『舟を編む』を今更ながら読みました。
まず、舟を編むという想像力をかき立てる名前が秀逸です。
辞書という大きく、広大な言葉の海を渡る舟を編んでいく物語。
言葉を生業とする人々の世界の奥深さもさることながら、個性と愛情溢れる登場人物も魅力的です。
全く色の異なる登場人物たちが、入れ替えわり立ち替わり話の視点が変わるので読み手を飽きさせないです。
『大渡海』という広大な辞書を編纂中の彼らはいつも時間に追われています。
でもこの物語に流れる空気はどこか温かくのんびりしているのです。
時間がないと感じられる時にこそ『舟を編む』を読みたいのです。
こんな自分勝手な文章に共感を持ってくださったら嬉しい限りです。