眠る前

眠りにつく前、無い頭でふと、何が自分にとっての幸せかを考えることがある。
人にはあまり言いたくない少し恥ずかしいマインド。
漠然とした想像は枕に乗った頭をすり抜けて宙に浮き、照明の近くをフワフワと漂ったあと霧散して消える。
それを見届けているときはもう夢の中にいるのかもしれない。

「心が広い」「優しい」なんて言われることがあるが、そうじゃない。
人に嫌なことを言われた時に言い返す度胸がなく、反射的に笑って誤魔化してしまうだけだ。
決して許してはいない。
そうしてその場しのぎの癖が染み付いてしまったせいで、自分の意見がなくなっている。
その状況で求められる、当たり障りない回答や反応を無意識に探してしまう。

だから常識から外れていたとしても自分の意思を持って行動している人を見ると羨ましく思う。

消灯済みの照明を眺めたした決意は脆く、眠るとともに忘れている。
「度胸をない」のではくて「優しい」のだと、堂々と納得したい。


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