何故、発達障害男性(ASD)の人生には「そんな私にも恋人」が発生しないのか?
結論から言えば、それは発達障害は男性にとって繁殖に著しく不利になる特性があるからだ。「いやいや、それは単にお前がモテないだけだろ?」と思う人間はいるだろうし、俺が30歳童貞非モテなのは否定しようのない事実であるが、どうもそうではなくマクロな傾向として発達障害男性は非モテになりやすいことが様々な統計や研究に示唆されている。(ここでは主にASDについて述べる、ADHD、学習、知的に関しては別の機会にまた)
例えば高機能自閉症青年の69.2%は異性との性的関係を望んでいるが、全く成功していないという研究がある。米国で低機能および高機能自閉症青年190人の両親の報告を調査した研究では、高機能自閉症の青年の69.2%は、交際関係への欲求を表明しているにも関わらず、異性と関係があると報告したのは7.7%で、同性と関係があるのは1.5%であり、セックスしたのは1.5%という。この調査における青年の主に白人(89.3%)の男性(86.8%)で、年齢の中央値は14歳(M = 14.51、SD = 1.96)である。米国では15歳の非童貞率は43%なので、このグループは非モテ傾向があると言わざるを得ないだろう。
https://www.researchgate.net/publication/262581068_Brief_Report_Parent-Child_Sexuality_Communication_and_Autism_Spectrum_Disorders
また同じく米国で自閉症の男性の44.6%は、平均年齢が35.7歳のサンプルの中で未だに童貞である事を示した研究もある。またこの研究によれば現在性的関係を得ている自閉症男性は16%である1方、女性は46%が関係を得ており、自閉症は女性においては関係獲得能力には大きくは支障をきたさないことが示唆されている。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5789215/
では何故発達障害男性は非モテになるのか?また発達障害女性は非モテにならないのか?という話をすると、まず大前提として「先進国において男女それ自体に著しいモテ格差がある」という身も蓋もない事実がある。
またよくインターネットでは「ブスな女性は男性から全く相手にされない」という嘆きが呟かれているが、どうもそうではない事を示す研究がある。tinderの分析によれば美人と評価される女性にも、ブスと評価される女性にも"いいね”がつく現象が報告されている。(https://archive.fo/VELwq)またこれは所謂「ヤレそうだからじゃないの?」「男性に舐められてる」というわけでもないらしい。スペインの結婚市場を調査した結果によれば、女性の間でマッチ出来るか否かに身体的魅力との相関はなく、また望ましい配偶者(社会的地位など)とマッチ出来るか否かにも関係ないとする研究があるのだ。(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1570677X17302204?via%3Dihub)因みに同研究によれば、男性はブスであることは、イケメングループと比較した場合、マッチ確率を15〜17ポイント減少させ、フツメンと比較して10ポイント減少させるという。
要するに女性は女性であるという時点で1定のモテは約束されており、男女間には大きなモテ格差が広がってるのだ。
そうした中で、何故発達障害男性が非モテになるのか?と言えば、これは欧米の非モテコミュニティでは大きく「低い社会的地位」「顔つき」「ノンバーバル(身体言語や動作やチック)が相手に不快な印象を与える」の3つが指摘されている。(また発達障害男女のモテ格差に関しては、発達障害女性のほうが社会性が高いためという仮説も頻繁に唱えられていたが、これに関しては今のところ下記の理由により、自分の中では保留している)
https://twitter.com/rei10830349/status/1161083622826237953
まず低い社会的地位について語るが、これは単純に「低い社会的地位の男性はモテにくく、発達障害者は就職や労働に苦労してるケースが多い(1方で女性のモテは社会的地位とは、あまり関係ない)」というだけであり、わざわざ説明したり何らかのソースを張る必要あるのか疑問だが、1応やろうと思う。これは内閣府が出生動向基本調査から出したグラフだが、
ご覧の通り、雇用形態が不安定&所得が低いほど男性は結婚出来ない傾向にある。(引用元https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2016/28webhonpen/html/b1_s1-1-3.html)そして発達障害者の大卒就職率はというと
