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The Craftsman

こんにちは。テディベアデザイナーの宮尾です。
4月になり、COUNTER POINTの期間も残すところあと1か月となりました。
インスタグラムでは少し前からメンションしていたんですが、5体のテディベアの内の1体が完成しました!


生息場所:Coffee Shop Windy(HP)さん


自家焙煎珈琲しかおいていない店に集まるのはもちろん珈琲好きさん達。
ここのメニューはマスターのこだわりと遊び心が詰まっています。
いつも美味しい珈琲が飲めて、マスターと話したり、いつもの常連さんがいたり、まったりしたり。マスター曰く、喫茶店は人が集まってなんぼ、使ってもらってなんぼ。お店の半分のスペースをワークショップ等で使ってもらう事もあるそうです。
おしゃべりの中で近所のオススメのお店を教えてもらったり、私のテディベアを他の常連さんに紹介してくださっていたり、地域の繋がりも大切にされています。最近通い始めた私が知る限りの常連さんは、長年近所でお店をされている方々や、草履職人さん、クリエイティブな場所を作ろうとしている人などなど。明日から激務なので今のうちにゆっくりしておくんです、と話しながら2杯目を注文されていた職人さん、無事に乗り越えられたんでしょうか。。。
私もご近所なので仕事の休憩中や散歩中に気が向いたらふらっと行っています。(なぜなら人生初のコーヒーチケットを買ったので財布持ってなくてもいけるんです!)

そんな風にWindyさんに通っているうちに、ここは特別というより”日常”の中にある珈琲店なんだなぁと感じました。

タイトルは「The Craftsman」

そこに居るテディベアはきっと、この店に溢れる珈琲の香りと空気感が好きで、もう長いこと常連やってそう。
49年続いているお店なので、その頃からここに居るように感じてもらいたい。
珈琲も好きすぎてたぶん体が珈琲でできてる。
ここの常連さんたちのようにクラフトマン魂が宿っていて、他にはない珈琲へのこだわりや、薄れてしまっている文化が残っているところが気に入っている。

制作工程

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まず、型のデザインはWindyが始まった頃の1970年代のテディベアを意識して作りました。頭が少し大きくて、手足が短い。可愛くなりすぎないようにしています。
腕の型紙にも工夫をしており、右腕だけ脇から少し角度が上がるようにし、カップを持つシルエットや、カウンターに肘をかけているような姿に見えるようにしました。

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そして本体生地は、白いモヘアを、珈琲を焙煎する際に取り除かれる状態が良くない豆(焙煎後)で染めました。

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この豆は、今までお向かいの酒屋さんの猫除け用にするしかなかったらしく、捨てるのも勿体ないからと冷凍されていたものを快く分けてもらいました。
鼻も廃棄豆を貼り付けて刺繍糸で固定しています。焙煎後の珈琲豆のテクスチャが本物の皮に似ていると思ったら、付けずにはいられませんでした。
また、胴体の中にも廃棄豆を入れています。生豆の廃棄豆もいただいたので、自分で炒って水分を飛ばしてからペレットの代わりにしました。

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そして、まさかの鼻も、廃棄豆を使用しています。
焙煎された豆の表面テクスチャが意外とレザーに似ているな、と思ったことからアイデアが浮かびました。

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このように、クラシックな風合いを守りつつ他にはない工夫を凝らした、クラフトマン魂が宿る一体です。

動画もぜひ見てみてください!
https://youtu.be/OsCJ7s4Evi4

余談

今回これを書いていて思ったんですが、その場所に生息する、というのは当然その環境が自分に合っていて、好んでその場所にいる、適しているということなんですよね。そしてそこに関わる人々も同じ。
生息していそうなテディベアを作るということは、そこに関わる人たちの「ここが好き」を聞いて、それを形にすること。
そしてその「好き」をたくさん聞いていると私もその場所が好きになるという。清水五条に引っ越してきて約10か月、なんだか最近やっと地域に馴染めてきた気がします。
テーマとなる場所の人々の「好き」が詰まったテディベアが作れるといいなぁ。
余談でした。あと4体、頑張ります!



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