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2023年・私の音


お世話様です、まるいです。

音楽に絞って2023年を振り返ってみる!ということを思いついて、楽しそうだったので書いてみました。



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今年は私が20歳になって、大好きなトーフビーツがメジャーデビュー10周年になるという年だった。
くっきり節目の年で、トーフさんの10周年ライブに(なんと)(嬉しい)当選し、都会の冬の箱でゆらゆら揺れた。本当にたのしかった!

時々、本当に意識がふわっと遠のいてしまいかけるような  
(自分の感受性がきっと自ら把握している以上に尖って敏感であることを、最近思い知らされつつある。いまはまだ、ようやくそのことを しびれを切らし諦めて自分で認め始めた段階で、それを踏まえてうまく生きていくための対応策はまだこれから......)
文字通りに目眩く移り変わる照明、人間が身体の中にもつ空洞のような部分に、どんどん響いていく重低音がたまらなく心地よかった。

みんなが揺れていて、色んな匂いが混じりあっていて、情報が出しっぱなしのおもちゃのように全部散らかっているのに 格好の良い音に乗せられていく。
整理ができる間もないのに全部が前に前に進められていく。DJのかける音楽になされるがまま、かっこよくてどんどん前に進んでいくし、それはものすごい勢いだからもう絶対に後ろに戻れない。くらくらした。

ここで、前置きにこのように高揚ほってほてでライブについて語り始めたのには背景がある。

何を隠そう(?)そもそも私が今回、年を音楽で振り返ってみるということに興味が出たのが上記のライブに際した、高野雀さん(漫画家) のトーフさん10周年に宛てた以下の記事を読んだからだったのである...(ラブ...)

(https://www.tofubeats.com/10th_takanosuzume)


文章の語り口としてはライトでラフなかたちなのに 魅力を精緻に鋭く言い当てた高野さんの文章に首ったけになってしまった。
選曲もあんまりにもサイコーだ、いますぐにがっしと握手をさせてほしい...。かあ〜.......。

そのため、高野さんに倣った形で私もよく聴いた曲を振り返ってみようと思う。(?)

敬愛するみきとPが楽曲の着想を得た
うみべの喫茶店


𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄

☆window/tofubeats
(https://music.apple.com/jp/album/window/973085359?i=973085363)

今年はなんだかwindowをたくさん聴いた。
トーフさんの音楽に魅せられてから今に至るまでの期間もそう短くはないが、私はこれまであまりwindowは聴かず、アルバム「STAKEHOLDER」でも基本的にスルーしているほうだった。キャッチーなイントロがちょっと取っつきにくかったかなー。でも、2023年はやたらとwindowを聴いていた。

毎回ベランダか、最終電車で聴いていたな。
日中には不思議と、windowのことは思い出さないし再生したいとも思わないんだけれど、夜になるとぐわっと存在感が濃くなってついつい聴いてしまう。恐ろしい曲!

window、私の中では夜の窓際に本当にぴったりな曲なのだ。

「夜になると 宇宙からの月明かりを眺めて
 窓の中をゆらゆらと漂う空を泳いで  

 この世界を導いて思い通りにしたって
 その替りに消えた恋を悲しむわ」

この歌詞が、流れで痺れちゃうほど大好き。

私がtofubeatsに惚れ込んで、こころが離れない理由がまるごとここにある。
世界が思い通りになって、そこで切り捨てられる恋は 全体から見てきっとちっちゃな取りこぼしだ。それを繊細に気づいて、立ち止まってきちんと悲しむと歌っている。トーフ......。あなたのような歌詞を書く人がいる、優しく素朴に歌ってみせる人がいる、それだけでなんとなくまるい(や、きっとたくさんのトーフさん好き)が生きていけるよ。

賢くて、それは時に世の中にある悲しさやりきれなさも拾って(気が付いて)しまうんだけど その侘しさをやさしく素朴にうたいあげる、寂しくて優しいお兄さん。
そんなお兄さんの 何をうたっていても誰か対象となる大事な相手のシルエットがみえてくるような慈しみと その親しみを込めた慈しみとは矛盾しないどこまでも深い諦念、どんな大事なものさえもはかないことを知っている寂しくてしずかな目。 大好き。

