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TNRと地域猫と保護猫と譲渡会と

最近 よくネットの記事で保護猫の譲渡なんかが取り上げられているのを見ます。
ずっとの家族に迎えられて 大切にされているのを知ると 本当に良かったなと思ったりします。

この譲渡会に参加できている猫たちは そこに至るまで個々の物語があります。
私はTNRと呼ばれる 捕獲して避妊去勢をして地域に戻すこと 仔猫の保護 預かりと ひととおり経験させてもらっています。

TNRで地域に戻されるのは 人馴れできないおとなの猫さんたちが殆どです。
人馴れはしていても 屋内の生活に馴染めないことも理由のひとつだし 彼らをすべて収容できる環境がないのも理由です。
このTNRと並行して保護されるのが 譲渡会に参加している多くの仔猫たちです。
お母さん猫は避妊してリリースされれば もうお産をすることはありません。
お母さんも人馴れしていれば 保護して譲渡会に出ることもできます。
おうち暮らしの修行を経てからですが…。

避妊去勢をして耳カットをして 晴れて地域猫になったとしても その猫の代で子孫は残りません。
譲渡会に出る仔猫やおとな猫たちにも 避妊去勢は必須条件です。

TNR 地域猫 保護猫 譲渡会 どれも別の物と考えられがちですが すべてつながっています。
ミルク飲みくらいの週齢で遺棄されたり お母さんが育児放棄したりで保護すれば 人との暮らしに当たり前に馴染みます。
その代わり 保護した子がすべて育つとも限らない現実もあります。
これは 産みのお母さんが育てたとしても ノラで屋外での子育てなら もっと成猫になる確率は下がるかもしれないし
感染症や交通事故などで短命になってしまう可能性もあります。

今 私が預かりをしている子たちは 離乳期に保護した子たちです。
お母さんは人馴れしていなかったので 子どもたちも人と暮らす修行中というわけです。
お母さんはTNRでリリースし 地域猫として暮らしています。
それも ゴハンボランティアさんや地域の人の協力があってのことです。

譲渡会に出られる猫たちは 預かりさんやシェルターで暮らしながら ずっとの家族との出会いを待っています。
それも人が愛情も時間も経済的な負担をしながら 守っているいのちです。

譲渡会に出られる子たちの親たちは ほとんどが地域猫として暮らしています。
地域猫としてデビューさせるのがTNRという活動です。
ぜんぶがつながっています。

捨て猫を拾ったから譲渡に出す というだけではなくて せっかく産まれてきたいのちを守る 愛される環境に送り出すのも
譲渡会の役割です。

TNRや地域猫については賛否あることも承知しています。
ただ 猫はもともと日本にはいない種でした。愛玩動物 ねずみ駆除などの理由で持ち込み 増やしたのは人間です。
今の時代になってノラ猫が増えたことと 人間側の土地の占有意識が高じたことで 邪魔者 厄介者になってしまいました。
もちろん自分の家の敷地でフンをされるのは 気分が良いわけはありませんよね。
なので 様々な団体や自治体から トラブルにならないように対策を打ち出してもいます。
そもそも 愛玩動物である猫や犬たちを飢えさせることは 虐待にあたると法律でも明確にされています。
地域のなかでトラブルにならないように ゴハンを食べさせる場所を決める 後片付けをきちんとするルールも必要ですし
フン害についてはプランターでできる簡易トイレの作り方や 敷地に猫を寄せない方法もたくさん紹介されています。
相手も生き物なので すべて人間都合というわけにはいきませんが ノラであっても猫たちはトイレを覚えます。
ここですれば片づけられるという場所に 砂や柔らかい土を用意して囲っておけばいいだけの話です。
片付けはボランティアでもできますし。

譲渡会に出られる猫たちはラッキーなんですよ。
保護されるまえにいのちを落す子も多いし 人馴れできずリリースされる子もいます。
そして どの子にもお母さんがいて 産まれてから お母さんやきょうだいと過ごした記憶があります。
捕獲 保護をしていると その物語を垣間見る機会もあるわけです。

リリースされた猫たちも 譲渡会に出られる子たちも 一本の線でつながっています。
地域猫については猫が苦手な人にとっては 難しい問題かもしれません。
なので理解まではいかずとも どこで妥協できるのかで充分かとも思っています。
共生していくために お互いが侵害しあわない方法を模索していくしかないので…。

という また仕事と関係ない話でした。

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