未練杯GM後記

 こんにちは。2022未練杯のRavens GM役のひげごりらです。今回の未練杯でやりたかったのは以下の三つ。
①:Bobby Hartを何とかしてCINに売りつける
②:今年のドラフトでRavensがどう動けるのかロールプレイング
③:未練杯らしいトンチキトレード
結果として3つ全てをやり遂げることのできた未練杯、ハート様の帰還や14位での指名に至るまでの経緯とともに振り返っていきたいと思います。

その1:未練杯トンチキトレード

 私がGMに決まった時期が早めであったこともあり、就任後暫くは他チームのGMに誰が就任するのか眺める日々が続きました。ある程度ドラフト上位指名チームのGMが決まったタイミングで③を実行すべく複数チームへトレードを打診。内容は
「お宅の1巡3個+αとうちのLamar交換しません?」
といったもの。しかし、スキームに合わない、キャップに余裕がない、対価が高いなどの理由からいい返事が貰えず、最終的にはDET、HOU、NYG、CARに打診するも全滅。日本のNFLファンのアンチLamarの根深さを思い知りました。

一体誰の所為なんでしょうか

その2:The Lord of the Bengals: The Return of the Hart

 仕方が無いので目標を①と②に絞り、Ravensの情報を整理しつつBUFの就任を待つこと数日。開催二日前にようやくBUFのGMが決まったとの報を見て早速ハート様のトレードを打診したところ、私が一番連絡が早かったようで見事ハート様のトレード権を獲得。最終的にCINも巻き込み、
BUF:Bobby Hart ⇆ BAL:2022 6巡
BAL:Bobby Hart, 2024 5巡 ⇆ CIN:2022 7巡
という三角トレードを成功させることができました。もはやこの時点で私の未練杯の目的は7割方達成されたようなもの。また、このトレードは関わった三GMでタイミングを合わせて発表し、放送内でメッセージ付きでトレードを読み上げてくれたことにより、このトレードが一番届いて欲しかった御仁よりこんな嬉しい悲鳴を聞くことが出来ました。

愛されてますね

何がしたかったんだと言われてもハート様をCincinnatiに帰してあげたかっただけとしか言いようがありません。
 因みにBUF GMに就任されていたまーほんさんも

と言っていたので、おそらく私が動かなくともポポロさん辺りが動いてどちらにしろCINに帰っていたはず。
 残念なことにトレードの数時間後にはCINから離れて他所の地へと旅立ってしまいましたが、CINの不死鳥であるハート様はまたいつか帰ってきて、バロー君と一緒に頼れるブラインドサイドタックルとしてロンバルディトロフィーを獲得してくれると信じています。Go Bengals!

その3:未練杯当日の動き

 時間を少し遡りまして、未練杯の二日ほど前から水面下でのトレード交渉が活発になってきました。うちが受け取ったトレードは
・NE:Judon ⇆ 1巡+α
・CIN:4巡 ⇆ Peters
・PHI:1巡18, 3巡83, 101 ⇆ 1巡14
・JAX:1巡1, James Robinson ⇆ Justin Tucker, Deshon Elliot
の4つ。まず、Judonとのトレードは今年彼の補填ピックを貰うのに、1巡放出して再獲得はファン心理的にあり得ないので丁重にお断りさせて頂きました。CINとのPetersのトレードは、ただでさえCBのデプスがペラッペラな上に憎きチンチーに利してなるものかということもあり、交換するなら2巡+うちの4巡とCINの3巡のスワップと吹っ掛けてみたところ、流石にそこまでは払えなかったようで先方から辞退されました。3つ目のPHIとのトレードは一番現実的かつ1巡14までの使命選手によってはかなり有利に働きそうだったので、内容は固めつつ当日の指名を見ながら最終決定をすることに。4つ目のトレードが一番難しい判断となりました。Deshon ElliotがFAでいなくなったことを伝え、最終的には
JAX:1巡1, 3巡 70, QB; Trevor Lawrence
⇆  BAL:1巡14, 4巡 110, QB; Lamar Jackson, K; Justin Tucker, ILB; Malik Harrison
といった内容に着地しましたが、LamarはともかくTucker神をトレードに出してしまうと向こう10年Ravensファンから袋叩きに合うかもと日和ったため、結局このトレードは流れてしまうことに。今思えば未練杯一のトンチキトレードになり得る可能性を秘めていたので受けておけばよかったと思う。この世界線だったら1位でハッチンソン指名した後に、トレードやり繰りしてKCかDETの1巡最下位指名を獲得しP; Matt Araizaを指名してた。
 またこちらからは、
BAL:1巡14, 4巡139, WR; James Proche or S; Geno Stone ⇄ WAS:1巡11位
BAL:1巡14, 4巡110, 139 ⇄ CAR:1巡6, 5巡149
BAL:1巡14, 3巡100, 4巡 119 ⇄ NYJ:1巡 10
のトレードアップを提示したのですが、残念ながら合意に至りませんでした。

