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2021Defenseの振り返りと展望

 こんにちは。未練杯までにプロスペクト紹介まで終わらせようと思ってたのに間に合う気配が見えません。計画性の無さに定評のある男ひげごりらです。前回に引き続き昨シーズンの振り返りと展望です。今回はDefense。

オフェンスよりも怪我の影響が大きかった昨シーズンのディフェンス。黎明期より鉄壁の守備を組織の是として標榜してきたRavensとしては非常に苦しいシーズンとなってしまいました。シーズン直前の練習で先発CBのPetersがACL断裂、Week 8のMIN戦でSSのJokerが上腕二頭筋と大胸筋の断裂、Week 13でもうひとりの先発CBだったHumphleyが大胸筋断裂で離脱したため、パス守備が完全に崩壊し、結果パス喪失ydは最下位。その他のパスディフェンスのスタッツも軒並み最下位クラスと、パスディフェンスは完全に沈黙しました。一方でランディフェンスは好成績を出しており、この辺りに昨シーズンDCだったマーティンデールのスキームの歪さが出ているのかなと思います。彼のスキームはDBの才能を前提としたうえでのかなり複雑なものだったので、先発が離脱すると途端に成り立たなくなってしまい、結果オフシーズンでの解雇に繋がったのだと考えます。

 以上を踏まえたうえで、現時点でのロスター予想と各ポジションの評価に移ります。
OUT:DL (Brandon Williams, Justin Ellis), EDGE (Pernell McPhee, Justin Houston), LB (L.J Fort, Chris Board), CB (Tavon Young, Jimmy Smith, Anthony Averett, Chris Westrey), S (Deshon Elliot, Anthony Levine), DC (Don Wink Martindale)

IN:DL (Michael Pierce), S (Marcus Williams), DC (Mike Macdonald)

ロスター予想

*印は昨シーズンの怪我人

DL:堅調なランディフェンスを維持できた立役者たちだが、このポジションも怪我に苦しめられました。Derek Wolfeはシーズン前の背中の怪我で全休、主力のCampbellやB Will、Madbuikeなどのローテーションメンバーも2試合以上欠場した選手が殆どな中、何とかやり繰りしての成績でした。またインサイドからのパスラッシュも迫力不足で、ユニット全体で4.5 sackと心許ない数字。Campbellとの再契約、Pierceの呼び戻しで戦力はある程度維持できたものの、Pierceは昨シーズン半分程度しか出場できておらず怪我の懸念は払拭しきれません。またCampbellは今年36歳、そろそろリングを取らせてあげたいのでMadbuikeやWashingtonの覚醒に期待したいです。Draftでは2日目に取る可能性が高いと思います。

EDGE:スキームの影響もありますが、ユニットで17.5 sackは寂しすぎる数字。Bowserはキャリアハイの7 sackと2 FF、Owehも5 sack, 3 FFと片鱗を感じさせる内容でしたが、 Blitz頼みのパスラッシュに限界を感じさせたシーズンでもありました。このユニットも怪我の影響が大きく、ルーキーのHayesは足首の怪我でほぼ出場できず、OwehはWeek 12のつま先の怪我とシーズン後の肩の手術、BowserもWeek 17でのアキレス腱断裂と、昨シーズンだけでなく今シーズンにまで影響が出そうな怪我内容となってます。2019年の3巡で取ったFergusonは残念ながら芽が出そうもなく、ILBのMalik Harrisonのコンバートも視野に入れているとか。パス守備改善のために今ドラフトでのトップニーズの一つで、ドラフト後のベテランFAの補強もあり得るポジションとなっています。

ILB:L.J FortがプレシーズンでACLを断裂したため、シーズン序盤はHrrisonとPQの若手コンビを出す羽目になってしまいました。Bynesの途中加入とPQをWillにすることで何とか安定したものの、不安なユニットであることに変わりはありません。PQはセンスを感じさせるプレーはあるものの、カバーやプレーリードでまだ覚束ない所が多く、BALの1巡LBとしての期待に応えられているとは言えません。(あとタックル外し過ぎ。一生タックル練やってろ。)Edgeの項でも述べたようにHarrisonはOLBへのコンバートが検討されており、Bynesがこの先長くないことも考えると、ドラフト2日目までに補強しておきたいポジションの一つです。元SEAのBobby Wagnerにアプローチしていたことからも分かるように、欲しいのはPQの横に置いておけるカバーのできるMikeですが、果たして発掘できるのかどうか。2日目以降で当てたいポジションです。

