スラストアップ・スラストダウン:プライスアクションの勢いを活かしたトレード戦略

スラストアップは、ローソク足のプライスアクションパターンの一つであり、値動きの勢いを示すものです。直前のローソク足の高値を上回って終値が確定されることで成立します。スラストアップは、上昇トレンドの途中では頻繁に出現し、連続して現れることでトレンドの強さを示します。


スラストアップは、勢いや推進力を意味する「スラスト」という言葉に由来しています。前日の高値を貫通し、そのまま大引けを迎えることは、買い圧力が強いことを示しています。通常、前日の高値は目先の抵抗帯となることが多いですが、スラストアップでは高値を超えても買いが続々と湧いてくるため、「高くても買いたい」という投資家の意欲が感じられます。上昇トレンドの持続には高値の更新が必要であり、スラストアップはその原動力となります。強いトレンドでは連続してスラストアップが発生し、高値を切り上げていく傾向があります。スラストアップが連続して現れるほど勢いが強く、強いトレンドが続いていることを意味します。しかし、一日や二日のサインのみで否定される場合は、トレンドが停滞していることを示す場合もあります。

スラストアップを分析する際には、前後のローソク足との比較も重要です。例えば、前日が大陽線かつ最高値をもって大引けした場合、当日の終値がそれを上回ってスラストアップとなると、一見非常に勢いが強く見えますが、前日が陰線かつスパイクハイのサインを示した場合のほうがより勢いが強いと言えます。前日のスパイクハイの陰線はロング筋の苦戦や撤退を示すものであり、その後のスラストアップのサインが確認できれば、貫通力が強いことを意味します。ただし、スラストアップの単独のサインだけでなく、連続して現れる場合は、個別のケースを考慮しながら原則論と照らし合わせることが重要です。

スラストダウンとは?

スラストダウンは、スラストアップとは逆に、直前のローソク足の安値を下回って終値が確定されることで成立します。スラストダウンは下降トレンドの途中で頻繁に出現し、連続して現れることで下落の勢いを示します。

スラストダウンもスラストアップと同様に、連続して出現するほど勢いがあり、強い下降トレンドを意味します。下降トレンドが継続するためには、安値が切り下がっていくことが必要であり、そのためにはスラストダウンの連続が重要です。スラストダウンが連続して出現するということは、「安くても売りたい」という考えを持つショート勢が多いことや、「含み損が少ないうちに損切りしたい」というロング勢の投げ売りが背景にあると推測されます。

スラストダウンが発生すると、ロング勢の反撃の余地がなく、売り一色���展開が続くことがわかります。また、前日の安値に比べて当日の終値が低い位置にあるほど、下落の勢いが強いと判断されます。スラストダウンが連続して出現する場合は、下降トレンドが強く持続していることを意味します。ただし、スラストダウンの単独のサインだけでなく、連続し��現れる場合も個別のケースを考慮しながら原則論と照らし合わせることが重要です。

スラストアップ・スラストダウンを表示するMT4インジケーター

スラストアップやスラストダウンを簡単に確認するためには、MT4(MetaTrader 4)などの取引プラットフォームに対応したインジケーターを利用すると便利です。これらのインジケーターは、チャート上にスラストアップやスラストダウンのサインを表示してくれるため、トレードの判断材料として活用できます。

具体的なMT4インジケーターとしては、「ThrustUp」と「ThrustDown」などがあります。これらのインジケーターを導入すると、スラストアップやスラストダウンのパターンがグラフ上に表示されます。また、設定によってはサインの強度や期間を調整することも可能です。インジケーターの使い方や設定方法については、各プラットフォームのマニュアルやオンラインのチュートリアルなどを参考にすると良いでしょう。

スラストアップ・スラストダウンを利用したトレード戦略

スラストアップやスラストダウンのパターンを活用したトレード戦略について解説します。これらのプライスアクションを利用することで、トレンドの勢いを把握し、エントリーポイントやトレードの方向性を判断することができます。

パターンを細分化する

スラストアップやスラストダウンのパターンは、基本的には直前のローソク足の高値や安値を上回るか下回るかで判断されますが、さらに細分化して分析することもできます。例えば、直前のローソク足が陰線か陽線か、スパイクハイやスパイクローがあるかなどを考慮することで、より精度の高いトレードの判断ができます。

マルチタイムフレームで仕掛ける

スラストアップやスラストダウンのパターンを利用したトレードでは、マルチタイムフレーム分析が有効です。複数の時間枠のチャートを同時に見ることで、トレンドの方向性や勢いをより詳細に把握することができます。例えば、日足チャートでスラストアップやスラストダウンのパターンを確認した場合には、4時間足や1時間足などの短い時間枠での確認も行うと良いでしょう。

具体的なトレードルール

スラストアップやスラストダウンを利用したトレードにおいては、以下のような具体的なルールを設定すると良いでしょう。

  • スラストアップの場合:

    • 直前のローソク足の高値を上回る終値が確定した場合にロングポジションを取る。

    • ストップロスは、直近の安値よりもある程度下に設定する。

    • 利益確定ポイントは、トレンドの持続性やレベルなどを考慮して設定する。

  • スラストダウンの場合:

    • 直前のローソク足の安値を下回る終値が確定した場合にショートポジションを取る。

    • ストップロスは、直近の高値よりもある程度上に設定する。

    • 利益確定ポイントは、トレンドの持続性やサポートレベルなどを考慮して設定する。

以上が、スラストアップとスラストダウンを活用したトレードの基本的なルールです。ただし、トレードには常にリスクが伴うため、十分な検討とリスク管理が必要です。また、スラストアップやスラストダウンのパターンは一つの要素に過ぎず、他のテクニカル指標やファンダメンタル分析との組み合わせも検討することが重要です。

まとめ

本記事では、スラストアップとスラストダウンというプライスアクションのパターンについて解説しました。スラストアップは上昇トレンドの勢いを示し、スラストダウンは下降トレンドの勢いを示します。これらのパターンを活用することで、トレンドの方向性やエントリーポイントの判断が可能となります。ただし、トレードには常にリスクが伴うため、慎重な検討とリスク管理が必要です。スラストアップやスラストダウンのパターンを利用しつ��、他の分析手法との組み合わせを検討することで、より精度の高いトレードが可能となるでしょう。

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