(引用元http://library.tourism.ac.jp/no12KinKeisei.pdf)因みに2008年の大卒就職率は69.9%、2010年は60.8%である。また2017年障害者職業総合センターによれば、発達障害者の就職後1年時点の職場定着率は71.5%、ざっくり3人に1人は離職している状況である。(http://www.nivr.jeed.or.jp/download/houkoku/houkoku137.pdf)更に発達障害者の賃金に関しては、まだ統計等のデータが出てないが知的障害者(DSM-5やICD11ではASDやADHDと同じ神経発達症群となる)の通常労働における平均賃金が月13万円なのを考えると、数少ない就労している発達障害者の賃金もそれほど良くない事が予想される。(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/111-1.html)
次に顔つきの話に移る。自閉症は従来「極端な男性脳」と考えられていたが、その脳の理論とは対照的に、自閉症はNTよりも物理的に両性具有であることを示す幾つかの研究が出ている。その1つに自閉症の顔を調べた研究があり、それによれば男性ASDの顔つきは「男性らしくない」特徴があるという。
https://jneurodevdisorders.biomedcentral.com/articles/10.1186/s11689-015-9109-6
別の研究によれば、自閉症男性は1般的に幼少期に社会阻害、暴行、虐めなどにより、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが高くなり、コルチゾールのレベルが高くなることでテストステロンが低下し、性的2形(身体の男性的特徴)が不完全に形成される可能性が示唆されている。
https://www.nature.com/articles/s41598-017-09939-y#Sec17
また後述する「ノンバーバル(身体言語や動作やチック)が相手に不快な印象を与える」と被る部分があるが、自閉症男性は定型発達者に対して発話内容の転写物を見せた場合には悪印象を与えないどころか好印象に取られるが、視覚情報を与えた場合、否定的な印象形成が促進されるという研究がある。自閉症男性の顔つきは、その当事者の人格や能力評価にも負の影響を及ぼすのだ。
https://www.nature.com/articles/srep40700
(因みに自閉症の第1印象で最もプラスに作用する要素は年齢、IQ、症状ではなく女性だとする研究もあるhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29039208)
また「男らしい顔は繁殖に有利」なのは説明するまでもないと思うが、1応研究を張っておく。
(男性の顔の性的2型が女性の、友人、敵、繁殖相手評価にどのように影響するか)https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1364661305003207
こうした発達障害者の身体的特徴が持つハンディキャップは甚大なものがあるが、この手の「何故モテないか?」議論が混乱しやすい要素として、「女性は男性の容姿が自らの判断にどの程度影響を与えているか自覚出来ない」というのがある。例えばセクシャルハラスメントにおいても、身体的魅力によってそれが「楽しい体験」になるか「ハラスメント」になるか別れるとする研究は無数にあるし、恐らく大半の非モテは「※但しイケメンに限る」を体感していることだろう。
・オンラインデートにおける「ハラスメント」の女性定義は、男性魅力に依存する
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19030980
・男性の魅力が、その体験が楽しいかトラウマなのかを決定する
https://www.researchgate.net/publication/225564287_Context_Effects_on_Women's_Perceptions_of_Stranger_Harassment
・魅力はセクシャルハラスメントの無罪と有罪の認識に影響する
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15074507
