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#FireGregRoman

 こんにちは、FireGregRoman教のものです。今週の布教の時間がやってまいりました。前節のMIA戦での敗因はDB陣のコミュニケーションミスであることは方々でさんざっぱら言われてますが、一方でDのビッグプレーを得点に変えられなかったり、追い上げられてる展開の中突き放すことのできなかったオフェンスにも責任はあります。今回の記事では具体的に彼のオフェンスのどこが悪かったのか見ていこうと思います。

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上様もお怒りのご様子

パーソネルとプレイコール

 今回の試合のパーソネル使用頻度は以下の通り。Ricardはセット位置に関わらずFB換算、LikelyはTE換算としました。時間の関係で体型までまとめきれてませんが、22pや21pなどRicardを入れたパーソネルではほとんどがBox内に人を集めたランヘビーな体型、RBが1枚のみの場合は左右に広げたスプレッド体型となっており、これはプレー傾向にも如実に現れました。

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使用パーソネル頻度

全体でのランパス比は43% : 57%。パスオフェンス全盛期は過ぎたとはいえ、今でもパス優勢なNFLで雨降ってたわけでもないのにこの数字は度し難い。ランに関して見ていくとRicardの入ってる22p, 21pだけで8割を占めており、後述しますがMIAがRicardがフィールドにいるかいないかでDのパーソネルを変えて対応していたのも納得の数字です。

ランとパスでの各パーソネルの使用頻度

RunのコールはPowerやBlast、Sweepなどのギャップスキームのランがほとんどで、ゾーンスキームのランやオプションは4回ずつとかなり少なめ。パスも7回ほどPlay action passを入れてましたが、RollやBootlegなどの左右に動きながらのコールは見られず、基本的にまっすぐドロップバックしてのパスのみでした。

敗因

その1:MIAの徹底した対Lamar, Romanシフト

 昨年度同様今年もMIAはしっかりとRomanオフェンスに対して準備してきました。特徴としてはRicardがフィールドにいる22p, 21pのときは、ゴールライン、ショートヤードを除きほとんどの場合で4DBのベースパッケージから1high lookの5-3ディフェンスを敷いてきました。DLはBearなどのTite frontでセットさせ、中のギャップをDL3枚で潰し外に流れてきたところをEDGE、ILB、降りてきてるSSに詰めさせるといった守り方で、カバーはCover1 M/MとCover3が9割以上、前回コテンパンにやられたCover0はアクセント程度にしか使ってきませんでした。実際、Ricardがフィールドに入ってる22p, 21p時の6割がランプレーだったためこの作戦は大当たりし、うちのRB陣の平均ラッシングヤードを2.25ydとほぼ完ぺきに封じ込みました。
 Ricardが出ていない11pや12pではNickelやDimeなどの軽めのパッケージからCover2やCover4を使用することが多かったです。面白いのはこの場合だとEDGEのイングラムをStud的に使用し、フリーでラッシュさせてた場面が散見されました。正直こちらに対してはBAL Oの方が一枚上手で、特に2high lookからCover2やCover4を多用してきた4シリーズ目は、今試合ほぼ唯一きちんとドライブして得点できたシリーズでもあり、RunとPassをテンポよく繋げて進めていく様はLamarのQBとしての成長を感じました。またCover0に対してもきちんと対策できており、対Cover0だと平均10ydのゲインと前節の反省が活かせていたのも素晴らしい点でした。

上が22p、下が12p

その2:体型から読みやすい単調なコール

 問題はここから。呆れるほどのラン偏重っぷりに関してはこの際もう仕方内にしても、プレー選択は正直ランゲームの鬼才と呼ばれたRomanにしては驚くほど単調なものでした。特に1シリーズ目は酷く、Goal line手前1ydまで攻め込んだにも関わらず4度とも失敗し、Dのインターセプトを活かせず無得点で終わってしまいました。今回の一番の疑問点がカウンタープレーの少なさ。Runが出なかった要因の一つにMIAの52番と45番のILBコンビの出足の速さがあります。Runだと分かった瞬間に素早く自分の担当ギャップに上がりブロッカーがLOSを超える前に潰し、RBのレーンをしっかりと詰めていました。これに対し普通はカウンタープレーやRPOなどで少しでも出足を遅らせて対応を鈍らせようとするはずですが、今回の試合ではカウンターランに関しては0回、RPOにしてもほぼ決め投げのプレーを1回のみと全く対応せず。シーズン序盤で手札を隠すのはわかりますが、隠したまま勝てる試合を取りこぼしては話になりません。
 またBatemanやLamarの一発を除けば、きちんと攻撃を繋げてTDまで持って行けたのは3シリーズ目と4シリーズ目だけで、特に後半追い上げられる展開の中でDown2回、Punt1回、FG1本のみで終えてしまったのはゲームプランの準備不足と試合中の相手Dへの対応力不足のように思えます。

その3:OLとバックの練度不足

 この点に関してはコーチズフィルムを見るまでもなく観戦時から明らかでした。ダブルチームで押せていなかったり、コンボブロックの抜けるタイミングが早いなどでレーンを作り切れていない場面が多数見られました。相手DLとの1on1で負けるなどは力量差などから仕方ない部分もありますが、ダブルチームで押し込めないのはユニットとしての練度不足感が否めません。確かにMIAのフロントは強力でしたが、2対1でもどうにもできないようなバケモノ級ではないのでこの先POで勝ち上がっていくためにはこのレベルのDL相手にはもっと押せていないといけません。前から一部で言われていたOLコーチがあまりよくないという話も原因の一つではないかと思えます。
 また、バックとの連携もあまり上手くいっておらず、たまに開けたレーンもRBが見えておらず見当違いのところで捕まることも何度かありました。特にKenyon Drakeとの連携は上手くいっておらず、RBの中で一番キャリー数が多かったにも関わらず平均1.3ydとひどい数字。リードブロッカーとなることの多かったRicardも「走る穴はそっちじゃねえ!」と何度か怒っており、修正が急務です。幸いDobbinsが来週か再来週には復帰できそうなのでバックとの連携は改善される可能性が高いですが、このままだとDrakeはシーズン中でのカットもやむなしかと。

こちらの動画でOLのブロックについて具体的な説明がされてるので興味ある方は是非に。

まとめ

 敗因をざっくりまとめると①コーチの現場での対応力不足, ②OLとバックの練度不足, ③
個人的には今回のMIA戦の敗因はDCが4.5割、OCが3.5割、Playerが2割だと考えています。ただ、Dに関してはDCがデビュー2戦目であったり、Hamilton, Armour-Davis, Pepe Williamsとルーキー3人が半分以上のスナップカウントで出場していたりと仕方のない部分も幾つかあります。一方で、Oは今年の新加入はRBのDrakeとDavisの2枚, RT Moses, WR Robinsonと全員ベテランの選手たちばかり。ある程度の練度不足は仕方ない部分もありますが、そこは経験値を活かして対応してほしかった。そして何より問題なのはフィールドで相手Dに対応しきれず、調子のよかったLamarやWR陣たちを活かせるコールを組み立てられなかったオフェンスのコーチ陣。シーズン序盤で使える手札を制限していたということもありますが、もともとは勝てていた試合。Lamarとの契約問題もあり、来年以降の状況が非常に不透明な中、今年は最後のSBを目指せるシーズン。コーチ陣にはきちんと勝ち切れるようなゲームマネジメントをお願いしたいところです。

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