじめたのだが、本体だけでの読書はなにかと快適である。

手触りがいい

文庫本のカバーは全面印刷が施され、クリア(コート)処理されていることが多い。ピカピカした感じになり、店頭でよく目立ち、きれいに見える。そして、水や汚れにも強い。ただ、手に持つと少しペタッという(ベタベタまでは行かない)感じがする。

一方、カバーを外した本体はベージュのマットな紙に、印刷はほぼ線だけ。クリア処理もないと思う。そのため、手触りはサラサラとしている。そして、その手触りが「紙」でできた本であるということを体に感じさせる。

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持ちやすい

カバーや帯は本体に上下にずれやすい。そして、ページを開いていると、本体から離れて浮いてくる。裁断のサイズや折り方は本体にピッタリになるように仕上げられているが、固定されているわけではないので、ズレることは仕方がない。

カバンからの出し入れも厄介である。カバーや帯が浮いていることで、他のものに引っかかることがある。そして、カバーや帯は破れる。破れるとさらに引っかかる。負のループが始まる。

しかし、カバーを外して本体だけで持つ場合、ずれる、浮く、外れるという要素がない。

片手でもめくりやすい

電車の中では、立って本を読むことが多い。片手はつり革を持っているので、もう一方の手で本を持ち、ページもめくる。これは、若いころに電車でつり革を持って立っていたところ、目の前に座っていた男性がめくっていた方法である。このめくり方を見かけるまで、本を片手でめくれると思っていなかった。これは #一人じゃ気づけなかったこと である。

そして、この持ち方でページをめくるには、親指の繊細な動きが必要である。このめくり方をマスターする際、カバーをかけたままだと、親指の微妙な動きがうまく伝わらないことに気づいた。うまくいかないと複数ページが一度にめくれたり、本を落としそうになったりする。その場合は、つり革の手を離して、両手で本を持ち直し、元のページを開かないといけない。

見た目がよく、手触りが良く、めくりやすい。以上がカバーをはずすことで得られる楽しい読書時間である。

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