最後に「ノンバーバル(身体言語や動作やチック)が相手に不快な印象を与える」について語る。定型、ASDを20人ずつを集め、架空のリアリティ番組の60秒間模擬オーディションを記録させた実験がある。この記録を、(1)音声のみ(2)視覚のみ(3)視聴覚(4)静止画像と(5)音声を文字にしたものに別けて、プレゼンテーションスタイルのどの要素が観察者の第1印象に貢献したかを調べたところ、ASDの成人の否定的な第1印象は、音声または視覚情報が存在する場合にのみ発生し、音声の文字起こしには発生しなかったという。換言すれば、ASD否定的印象は言語や人格ではなく、身体的動作や発話に基づいているということだ。また定型発達は音声または視覚情報により否定的印象が発生することはなかったという。
https://www.nature.com/articles/srep40700
まとめれば発達障害女性の人生に「そんな私にもパートナーが」出現するのに対し、発達障害男性の人生に「そんな私にもパートナー」が出現しない理由は、女性は既に女性である時点で1定の需要があり、または発達障害による困難が性的関係獲得能力に大きな影響を与えない1方で、男性は男性というだけでは需要がなく、また発達障害による困難が性的関係獲得能力に大きな影響を与えるから。。。ということになる。
そしてこの手の議論をtwitterなどで行うと、必ず「発達障害や精神障害がなんとかなってる人って配偶者や恋人がいるじゃないか!みたいな不満の声があるみたいだけど、それは違って自分で障害をなんとかしようと頑張ったから恋人がいるという話!」みたいな言論が流れるが、とりあえず事実としてはパートナーの存在は鬱病の早期回復における重要因子であることを示唆する研究がある。オッズは2.4 (OR = 2.4;95% CI = 1.1-5.3; P = .03) 。
https://jamanetwork.com/journals/jamapsychiatry/fullarticle/206644
念の為に補足するが、私はこれを持って「発達障害女性の人生はイージーモード」などと主張する気はない。当然ながら、女性当事者には女性当事者特有の辛さがあるだろうし、また性的需要があることで性的被害や性が乱れやすい側面を示す研究もある。しかしながら、それを理由に
・男性当事者と女性当事者の間にはモテ格差が存在すること
・パートナーの存在が1定の助けになること
を全否定するのは如何なものだろうか?またインターネットには「恋人が出来ないのは、発達障害が原因ではなく、それを理由にする本人の人格のせい」と何の根拠もないヘイトスピーチも飛び交っている。勿論、本人の人格や障害関係ないところに原因がある場合もあるだろう。しかしながら、まず「発達障害は男性にとって繁殖上不利になる」ことを前提におかなければ、そういった建設的な議論は出来ず、架空の藁人形相手に「モテない」という事実から逆算した罵詈雑言を浴びせることにしかならない。
とは言え、欧米でもそうであったように、別にこれらの事実を指摘したところで何が変わるでもなく、非モテ発達障害男性にはヘイトスピーチが浴びせ続けられるだろう。しかしながら、この記事が当事者にとって、そういた根拠なきヘイトスピーチに晒された時の支えや、根拠なき希望的観測により消耗しないための予防薬、また努力する為の行動指針、そういったものになれば幸いである。
最後に彼女募集中であることを告知しておく。
【彼女募集中です】
―女性の方で彼氏募集中の方―
当方30歳童貞、筑波大卒、
中検2級、漢検3級、TOEIC800、
東証1部企業勤務、年収700万。
容姿は黒髪の164cm58kg
都内住みです。
【概要】
・種族:人間
(以外でも人型なら可)
・年齢:18~36歳
(以上でも仙狐/魔導書/エルフなら可)
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・髪の色:不問
(但し銀髪は優待)
※未経験者は特に大歓迎!
【趣味や好きなキャラ等】
『魔法戦士スイートナイツ』
七瀬凛々子、ティアナ・リリアン・トランシルヴェール
『魔界天使ジブリール』
神野ひかり、神野ナギ
『光翼戦姫エクスティア』
葛城真里奈、リースヴェルヌ=シュゼット=パラディル
『超昴』
鷹守ハルカ、エリス・エクシリア
エロゲー以外の趣味
・料理(特に精力を増やす薬膳)
・筋肉トレーニング(特に射精量を増やすPC筋肉)
・論文漁り(特に精力関連)
俺のヒロインになって下さい!
ご興味ある方はDMください!
https://twitter.com/rei10830349
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