将来の目標は？

「山内さんてなにか目標あるの？」

よく聞かれる。

けれど私はいつも答えられない。

「目標…無いんですよねー。笑」

今日もいつものようにそう答えた。

でも今日はそれに対する返事がいつもとは違った。

「その原動力ってどこから来てるの？」

行動力があるし、やりたいことはすぐやるたちなので、最近何してたかを話すとパワフルに生きているように見えるらしい。自分でも何が理由でそう生きているのか改めて考えたことがなかったので少し落ち着いて考えてみた。

たぶん「今楽しいことをしたい。明日死ぬかもしれないから」という私の口癖に答えが表れていると思う。

コロナウイルスの影響で、多くの学校で卒業式が中止になった。私の人生初の理事長賞受賞も、表彰式で祝われることはなかった。

「卒業式で告白しよう」

そう思っていた人も少なからずいただろうけれど、中止により思いを伝えないまま相手と離れた人もいたかもしれない。思いを伝えた結果、その後2人の関係がどう変わるかは分からないけれど、少なくとも「自分はあの人に好かれていた」と知る機会や、勇気を出して人に自分の思いを伝えることを体験する機会がなくなってしまったことになる。それらがその後の人生にどれだけ影響を及ぼすかは計り知れない。

今日と変わらない明日がやってくることや、想像していた未来が実現することは、まったく当たり前ではない。

2008年6月8日、秋葉原で凄惨な事件が起こった。秋葉原通り魔事件だ。
当時私は中学1年生だったけれど、普段ニュースも新聞も大して見ないのにこの事件だけはとても衝撃的だったのをよく覚えている。人生で最初で最後、自ら新聞記事を切り抜いて持っていた。事件の被害者にまつわる記事だ。記事には、被害者はどこかへ出かけようとしているところだったと書いてあった。犯人は「誰でもよかった」と言っていた。被害者はまさか自分が今日死ぬとは夢にも思っていなかっただろう。思えばこの時の、どうすることもできない激しい怒りと悲しみと悔しさが私の考え方のきっかけになったのかもしれない。

2015年3月。一年間合格間違いなしの成績を取りつづけていたにも関わらず、志望大学には受からなかった。まったく話にならなかった。
けれどもその後の私の行動は今でも褒めてあげたい。少しも考えていなかった就職に向けて凄まじいスピードで行動し、結果今も自分の人生において大きな糧になっている。

どんなに計画立てて行動しても、想像していた未来がやってくるとは限らないし、自分が幸せに生きられるかどうかは今どう行動するか次第だと思う。

だから、やりたいことは今やる、会いたい人には今会いに行く。

「こうしたい」と思った時に、それが実現できる環境があることは、結構貴重なことだからだ。

そして、日々過ごしている中で「これをしたい」「あの人に会いたい」と強く思うことも貴重なことだと思う。だからこそ、その気持ちを大切にしたい。

私は、目標は何かと問われれば、こう答えるのが自分の気持ちに近い気がする。

「つねに今を一番楽しく生きることです」

よく、「あの頃が一番楽しかったな」という話があるけれど、私はそんな生き方はしたくない。いつだって、「今が一番楽しい」と思える人生にしたい。