「灰とダイヤモンド」のあの人はズビグニエフチブルスキーって言うのよ
ポーランドの映画監督アンジェイワイダの「抵抗三部作」の中の一作、「灰とダイヤモンド」これは映画として名作だと思うんです。
ワンナイトがあり犬死にがあり、人の心をつかむ映画の要素をキッチリ押さえています。
けど、抵抗と言う主張は忘れていない。
良かったのは主役を演じたマチェックのチブルスキー。
この人のルックスはあまりカイジンガイジンしてなくて、日本人好みだと思う。
残念なことに40歳で鉄道事故で亡くなってしまっているので、東欧のジェームスディーンとか呼ばれているみたいだけど、それはちょっと持ち上げ過ぎかな。
マチェックの役はシリアスに演じているけれど、「夜行列車」のトツポい兄ちゃんの役なんか、この人の軽さが出ていて良かったなと思う。
灰とダイヤモンドに話を戻すと、みんなゴミ捨て場で悶死するマチェックのことばかり言うけれど、私はホテルのバーのカウンターで同士アンジェイと、死んだ同士の名を呼びながらショットグラスに火をつけて行くシーンが好き。
女々しい演出かもしれないけれど、映画なんだからこんなキザなシーンがあってもいいって思うから。
同じ抵抗三部作でも、「世代」はまだ演出の未熟さが目立ち、おもしろいとは思わなかった。
「地下水道」はホープレス過ぎて見続けるのが苦しい。
監督は撮り終えて満足しただろうけれど、観客はあれじゃ置いてけぼり。
灰とダイヤモンドが一番、映画としての体裁が整っていて、誰が見ても楽しむことのできるエンターテイメント性を持っていると思います。
アンジェイワイダをご覧になるんでしたら、まずこの作品からが取りつきやすいと思います。
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