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宇宙人くるよ〜 #2000字のホラー

これは我が家の話なんですが、子供が2人います。下の子は幼稚園の年中さん。

よく「いう事を聞かないと鬼さんがやってくるよ!」とか言っていう事を聞かせようとするじゃないですか。

それが、我が家の場合は「宇宙人」なんです。21時になってもゲームしてたり、YouTube観てたりすると私が

「もうそろそろ宇宙人さんくるよ。早く寝る準備したら?」

と言うと一目散に寝る準備をし始めます。

ですが、
その効果も薄れてきていう事を聞かなくなり、どうしようか…と思っていました。


「そうだ。宇宙人を呼ぶ真似をしよう」と私は思い付き、21時になってもゲームなどをやめない時に

「そろそろ宇宙人さんくるよ~」と言います。

下の子はお構いなしに無視。


私は「じゃあ奥の手使うか」と心の中で思い、天井に向かって

「宇宙人さん!宇宙人さん!〇〇くんがゲームをやめてくれません!〇〇くんを迎えに来てください!!」と叫びました。

そうすると下の子はハッとした顔をして一目散に寝る準備をするようになりました。

私は
「よし。これでいう事を聞くようになった。ゲームが終わらない時はコレを使おう」
と思っていました。

そして夜、いう事を聞かない時は

「宇宙人さーん!宇宙人さーん!早く来てくださーい!」と、いう事を聞かない時はそれを使うようにしました。

でも慣れてくるものなんです。

それも効果がなくなってきて、宇宙人さんを呼ぶと同時に見えない所で私がフローリングをノックしたり、わざと低い声を出してみたり、手を変え品を変え、いかに早く寝る準備をさせるか考えていました。

そんな事を数か月繰り返し続けているうちに、その夜もゲームをやめないでいたので、いつもと同じように

「宇宙人さーん!!宇宙人さーん!!早く来てくださーい!!」といつものように言っていたんです。その時の時間は21時半くらいでしょうか。
インターホンが




「ピンポーン」



と鳴り、私と妻で

「え?」

と顔を見合わせました。

私は
「もしかして、妻がわざとやったんじゃないか」と思い、妻に顔で

「ママやったの?」

と合図を出します。

そうしたら妻は「やっていない」と。

完全に下の子は恐怖でタオルにくるまっていましたが、現在のインターホンは外映像が見れるじゃないですか。

「こんな時間に誰だよ」

と思いながらインターホンの画面を覗いたら誰もいないんです。

「いたずらか?」

と思いながらもう少し見ていたんですが、
画面がノイズ音というか

「ザッ、ザザッ、ザザッ」

と音が鳴り、

画面が途切れ途切れになったり、

私も少し怖くなったので
画面をオフにしました。

翌日になり
「なんだったんだろうなー」
と思いながら過ごしていました。

小学校から
「不審者情報」などもよくきていたので、
そういう類のものかもしれないから戸締りはしっかりしようと妻とも話し合い、過ごしていました。

それからというもの、
「宇宙人さーん!!」
と叫んでもインターホンが鳴る、
ということはその1回だけです。
いたずらなのか、宇宙人さんなのか、
分からずでしたが…。

私は子供たちをお風呂に入れるのが日課になっているんですが、

下の子は「今日は宇宙人さん来ない?」とよく聞いてきます。

私は適当に
「今日は来ないんじゃない?」とか
「今日はくるかもね」とか
その時によっていう事を変えていました。

毎日来るのもおかしな話ですから、
ホント適当に返答していた感じです。

ある日、下の子とお風呂に入った時に

「宇宙人さんと遊んだよ!」

と言ってきたんです。

私は
「えっ?いつ?」と聞きました。


「昨日の夜遊んだ!」

昨日は私も夜、家にいましたし
「いつ遊んだの?」と聞いたら
「みんな寝てから!楽しかった!」と言われ、こちらとしては混乱しました。

「え?何して遊んだの?」と聞いたら

「お話して遊んだり宇宙人さんのお話聞いたりした!」と。

私はあっけにとられてしまいました。

「どんなお話したの?」と聞いても
「それは覚えてない」とのこと。

子供の言っている事なので、
夢でも見ていたのかな?
とは思うんです。

みんな寝てから遊んだと言われても声が大きかったら私か妻が起きると思いますし、いくらなんでも真に受けないでおこうと思っていました。

それから翌日も

「また宇宙人さんと遊んだ!」

というようになり、こちらとしてもさすがに怖くなってきました。私も子供の話に合わせるしかなかったので

「へーそうなんだ。楽しそうで良かったね」
と言っていました。


その時にふと思い出したんです。


私の家の近くにはお寺があって、
お寺から見て自宅は北側にあります。

幼馴染に霊感が強い奴がいて、

「そのお寺から、北側は霊道だから」


と言われたことがありあました。
それを思い出した瞬間、




ゾワッ!!と背筋が凍る感覚がありました。



そして、インターホンが鳴った時から、下の子が「宇宙人さんと遊んだ」と言っていた期間は、



ちょうど「お盆期間」なんです…



こちらの世界へ
帰ってきた時だったんでしょうか…。




真相はわかりませんが、2000字のホラーという事で綴ってみました。


最後までお読み頂きありがとうございました。

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