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個人向け小ロット生産をはじめてみて


去年の1月13日に日本に戻り、もう1年も過ぎてしまいました。2月の末には中国に戻る予定でしたが、それから世界はコロナ禍へ・・・発注激減、生産予定の発注も中止、発注があっても無理なコストダウン依頼、このまま既存のアパレルの仕事を受けていて良いのかどうか、工場はやめようか、とも考えました。そんな中、「個人ブランドさん向けのサービスを初めてみたら」とアドバイスを受け、個人でブランド立ち上げたい方のための【10枚から生産します】のお知らせをTwitterで発表しました。正解だったかどうかは、まだ分かりません。しかし、新規でアパレルの取引先を探すよりも、まだ夢があるような気持ちにさせてくれます。毎日Twitterに上げる内容も、今までのクダラナイ内容を極力封印して、愚痴らず、よ〜く考えて、前向きなツイートをするよう心掛けるようになりました。
まだまだ商売にはほど遠く、いばれるような内容じゃありませんが【個人向け小ロット生産】のその後の経過を短めにお話します

やってみて感じた事

①個人でブランド作りたい人は確かに存在した!
Twitterでお知らせをあげて、すぐに何人もの方からリプライやDMをいただき、初日の手応えをかなり感じました。冷やかしっぽい方もいましたが、数名と直接お会いしたり、オンラインでお話もしました。本当の事を言うと、簡単に注文が取れるのではないかと甘い予想もありました。しかし簡単では無いですね〜!そんな中、地道に発信を続けることで、数件オーダーいただき、現在進行中の案件もあります。

②たぶん自社工場がなければ対応できない
最初から自社工場のある事が弊社の強みとは分かっていました。いざはじめてみると、ご依頼いただくアイテムが従来の婦人服アパレルの仕事内容とは異なるものも多いです。今のところスタッフは「服なら縫います!」と心強いことを言ってくれています。個人向けの他サービスもネットでいくつか見かけますが、いろんなアイテムが縫える【10枚から生産します!】は他では無いサービスだと思っています。

③パタンナーがいる強み
弊社のパタンナーの経験は長く、もう30年以上(私が25歳くらいからの同僚)の付き合いで、カットソーから子供服・ウェディング・重衣料・ダウン・ペット服まで、頼めば何でもこなしてくれます。急ぎの仕事も土曜・日曜に稼働して型紙と仕様書を作ってくれます。生産管理も私より正確に細かく、しつこくやってくれて、私の不得意なところを補ってくれています。本当にありがたい、たのもしい存在です。(まだ言葉に出して伝えたことはありません)

やってみて意外だったこと

①アパレルモノづくり初心者への説明は難しい
アパレル知識が少ない人にはじめから説明するのは本当に難しいです。頭の中でどう説明したら理解しやすいかを考えて、理解できそうな言葉に直すのを苦労しています。ですが悪くはない経験です。まだまだ進行中の案件が少しずつですが量産に近づいています。既存のアパレルの方よりかなり勉強熱心な方がいて、何事にも興味があり、彼らとの違いに驚くばかりです。

②契約書の難易度は思ったより低かったですよ!
契約書など交わした事のない自分が、OEM基本契約書を作りました。中小アパレルでは契約書など交わさないのが普通で、発注書すら無い場合も(口約束と電話)あります。後で言った言わないをなくす事、納期遅れ、支払い等の基準を明確にする内容で記載しました。思っていたより問題もなく、今のところの合意はスンナリできています。無理な内容ではなく、一般的にあたり前な内容をお願いしているので、納得といえば納得です。

③アパレル、工場様からのご依頼も
ホームページの公開後に法人様からのご依頼もあり、これから進行する予定です。もともとこちらの方が本業ですから、条件さえ合えばどんどん仕事としてお受けできればよいと考えています。コンサルっぽいご相談もありますが、できるだけ私の知識で分かる範囲でお答えしています。法人様と個人様と、バランスよく縫い場に投入していき、BESTな感じを目指したいです。

まとめ

やってみて感じたこと、意外だったことを書いてみました。正直、市販のボディを購入してプリント・刺繍等でブランドを作ろうと思っている方や単純に安いモノを小ロットで作りたい方に弊社は向いてないと思います。お客様が思い描く製品を一緒に考え、コミュニケーションし、量産製品までカタチにしていくサービスです。まったくの初心者でも、ご自身で企画し、オリジナルの服を発表したい方にお役にたてる自信はあります。小ロットで作る場合の制約・限界はありますが、できるかぎり希望に近づけたモノづくりを提案できると思っています。
それから、個人の方に弊社のサービスに興味をもっていただくためにはどうしたら良いのか、どうすれば問い合わせまでのハードルを下られるかと考えた発信が重要だと思っています。とにかくTwitterのDMからでもホームページの問い合わせからでも、相談に来ていただけると弊社の良さがお分かりいただけるはずです。
まだお知らせを発表して5ヶ月ちょっと、数字も金額も結果もマンダ、マンダ自慢できるものではありません。これから弊社が新しくできる事も探していきます。あとは自社ブランド製品の企画・販売も少しずつ増やしていけたらと思ってます。

最後に、Twitterで知り合った方々には魅力的な人、頑張っている方が何人もいます。そんな人達の影響を受けながら、中国生産以外でも何かできないかと模索中です。星の数ほどある中国素材にも魅力はありますが、小ロット生産の精度を上げていくために日本・日系会社さんとのつながりも増やしていきたいですね。

成功していく新ブランドを早くこの目で見届けたいです!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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