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ハザイタベチャッタクマ

こんにちは。テディベアデザイナーの宮尾です。
5体のテディベアの5体目、ラストワンをご紹介します!

生息場所:FabCafe Kyoto (HP)さん

スギになりたいクマの記事でもご紹介した通り、FabCafe Kyotoさんでは様々な工作機械がレンタルできます。
ハザイタベチャッタクマさんは、Fabcafe を運営されているロフトワークの方々とのお話から得たイメージやアイディアからデザインをしていきました。

「ハザイタベチャッタクマ」

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京都の古い建物にはネズミが住んでいることがよくあります。FabCafe Kyotoさんの建物も例外ではなく、オフィスに置いたままにしていたお菓子が、次の日ネズミに食べられていたことがあったそうです。
もしかしたら夜な夜な建物の中で遊んでいるのはネズミだけじゃなくて、テディベアもウロウロしてたら面白いよね、あ、テディベアだったら端材食べたりするのかな!?
なんていう会話がおもしろ楽しく、「ハザイタベチャッタクマ」というタイトルだけが先に決まり、後に”Fabツール全部使ってクマ作ったら?”という一言をきっかけに、Fabツール(工作機械)らへんに住み着く端材も食べちゃうネズミっぽいテディベアの図が出来上がっていきました。

制作について

どのツールをどのように活かすか。なるべく機械でやる事の意味があるデザインにしようと考えました。
それぞれのツールと活用方法についてご説明します。

UVプリンタ/プラスチックアイに文字印刷

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UVプリンタの活かし方には悩みました。
印刷できそうなパーツといえば足裏か目しか思い浮かばず、足裏はレーザーで作りたかったため目で使うことにしました。

初めのアイディアとしては、
・アイに色付け→手の方が速い
・ガラスカボションの底面に印刷→紙に普通印刷でも可能
といった、きれいな目を作ろうとしていたのですが、これではUVプリンタを使わなくてもできてしまいます。
UVプリンタでないと難しいこと→”球体部分にテキストの印刷をする”ことを思い付いて試したら、直径6㎜のプラスチックアイに見事きれいに印刷をすることができました!

キャプチャ

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レーザーカッター/肉球彫刻・生地カット

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足裏の生地にはウルトラスエードを使用しています。
0.5㎜という薄い生地なので、レーザー彫刻をするとさらに薄くなって強度が落ちてしまうのが難点ですが、今回は見た目重視で肉球の周りを彫刻し、肉球が元の生地の色になります。
彫刻する面を逆にすれば強度の問題は解決しますが、肉球部分が凹んでしまうため、悩みどころだなと思います。
今回は足裏に磁石を仕込むことが前提だったので限界まで薄い生地を選択しました。

ポリエステルフェルト生地でも試しましたが、彫刻で焦げた部分がボロボロと落ちてきてしまって失敗でした。(ウールフェルトはさらにボロボロになって大失敗でした)
フェルト生地はレーザーカットのみであればとてもきれいに仕上がります。

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刺繍ミシン/ツメ

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縫い合わせる前に刺繍を施しています。機械での刺繡は固くなってふくらみがないことがデメリットとして挙げられることがありますが、爪に関しては硬さがある方がいい感じに仕上がりました。

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3Dプリンタ/ヘルメット(3Dスキャン)・磁石ホルダー

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スギになりたいクマがほぼ同じ型紙なので、まず先に完成していたクマを3Dスキャンし、そのデータからヘルメットをモデリングしてもらっています。
ハンディタイプの3Dスキャン、とても難しかったです。。。

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足裏の磁石については「スギになりたいクマ」の方で説明していますので、良ければそちらもお読みください。




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