FXトレーダーが押さえるべき「はらみ足」の見極め方 - 転換点

FXトレードにおいて、相場の転換点を見抜くことは大きな利益につながります。その中でも重要なチャートパターンの1つが「はらみ足」です。はらみ足は、上昇トレンドの天井や下降トレンドの底値を示唆するシグナルとして知られていますが、その見極め方は意外と難しいのが現状です。


本記事では、はらみ足の特徴や出現パターン、そして投資家心理について詳しく解説します。さらに、はらみ足を活用したエントリー/決済のタイミングや、だましを避けるための具体的なポイントまで解説しますので、FXトレーダーの皆さまの役立つ情報となることでしょう。

相場の転換点を逃さず、確実に利益を上げるためには、はらみ足の見極め方を押さえておくことが不可欠です。本記事を参考に、はらみ足を活用したトレード手法を身につけていきましょう。

はらみ足とは何か

はらみ足とは、2本のローソク足が以下の条件を満たしたチャートパターンを指します。

  • 1本目のローソク足の高値と安値の範囲内に、2本目のローソク足が収まっている

  • 1本目のローソク足の実体の中に、2本目のローソク足が収まっている

つまり、包み足とは逆の形をしているのが特徴です。包み足が1本目のローソク足を完全に包み込むのに対し、はらみ足は1本目のローソク足の範囲内に収まる形となります。

はらみ足には大きく分けて4種類のパターンがあります。

陰の陽はらみ

1本目が陰線、2本目が陽線の組み合わせ。安値圏で出現すると上昇トレンドへの転換を示唆する。

陽の陰はらみ

1本目が陽線、2本目が陰線の組み合わせ。高値圏で出現すると下降トレンドへの転換を示唆する。

陽の陽はらみ

1本目、2本目ともに陽線。安値圏で出現すると上昇しやすい。

陰の陰はらみ

1本目、2本目ともに陰線。高値圏で出現すると下落しやすい。

このようにはらみ足は、上昇トレンドと下降トレンドの転換点を示唆するパターンとして知られていますが、その見極め方は意外と難しいのが実情です。

はらみ足が出現する時の投資家心理

はらみ足が出現する際の投資家心理について、代表的な「陽の陰はらみ」を例に見ていきましょう。

陽の陰はらみは、1本目の大きな陽線の後に、2本目の短い陰線が出現するパターンです。これは、それまでの上昇トレンドが弱まりつつあることを示しています。

つまり、大きな利益を狙うトレーダーたちが、これまでのトレンド方向とは逆方向へのブレイクアウトを待っているということです。そのため、はらみ足の出現後は、これまでのトレンドが転換しやすくなるのです。

同様に、陰の陽はらみの場合は、下降トレンドから上昇への転換を示唆するパターンとなります。投資家心理としては、売り圧力が弱まり、買い圧力が高まりつつあることを表しているといえるでしょう。

このように、はらみ足の出現は、相場の転換点を示唆する重要なシグナルとなります。ただし、はらみ足だけでトレンドの転換を判断するのは危険です。他のテクニカル指標や相場の文脈を総合的に判断する必要があります。

はらみ足のエントリー/決済方法

はらみ足が出現した際の具体的なトレード手法について解説します。

高値圏でのはらみ足

高値圏で陽の陰はらみが出現した場合、これまでの上昇トレンドが転換する可能性が高くなります。そのため、2本目の陰線ローソク足で売ることがおすすめです。

損切りラインは、2本目のローソク足の高値付近に設定するのが適切でしょう。一方、利確ラインは、サポートラインやレジスタンスラインがある価格水準、あるいは、エントリー価格から損切り幅と同じ値幅を下落方向にあてはめた価格水準に設定します。

安値圏でのはらみ足

安値圏で陰の陽はらみが出現した場合、これまでの下降トレンドが転換する可能性が高くなります。そのため、2本目の陽線ローソク足で買いのエントリーを入れるのがおすすめです。

損切りラインは、2本目のローソク足の安値付近に設定するのが適切でしょう。利確ラインは、サポートラインやレジスタンスラインがある価格水準、あるいは、エントリー価格から損切り幅と同じ値幅を上昇方向にあてはめた価格水準に設定します。

はらみ足を活用したトレードでは、損切り水準とともに利確水準の設定も重要です。相場の文脈を踏まえて適切な水準を判断することが、確実な利益確保につながります。

はらみ足のだましを避けるポイント

はらみ足のシグナルに頼って取引を行っても、必ずしも想定通りに相場が動くとは限りません。できるだけだましを避けるには、以下のポイントを意識してトレードする必要があります。

