赤いきつねと緑のたぬきとアナログ記録とデジタル保存(エロをフックにはするけれどエロネタかと言われると微妙)13

初出 2021年5月6日 Facebook

スマートフォンが出だした頃はスクリーンショットを撮影するのにはそれなりに複雑な手順があった。

iPhoneは簡単だったとも聞くが、Androidの場合、私のスマートフォンの初代と2代目の機種はそもそもスクショが取れず、3代目の機種は電源ボタンと音量下のボタンを長押ししなければ取れなかった。

4代目以降でようやくシンプルにスクショを保存することができるようになった。スクショを簡単に撮影するためのアプリも各種出てきて、保存は気軽になった。

もちろん動画を保存できるものもある。
Androidの場合、内部音声をそのまま保存する機能はOSが禁止しているため難しい(その動画の音声をスピーカーで出力し、その音声を内蔵マイクで拾うという遠回りなやり方であれば一応は可能である)が、iPhoneの場合は内部音声の録音ができるらしいのでそうだとすれば比較的容易に動画のスクショが取れる。

PCの場合はもっとやりやすい。

画面上の動画を音声も含めて保存するソフトは有料無料問わず無数にある。再生されるすべての音声を拾ってしまうのでトーストやブラウザの通知などは切っておかないと余分なものが混ざるが、基本的には保存はできる。先般例に上げたGoogleChromeのストリームレコーダーにも動画キャプチャ保存の機能があり、かなり質の良いキャプチャが保存できる。

そして、動画のスクショは各方面で「合法だ」と言われている。

合法なのかどうかには少々疑問が残る部分が残ってはいるのだが、しかし「合法」と言われる所以はある。

動画そのものを全く加工せずにそのままダウンロードする行為は、言ってしまえば複製だ。複製は違法とされる場合が多い。

だが、スクショは、再生されているものを別の手段で転写している行為とみなされるようだ。例えばウェブサイトのスクショは「見た目」を「画像」として保存している。HTML構造もCSSもリンクもGIF動画の広告も関係なく、スクショを撮ったその瞬間の見た目をそのまま画像として保存する。

動画の場合も同様だ。動画のスクショは、先程一度出てきたがトーストや他のソフトの通知音なども全部拾ってしまう。また、サーバに負荷がかかりぐるぐるが止まらない状況になったとしても、それを律儀にずっと保存し続ける(ストリームレコーダーはそういう「雑音」はすべて排除した形で保存するのでちょっと微妙といえば微妙だが)。後から手動でその部分だけを切り取り編集すればなんとか一連の動画にはなるが、元の動画と全く同じクオリティが保てるかと言われると、そうではない。

そう、スクショは、かつてのエアチェックだったりVHSのダビングだったりダブルラジカセで複製したカセットテープだったり1枚50円で高いと思いながら複写した試験前の学生のノートのような、アナログコピーなのだ。

(やっと話の核心になったあたりで続く)

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