というかここまで書いているがまったく簡素でなく、高野雀さんリスペクトといいつつ全く反映されていない オリジナリティーまるいテキストを展開してしまっている。windowだけで文量、多すぎ。


windowは さみしさも優しさもやりきれなさも、全部乗せて (乗ったらいいなとちょっと前のめりにフェンスに体重を掛けて) ゆらゆら燻らせる夜の雰囲気がだいすきで、この曲のせいでからだに悪いこともふわっと自分の身に寄せたくなってしまうのだった。
いや、なげえ、一打一打が全力・・・。


☆「あの娘は誰?」とか言わせたい/キリンジ
(https://music.apple.com/jp/album/%E3%81%82%E3%81%AE%E5%A8%98%E3%81%AF%E8%AA%B0-%E3%81%A8%E3%81%8B%E8%A8%80%E3%82%8F%E3%81%9B%E3%81%9F%E3%81%84/1484305041?i=1484305043)

   ペケポ──ン......から始まるイントロの時点で私の白目部分を広げます。私はいつもねむいしなんか疲れていて(頼むよはたち......)黒目がいつもすべては露出せずに どこかしらに瞼が掛かっているようなイメージで  元気がないときはぼうっとしているんですが、この曲がかかると一瞬ぱっと世界がひらけてくる感覚の高揚がもたらされるような。


小生はわかりやすいので「きみが望むところ連れてくよ」が好きです。
やや悪戯だけども確かに大人の香りがして、ちょっと危ないかもしれなくて、でも自分の知らない深さをもった受容を与えてもらえるのかもしれないという予感や期待もある。
キリンジは、なんとなくおじさまの余裕や格好良さを滲ませながらも  その言を受ける少女の側のこころのゆれの方を描いているのでは?というように思う時がある。

そういう意味で、キリンジは余裕綽々で小娘を誑かしたり そういう色気を振りまいているんじゃなくて、
それを受ける少女のこころの方に近いナイーヴさというか、弱さ、さみしさを持ったおじさまな気がする。
ちょっとめんどくさい男のひとな感じで、だから好きなのかなあ。実際姿としてもカッコはとってもついてるのに、割とその内実では女の子のほうに共感がある、立場として少女のこころの方をみていて勝手にぐずついてそうなところが.....(書いててなんか自分がすげえ変態みたいな気分になってきた)

この曲は東京を夢見ているときにも甘美に響いたけど、東京で聴くほうがやはり、良い音に聞こえます。都会へ来たね。


坂の途中/スガシカオ
(https://music.apple.com/jp/album/%E5%9D%82%E3%81%AE%E9%80%94%E4%B8%AD/1443166439?i=1443166699)

今年の春夏によく聴いていました。

坂の途中  もう息が切れそうな時電話をしてよ
休まないでのぼること
君ならできるよ

スガシカオ、ドロドロとした湿っぽい曲がとっても巧いし  どんなに深くまで潜り込んだ絶望や卑らしさを唄っても、あくまで軽薄な響きでファンクに仕立てる あのかるくてねっとりしすぎない声質が絶妙だと思います。

なんだけど、それを踏まえた上で、ときどきスガさんがうたう優しさは力が抜けていて  そちらは私またいっとう好きなんです。
「うきぶくろをもって」、「ひとりぼっち」が私のスガさん二大好き曲なのですが  あの類の深度を感じます。海のようだ。


夜のいきもの/bookstores
みきとP、楠木郁カバー

(歌ってみた/愛島 https://www.nicovideo.jp/watch/sm22935753)
(夜のいきもの ver,楠木 郁 https://www.nicovideo.jp/watch/sm34123404)

 超聴いた!昨年から今年にかけて、特にほんとうにすりきれる程聴きました。
昨年入院しているベッドで泣きながら聴いていたけど、今年は泣かずに爽やかな心で聴いていたよ、わたしの子守唄。 大好き。

ラッキーストライクの煙にゆられて銀河のはてまでゆけたら
ラッキーストライクの煙にゆられて銀河の彼方を見ながら


はじめまして/ラブリーサマーちゃん
(https://music.apple.com/jp/album/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%A6/1415580308?i=1415580461)

ポップに肩の力の抜けた励まし方をされる。この曲も今年よく聴いた、「最初はみんなはじめまして」。

ソングバード/HARCO
(https://music.apple.com/jp/album/%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%89/1597887196?i=1597887207)