その4:指名選手

 当日の指名結果はこちらから。当日はウォールームにて他のRavensファンの方とうちの指名巡まで今年のドラフト候補について楽しく談笑しながら待っていました。幸いなことに、1巡10位までは順位はともかく、指名された選手は消えることを想定していた選手ばかりだったので比較的余裕を持って迎えられました。上位で程よくQBとWRが指名され、穏やかな心持でうちの指名権を待っていたところ、突如として直前で1巡13にPITがトレードアップしてきたとの大変Fuckな報が舞い込んできました。BALウォールームが阿鼻叫喚の地獄絵図になっていたところ、PITが指名したのはUGAのGodzillaことJordan Davis君。奇跡的にうちの最重要ニーズだったEDGEとCBの指名を回避でき、一同心を撫で下ろしてました。ただしPITがJordan Davisを取ったのは全くもって許せるものではありません。成功させる未来しか見えないので、UGA選手らしく問題行動起こしまくって盛大なバストになって欲しい。(尚、PITのGMを務められていたやがさんからは、未練杯後のスペースで「完璧なブロックとまではいかなかったもののBALファンの悲鳴を聞けただけでも大満足」との評を頂きました。許せぬ)
 1巡14位の指名巡を迎えた時点で、自分のビッグボードに残っていた主な上位選手はEDGE:Jermain Johnson Ⅱ, George Karlaftis, CB:Trent McDuffie, Andrew Booth Jr.の4人。結果的にはトレードアップせずとも自分の指名したかった選手が軒並み残っているという素晴らしい状況での選択となったためPHIとのトレードダウンも考えましたが、MockでもEDGEやCBの指名が散見され、うちとニーズがもろ被りするMINが直前のトレードで16位にいたためダウンせずに指名することを決めました。自分の中の優先順位として、ACLを損傷したPetersよりもアキレス腱を断裂したBowserの方が復帰後のパフォーマンスが落ちる可能性が高いため、Jermain Johnsonが残っている時点でEDGEの方がバリューが高いと判断し、今回の指名に至りました。

おわりに

 まずはこの場を借りて未練杯運営の皆様にお礼を申し上げたいと思います。遠い海の向こうのスポーツのドラフトというマイナーイベントを題材に、日本のファンを集めて模擬ドラフトを行うなどという酔狂を煮詰めたようなイベントでありながら、ここまで盛り上がれたのは運営の皆様に寄るところが大きく、一参加者としてとても楽しませていただきました。
 今回BALのGMとして、未練杯ならではのトンチキトレードを成功させたり、自分が一番欲しかった選手を指名出来たりと、とても楽しい期間を過ごすことができました。幸いなことにここ数年RavensのGMは毎年違う人が務めているので、もしこの記事を見てくださっているRavensファンの方がいらっしゃいましたら、是非来年の未練杯GMに立候補してみてください。とても楽しい経験になると思います。



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