見出し画像

レコーディングを公開するという試み(後編)

さて、見学を募り、準備から録音まで全てを公開したレコーディングでしたが

制作の全行程が完了し、

ドラムマガジン主催のコンテスト
「誌上ドラム・コンテスト2018」に無事に応募できました。


今回はアンサンブル(人と合わせること)がテーマで
課題曲はロックバンド「ネモトラボルタ」さん書下ろしの新曲
「Someday Get Shinedays」を
”ロックバンドのサポートをする”イメージでドラムをたたく
というのがざっくりとした趣旨でした。

私が思うサポートにおける理想的なドラムとは...

・楽器のメンバーが安心して気持ちよく音を合わせられる
・ボーカルがそのグルーヴに身を任せてどこまでも思いっきり歌いたくなる

↑これがマストだと思っています。

そのためには正直、
絶対的に気持ちいいビートが一つあればそれでいいです。


誰でも出来るシンプルなビートに
命を賭けるのがロックンロール
ですから

だけどこれはコンテストで

おそらくそれはだれもがやる
(絶対的に気持ちいいかどうかは別)

って思いました。
私も最初はシンプルなビートしかやってなかったです。

技術(?)を競うコンテストだからって音楽を生かすことを
ブレる訳にはいかなかったけど
一昨年、音楽的を重視し、あまりにもシンプルに叩かな過ぎた事で
非常に悔しい思いをした
ことと
(今でも一昨年は私が一番あの曲を活かす演奏をしたって思ってます!)

生涯現役のドラマーとしてやってくために学んでいる村石道場の
村石雅行さんから

「こういう曲は誰もが同じことをする、俺もこれをやれって言われたらそうすると思う。だけど何か別の、作曲者を唸らせるアプローチが出来るかを考えてみてごらん」

うろ覚えですがこんなことを言われたときに
ハッと閃きがあり、

”シンプルなバッキングなら誰もが同じ事をするだろう
それが”ロックバンドのサポート”の答えかもしれない

でも、
バンドのうねりやボーカルの歌を殺さずに
楽曲をもっと魅せるような何か違ったアプローチが出来ないか?”


自ら何度も歌ってみたりして考え、
冒険したのが
「バスドラムを4分で踏みながらドラムでうたう」Aメロの前半です。
コンテストサイトにあるデモを音源バージョンとするなら
これはライヴバージョンというイメージです。

自らもタイコでうたう事で楽曲をさらに生かす
そんな演奏を目指しました。

この演奏にいたるまでにも色々な試行錯誤をしたのですが、
「これは誰かがやるだろう」と思って
やるのを敢えて避けたアプローチは
案の定、全部ほかの誰かがやってたし。

正直このアプローチは賭けです。
誰もこんなことやらないし、好みが分かれる自覚はあります。
「ロックバンドのサポート」って、シンプルでいいものだとも思うし。。

だけど、コンテストに勝ちたいからっていう理由で、
自分から生まれた純粋な閃きを
やらないっていう選択肢は
なかったなー

それが理由でダメだったとしても。

レコーディングでは演奏はもちろん、
演奏前の楽器の音作り、やミックス、マスタリングにいたるまで、
ドラムだけでなく楽曲をそのものを生かすことを尊重して
制作に協力して下さった皆様に感謝。

なんだか、まるでもう入賞したみたいな記事になってしまいましたが。笑

このあとおそらく9月半ばに1次審査があり、
今月発売のドラムマガジンにて二次審査を通った人の発表があり
そのあと最終審査を経て
入賞者が決まります。

ちなみに余談ですが
3年前→一次審査落ち
2年前→二次審査落ち
去年→最終審査まで残るも入賞ならず

と、毎年少しずつ結果は上がっているのです。
今年、入賞なるか。
結果は随時報告していきます。

さて、今後のnoteではこの演奏におけるドラミングについて
なぜこの部分でこう叩いたのか?
そのビートの意味は?

語れる限りすべて記事にしていこうと思います。
ドラミングライナーノーツとでもいいましょうか

まずその第0弾ということで、ここで
”なぜ他の応募者さんより楽曲が速く聞こえるのか?”
について書いていきます。
前にも書きましたが
有料記事の値段は800円とさせていただいています。
相場的に安くはないと思います。
これは都心や横浜、地元横須賀で練習のためにスタジオを使った場合の
(店舗によって若干の違いはありますが)
大まかなスタジオ利用代と同じことによります。

私のスタジオ代を支援していただく代わりに
購入してくださるドラマーさんの
ドラム演奏に新しい視点を持っていただいたり
ドラマーでない方なら
「ドラマーってこういうこと考えて叩いてるんだ」
っていう気付きになってもらえるようなことを
書いていこうと思っています。
お金を頂くわけですから
持論とは言え
適当な事は言いません。

それではこの先より書いていきます。
ここまでで読了の方は
ひとまず
ありがとうございました!


ここから先は

2,669字

¥ 800

頂いたサポートは楽曲や音楽動画の制作、練習で使うスタジオ代に充てさせて頂きます。