CB:EDGEと並んで今ドラフト1巡指名の大本命ポジション。既に何度も書いてますが昨シーズンは先発2人を欠き、控えも怪我で上手く回らなかったという穴だらけのポジション。しかもオフシーズンで放出したFAが、軒並み他チームに拾われて契約出来なかったのがとても痛い。HumphreyとPetersが復帰できれば先発は安心できますが、PetersはACL断裂後の29歳ということで、どこまで実力を取り戻せるか不透明となっています。何よりも2人以外のデプスがペラッペラで、正直殆ど名前も知らないようなPSレベルの選手ばかりなのが非常にマズい。おそらくDime Packageを使うときは、CBの控えたちよりも先にSの控えのJeffersonやStephensが先に呼ばれるレベルの人材しかいないのが現状。以上を踏まえると2日目までに1人、3日目とUDFAで1〜2人以上拾って来るものと思われます。

S:スペシャルチームのリーダー格として長年チームを引っ張ってきた、我らがFlockの愛すべきCo CapことAnthony Levine Sr.の引退、あのDerrick Henryですら一発で仕留める程のハードタックルとJokerの渾名で親しまれたDeshon Elliotとの別れと、内容以上に心に来る動きの多かったこのポジション。しかし、オフにMarcus Williamsと5年70Mの大型契約を結べたことで、ディフェンスの中で唯一先発、デプス共に安定したユニットとなりました。広い範囲をカバーできて、TOを奪えるFSタイプのWilliamsを引っ張って来れたのはニーズどんぴしゃのナイスムーブ。まだ25歳と若いのもポイントが高く、昨シーズンINT数9と低迷したパス守備の改善が待ち遠しい。ただ、デプスが安定してるとはいえCBの課題を考えると、4巡でNB/SタイプのDBは取る可能性も考えられます。

DC:18年から4年間DCを務めてきたMatindaleを解雇。昨シーズンを除けば毎年TOP10に入る内容のDを築き上げた功労者で、複雑なBlitzとカバーを多用する攻撃的な守備が持ち味のコーディネーターでした。反面、その複雑なスキームはDBの能力に大きく依存しており(過去にカバーが理解できずチームメイトと喧嘩した挙句練習動画を流出させて解雇された元All Pro Sがいたほど)、昨年の怪我人地獄で脆さを露呈させてしまいました。
 後任は昨シーズン、ミシガン大学でDCを務めたMike Macdonaldが就任。2014年にインターンでRavensに参加して以降、高い分析力を買われて20年までポジションコーチを務めてた人。21年には33歳でハーボーの弟がHCを務めるミシガン大のDCに抜擢され、長らく低迷していたミシガンDを全国有数のDに改善した手腕の持ち主。実は2018年のMartindale就任時にもDC候補としてチームと面談してたりもする。Macdonaldの方針はシンプルで選手がプレーしやすいディフェンスを目指すとのことで、シンプルなスキームで相手とのミスマッチを作る近年のトレンドに近い形のディフェンスになることが予想されます。懸念点は若さから来る経験不足と、NFLレベルに対応できるのかという点。昨年のミシガンには1巡1位指名候補のHutchinsonやアキレス腱を切るまでは1巡上位候補だったOjabo、1巡下位~2巡上位候補のDaxton Hillとタレントが揃っており、大学よりも数段レベルの高いNFLにどう対応するのかが焦点となっています。

まとめ
Ravensは今年のシーズンに入ってからVengeanceという単語を何度か使っています。

SNSの投稿や、Harbaughを筆頭にDeCostaなどのフロント陣のくちぶりからも、怪我による不甲斐ない結果に終わった昨シーズンからの復帰にかける熱量がひしひしと感じられます。19年シーズンのLamarブーム以降、近年はオフェンスの方が目立つRavensですが、やはり我々の真骨頂は相手を封じ込める鉄壁のディフェンス。昨シーズンの無念さをプレーに乗せ、大いなる復讐心と激しい怒りをもって相手を打ち倒して欲しいところであります。

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