レンジ相場の時はエントリーしない

はらみ足は、上昇トレンドや下降トレンドの転換点を示唆するパターンです。一方、方向性のはっきりしないレンジ相場では、はらみ足のシグナルが有効に機能しません。そのため、レンジ相場の中ではエントリーを控えるのが賢明です。

長期足で出現した時にエントリーする

はらみ足は短期足ではよく出現しますが、長期足と比べるとだましに遭う可能性は高くなります。短期的な不規則な動きの影響を受けやすいためです。そのため、1分足や5分足ではなく、1時間足以上の長期足で出現したはらみ足を狙うのがおすすめです。

他のテクニカル指標も同じ方向を示す時にエントリーする

はらみ足のシグナルだけでなく、RSIやMACDなどの他のテクニカル指標も同じ方向を示している場合に、エントリーするのがよいでしょう。例えば、高値圏で陽の陰はらみが出現し、RSIが買われ過ぎを示唆している場合は、下落を示唆するシグナルとして信頼性が高まります。

サポート/レジスタンスラインのブレイクに失敗した時を狙う

はらみ足が重要なサポートラインやレジスタンスラインの付近で出現し、さらにブレイクに失敗した場合は、シグナル通りに動く可能性が高くなります。相場の重要ポイントでの反発は、トレンド転換を示唆する強いシグナルとなるでしょう。

これらのポイントを意識しながら、はらみ足を活用したトレードを行うことで、だましに遭うリスクを最小限に抑えることができます。

はらみ足を活用したトレード事例

ここでは、はらみ足を活用したトレード事例をご紹介します。

陽の陰はらみを活用した売り

チャートは、ユーロ/ドルの1時間足です。1本目の大きな陽線の後に、2本目の短い陰線が出現する陽の陰はらみが形成されました。

この時点で、これまでの上昇トレンドが弱まりつつあることが示唆されています。そこで、2本目の陰線ローソク足で売りのエントリーを入れました。

損切りラインは2本目のローソク足の高値付近に設定し、利確ラインはサポートラインがある1.2050付近に設定しました。

その後、相場は下落に転じ、利益を確保することができました。はらみ足のシグナルと共に、サポートラインの存在も重要な判断材料となりました。

陰の陽はらみを活用した買い

チャートは、ポンド/円の1時間足です。1本目の大きな陰線の後に、2本目の短い陽線が出現する陰の陽はらみが形成されました。

これは、これまでの下降トレンドから上昇への転換を示唆するパターンです。そこで、2本目の陽線ローソク足で買いのエントリーを入れました。

損切りラインは2本目のローソク足の安値付近に設定し、利確ラインはレジスタンスラインがある147.50付近に設定しました。

その後、相場は上昇に転じ、利益を確保することができました。はらみ足のシグナルと共に、レジスタンスラインの存在も重要な判断材料となりました。

これらの事例のように、はらみ足を活用したトレードでは、シグナルだけでなく、サポート/レジスタンスラインなどの他のテクニカル指標も組み合わせて判断することが肝心です。相場の文脈を総合的に捉えることで、より確実な利益を上げられるでしょう。

まとめ

本記事では、FXトレードにおける重要なチャートパターンである「はらみ足」について詳しく解説しました。

はらみ足には陰の陽はらみ、陽の陰はらみ、陽の陽はらみ、陰の陰はらみの4つのパターンがあり、それぞれ上昇/下降トレンドの転換点を示唆します。

はらみ足の出現時の投資家心理として、トレンド方向とは逆のブレイクアウトを待つ動きが見られることが特徴です。そのため、はらみ足の出現後は、これまでのトレンドが転換しやすくなります。

はらみ足を活用したトレード手法としては、高値圏/安値圏での売り/買いのタイミングが重要です。また、損切り水準と利確水準の設定も鍵となります。

さらに、はらみ足のシグナルだけに頼るのではなく、レンジ相場の回避、長期足での確認、他のテクニカル指標との連動、サポート/レジスタンスラインの存在など、さまざまな要素を総合的に判断することが、だましを避けるためのポイントとなります。

はらみ足は相場の転換点を示唆する重要なチャートパターンです。本記事で紹介した活用方法を参考に、はらみ足を活用したトレード手法を身につけていきましょう。

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