こちらはフォロワーのお姉さんから教えてもらった音楽のひとつ、この曲いっぱいお世話になった!
優しくて、素直で、聴く度に「ああ、あかるいところが確かに存在するよね、きっとそうだったよね」と希望をもたせ直してくれる感じがする、

このさきは僕が連れていこう...🎹🍃


彼方此処/DATEKEN
(https://youtu.be/8KEDnLY26S8?si=1tqHplwkLEMiFyRU)

YouTubeにある、謎にルンバ(電動掃除機)の動作音だけで演奏しているピコピコ電子音の動画もすきです。笑  
私は今年、流れで 私の心の追いつかぬままに繁華街ゆきの約束が取りつかってしまう...ということが度々あったので(?) ほんとうにぼんやり寝起きのような頭で ひとり向かう電車の中で再生していました。リンちゃんがピコピコ、かわいい。(あたまの回っていないコメント)

made my day remix(covered by rin音)
(https://youtu.be/Jz8PrdoOYv0?si=_61fViX71njZSMm3)

今年も何気にYouTubeのこの動画をひたすら聴いた...ほどよ〜くちゃらくって、程よく適当で、ほどよく諦めていて優しい。どんな気分のときにも親和性がよいのだと思う。

唾奇の原曲もずっと大好きで、気が急いてしまったときに ふっと一枚まぶたに半紙を掛けるような気持ちで聴いている。
「俺はマイペースの王子」からうふふってなるし、原曲の「愛してるやっさって思う」をもじって「愛してるよ明後日も」と言い直すところの ある程度の軽さ、チャラさ爽やかさ、原曲の唾奇が聴いたらなんとなくちょっと睨むんじゃないかと思うようなところも 含めてとっても大好き。

それにしても、「愛してるよあさっても」ってすごい、うれしい、安心感がすごすぎるよねえ。
保険に保険がついてくる、明日になっても心配不要。いっぽ先までストックがある。


七里ヶ浜スカイウォーク/ASIAN KUNG-FU GENERATION
(https://music.apple.com/jp/album/%E4%B8%83%E9%87%8C%E3%83%B6%E6%B5%9C%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AF/1536372416?i=1536372421)

夏場、私がイヤホンをしていれば大体はこれを再生していた!というくらいに聴いた〜聴き倒しました、七里ヶ浜スカイウォーク。大好きです。

波さらってなくなって......と切り込まれてからの 後ろで鳴っている音のことが大好きで、
あの波の満ち干きのようにめろめろとした音をバックに 私はぜったい目瞑っちゃいます。体内全体に音を行き渡らせる感じ、空間の中を泳がせるような聴き方をせずにいられない...。

アジカンのボーカル、スーパーカーのボーカルあたりの 肺がでっかそうでいっぱい眠りそうな、ぼわっと霧のような拡がりをもつ男性の声が好きです。

この曲は幼少期にレンタル落ちCDを聴きあさっていたときに聴いていて、今年再会して 馴染みのあるイントロに鳥肌が立って「この曲だったのか...!!」となりました。それからまたずっと聴いてる、面白い旅を経て再会できたね。


sugar/Men I Trust
(https://music.apple.com/jp/album/sugar/1720804300?i=1720804303)

この曲はほんとうに、「沢山聴いていた」というよりとても大事に とっておきの時に聴いていた。
多幸感と切なさと やるせなさと、すべてがこの曲の数分間にカプセルみたいに保管されている。と思っている。
(sugar...♩ )

多幸感、しあわせで俯いちゃうような帰路にひとりで歩きながら聴いていたけど  シュガー、の単語一つでその甘やかさも 裏腹に糖が持っているなにかを蝕むちょっとした毒性も、対比で同時に想起させるコーヒーや紅茶の苦いコントラストもすべてがのせられている。天才的だと思う、大好きだ。sugar...  🎧


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一個一個熱量が高すぎて、お世話になった音楽も 2023年によく聴いた思い入れのある曲も まだまだあと数十曲(以上)ありますが、身がもたねえ、うえにこれはもはやnoteが落ちてしまうのでは?という勢いなので ここらでワープロにひと段落をつかせます。「筆を置く」の現代版だなあ。


2023年も、ずっと耳もとに音楽があってよかった。
2024年はどんな音楽を聴いて、どんな思いを知っているのだろう。聴く私も、大好きな音を産んでいる皆さんも 元気に生きていられるといいです。  良いお年を!


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