赤いきつねと緑のたぬきとアナログ記録とデジタル保存(エロネタ濃いめ)1

※おことわり

これからアップされるのはかつて私がFacebookにアップした文章を若干加筆修正したものです
Facebookで一度お読みになった方はまたあのだら長のシモネタ多めの文章を読まされることになりますのでスルー推奨です

初出 2020年12月27日 Facebook

※では本文です※

SpotifyやApple Musicなどのサブスク音楽サービスで、電気グルーヴの楽曲の再配信がぼちぼち始まったようだ。
電気グルーヴのメンバーのピエール瀧氏がおクスリの用法容量を守らず正しく使わなかった関係で当局に めっ と言われ、逮捕されたのは昨年(2019年)3月12日だった。なので約21ヶ月ぶりの配信再開だ。

瀧氏が逮捕されたのはまぁ仕方のないことであるのだろうが、その当時のネットの反応は様々なものだった。

多くは、「罪は罪として正しく償う必要はあると思うがそれと楽曲の配信停止はちょっと関係なくないか?」といった感じの論調であった記憶がある。しかも、瀧氏が出演していた麻雀の映画はそのまま公開されたので、映画は良くて音楽がダメなのはどうして?という意見が数多くSNSに書いてあった記憶がある。

ところが。

一部、私の周辺の面々では、「自分たちは配信元の都合で購入した動画を見られなくなった苦い過去を持っているので、基本的にサブスクは信用していない。本当にちゃんとファンできちんと持っておきたいんだったらどうして円盤を買っていないのだ」という意見がそこそこ多数あったりもしたのだ。

円盤、とは、カンのいい方はおわかりだと思うが、CDだったりDVDだったりBlu-rayだったりの、物理的な丸いディスクの記録手段のことを言う。音楽の場合はほとんどがCDと考えていいだろう。サブスク音楽サービスで配信が停止されたとしても、手元にCDがあればいつでも自由に聞くことが可能である。

さて、その、一部の私の周辺の面々というのがどういう人なのか気になると思う。

ま、はっきり申し上げて、いわゆるエロ業界の方々である。その中でも、老舗メーカーのアテナ映像のオンライン動画を購入して痛い目にあってしまった私と私の周辺の面々だ。

これはネットニュースにもなっていないし、かなり丹念に探してみたが5ちゃんねるなどやしたらば掲示板にも書き込みがないようなので詳しい経緯をご存知の方はほとんど皆無だと思われる。なので、少し丁寧に説明する。

アテナ映像がどういうメーカーなのかは、語りだすと年内には終わらないので割愛するが、まだレンタルビデオ店にVHSとβ(ベータ)が並んでレンタルされていた昭和の終焉の頃から大人気の、令和の今でも現役の超老舗アダルト動画メーカーである。

そのアテナ映像の公式ウェブサイトでは、VHS時代のアダルト動画の視聴権を1本税別980円で買うことができ、ダウンロードしていつでも鑑賞することができた。

ダウンロードした動画ファイルは、WindowsMediaPlayer形式のものであった。これをWindowsMediaPlayerで再生しようとすると、Player側からアテナ映像のログインIDとパスワードの入力を求められ、認証が通ると正式な購入者だと確認でき、再生が始まる、という寸法だった。いわゆる「DRM認証」と言うやつだ。この認証データは手元のコンピュータに残り、次回以降は認証しなくても見られるようになる。

ところが、である。

Windowsの製造元であるMicrosoftが、WindowsMediaPlayerでの認証サービスの提供を終了すると言い出したのだ。

それに伴って、アテナ映像は、2015年7月1日以降、全ての動画をストリーミング配信に変更し、それ以前に購入された動画の再生は今認証が完了しているコンピュータではできますが、これ以降コンピュータを買い替えたらできません、ストリーミングに振り替えることも行いません、と言い出したのだ。

そう、Microsoftの勝手な都合で、自分で金を出して権利を手に入れたはずの動画の鑑賞が、この日以来できなくなってしまったのだ。アテナ映像のマイページの購入履歴には「再生期限:無期限」と表記されているにも関わらず、である。

アテナ映像のVHS時代の作品、特に代々木忠監督の作品には傑作が多く、過去2回に渡ってDVD全集のような形で円盤として発売されている。私はかろうじてその2回分のボックスを持っているので全く見られなくなる、という事態は避けられたのだが、それらをダウンロードで購入した面々は憤慨していた。
結局どうしても見返したい作品はストリーミング配信版を再購入する、という手立てしか取ることができなくなり、手元にいつでも再生できる環境を持っておくということの大切さを身を持って体験したのだった。

サブスクが当たり前の今、自分の見たい聞きたいものが会社や社会の都合という自分の手の届かない所で見聞きできなくなるという事態を、電気グルーヴの一連の出来事で初めて体験した諸氏は、果たしてどういう感想を持ったのだろうか?

さて

今回のこのシリーズでは、これからますます進んでいくであろうデジタル時代に相応しい「記録」とは何か、「記憶」とは何か、それはどうあるべきなのか、に関して考えていこうと思う。特に最近、様々なデジタル関係の運用の転換が起きつつある。サブスクも当たり前になってきた。比較的新しいデジタル分野であってももう「懐かしの」がついてもおかしくない、という話を既に15年前に私はmixiに書いている。そういう大きな流れの中で一旦立ち止まって前後を長めに見通してみる試みは決して無駄ではあるまい。

ところで今回のタイトルは、本来は「アナログ記録とデジタル保存」だけのはずだった。

ところが、Twitterの「ファミ通町内会Bot(今でも発売されている雑誌「週刊ファミ通」の長寿読者投稿企画「ファミ通町内会」の珠玉のネタを定期的にランダムでつぶやくボットが実在する)」でついさっき流れてきた

『赤いきつねと緑のたぬきとかわいそうなゾウ』

というネタにすっかりやられて大爆笑してしまったので思わず追加してしまった次第である。
なので、赤いきつねと緑のたぬきにはあまり意味はないので笑い飛ばしていただければと思う。

第2回は、そのTwitterの話から始まる。

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